ガザで人質が解放されました。トランプさんの獅子奮迅の働きによるものなのでしょうか。これを自身の成果としています。その目はウクライナ問題へと移ることになりそうです。
ガザ停戦第1段階、中東に「歴史的夜明け」とトランプ氏 イスラエル人人質とパレスチナ人収監者の交換実現で - BBCニュース
しかし、ガザでの停戦後も、人道支援と治安の両面で深刻な課題が残っているようです。イスラエル当局は、当初は1日あたり600台のトラックの入域を認める方針を示していましたが、人質の遺体返還が遅れていることへの対抗措置として、1日あたり300台に制限する方針に切り替えたといいます。ガザの人道状況が悪化する懸念もまだ残っているようです。
トランプさんの和平計画の第一段階の合意は、紛争を終結させるための突破口となりましたが、永続的な平和の確立はまだ先となるようです。トランプさん主導の計画が、国際的に支持される「二国家解決」の原則を十分に尊重せず、米国の一方的、あるいはイスラエル寄りの解決策を強行するのではないかという懸念もあるといいます。
トランプさんの「ディール主導型」外交スタイル、予測不可能で、国際機関や伝統的な同盟関係を介さないこのアプローチが、ガザ紛争を「終わらせた」とし、「成功例」として宣伝される可能性があるといいます。国連やG7/G20といった伝統的な国際的枠組みではなく、米国と特定のアラブ仲介国（エジプト、カタールなど）が中心となる形で和平が進むことで、多国間主義の弱体化や、EU 欧州連合など他の主要アクターの役割低下が懸念されるといいます。
これを機に、トランプさんが、対中・対ロシア戦略など、他の外交課題へリソースシフトさせる可能性があるといわれているようです。ウクライナへのトマホーク供与問題、米中貿易交渉の行方も目が離せそうにありません。
論語でまとめ
子路（しろ）が曰わく、君子は勇を尚（たっと）ぶか、と。子曰わく、君子は義を以て上（じょう）と為す。君子も勇有りて義無くんば、乱を為す。小人 勇有りて義無くんば、盗を為す。（「陽貨第十七」20）
弟子の子路が「君子は度胸、勇気を尊重しますか」といいました。「君子は義を第一とする。だから、君子とてただ度胸や勇気があるだけで義がなければ、無法なふるまいをして他人に迷惑をかけ反逆者となる。小人とて同じこと。盗みや略奪をはたらく反乱者となるだけのことだと孔子は言いました。
その「義」も、己の欲を捨て、公のために尽くすそうとする「条理」がなければ、不義になってしまいます。「条理」、物の道理、物事の筋道。自然の理法を意味します。社会秩序も条理を基礎に成り立ち、「条理」は法解釈の指針となるといいます。
「天地自然の理法」、太陽は東から上れば、朝を迎え、陽が西に沈めば、夜になる。雨が降れば、人は傘をさす。極めて当然のこと。雨なのに傘をささなければただ濡れるだけ。
理非を考えず、むやみやたらに発揮する勇気。向こう見ずの勇気を「蛮勇」と呼びます。そんなものがあちらこちらに跋扈していそうです。
日本国内では、「次の総理」を巡る争いが混沌してきています。メディア各社がそれを面白がって報道しているように見えます。「義」、「大義名分」とかがもう少し明確になればいいのではないでしょうか。そうなれば、混乱する国際情勢に惑わされることなく国を導くのが誰かもわかるのでしょうし、国民のために働く人か誰かも見えてくるのではないでしょうか。
「参考文書」
トランプ氏「新しい中東の夜明けだ」 イスラエル国会での演説要旨 - 日本経済新聞
ハマスは武装解除を、さもなくば武力行使も辞さず＝トランプ氏 | ロイター
秋の首脳外交、内政混沌で準備に遅れ 米中との会談機会に暗雲 - 日本経済新聞
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