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多数派工作、かけ引き、「次の総理」の争いと退任間近の石破首相のレガシー作り

 高市さんなのか、それとも玉木さんなのか。「次の総理」は誰になるのでしょうか。注目が集まっているようです。

高市早苗氏か玉木雄一郎氏か、首相指名シナリオ 国会まで10日程の多数派工作 - 日本経済新聞

 かけ引きを巡る報道合戦は辟易です。かけ引きに興じないと宰相を選ぶことができないのが、この国の政治の問題のように思えます。その「器」なのかと問うてみてもよさそうなものです。

 

 

 石破さんの退任が近づき、本人のレガシー作りもさることながら、ちまたでもレガシー探しをしているかのようです。10月7日に出席した連合の「第19回定期大会」での演説を再度評価する声もあるようです。

令和7年10月7日 連合「第19回定期大会」 | 総理の一日 | 首相官邸ホームページ

 この演説では、連合との立場を超えた連携を呼びかけ、石破氏の「包容力」と「実務家」としての側面を強く印象づけたものといわれています。

 立憲民主党や国民民主党の主要な支持基盤である労働界のトップ組織「連合」の定期大会に自民党の総理が出席し、政策の核心部分で深く共感を示すことで、政治的な立場を超えた国益のための協調をアピールしていました。過去の政権が労働組合に対して強硬な姿勢を取ることもあった中、石破総理は労働者の立場に寄り添うことで、政権運営の安定性と自身のリーダーシップの広さを示したといわれているようです。

(↑ この演説の中で、三島由紀夫の「絹と明察」を引用していました。)

 4月には公明党の公式YouTubeチャンネルに登場し、斉藤代表と鉄道談義して話題になりましたが、引き続きこの話も語られているようです。

 この時は、石破さんが寝台特急「出雲」に1000回乗車した経験や、思い出のディーゼル特急など、個人的な「鉄道愛」を語り、地方鉄道の存続危機と、将来的な輸送のあり方。 災害時における鉄道インフラの役割などについて語り合っていました。

 現職の総理が、与党とはいえ連立を組む別政党(当時の)の、しかも「サブチャンネル」という比較的カジュアルなメディアに登場することが異例で、「鉄道ファン」という共通の趣味を通じて、個人的な側面や素顔を垣間見せ、「親近感」を抱かせたことが、支持層外にも関心を持たれることになったといいます。石破さんの人間味が伝わったようだといいます。

 

 

「女の悪口で盛り上がる玉木&榛葉のゲストーク」、Xの投稿にあったその文言がちょっと気になりました。チェックしてみると、「たまきチャンネル7周年記念 特別企画 榛葉賀津也議員と玉木雄一郎スペシャル対談」で、立憲民主党の女性議員の話をしていました。公式チャンネルの場で、特定の議員を名指し、それによって違いを鮮明にしようとするのはどうなのかな。まして、今、総理候補に名が上がっているのにと感じたりもします。

「批判による差別化」、批判の的を明確にすれば、党の独自性を際立たせ、支持層を固める上では有効なのかもしれません。しかし、多くの国民が、野党が足並みを揃えて政府をチェックし、緊張感のある政治を実現することを望んでいるのに、野党間の対立を不必要に激化させ、結果的に与党を利するようになって、「大局を見失っている」との印象もあります。

「対決より解決」、「反立憲」の姿勢を明確にすることは、トランプ氏が得意とする「敵の弱点に直接的に切り込み、強烈なメッセージで支持者の共感を呼ぶ」手法と重なります。これは、政策論争よりも、競合相手のブランドイメージを傷つけつつ、自党の存在感を一気に高めるという「トランプ的」な手法と言えるのではないでしょうか。「誰を批判するか」よりも「何を協力して解決するか」に焦点を当てる建設的なリーダーシップが今求められているように思えてならなりません。

論語でまとめ

益者(えきしゃ)三友(さんゆう)あり。損者(そんしゃ)三友あり。直を友とし、諒(りょう)を友とし、多聞を友とするは、益なり。便辟(べんぺき)を友とし、善柔(ぜんじゅう)を友とし、便佞(べんねい)を友とするは、損なり。(「 季氏第十六」4)

つきあってためになる友人が三種類あり、つきあって害になる友人が三種類あると孔子は言いました。

 人間関係を築く上で、相手の性格をよく見極めることの重要性を示しています。表面的な付き合いだけでなく、その人の本質が自分の成長に良い影響を与えるか、あるいは悪い影響をもたらすかを判断すべきだと説いているのです。 

「益者三友」、自分に正しく向き合わせ、誠実で信頼でき、広い知識を与えてくれる友人の大切さを教えます。

「損者三友」、耳当たりの良いことばかり言う人、本心を隠して近づく人、巧みな言葉でごまかす人といった、自分の成長を妨げる友人との付き合いを戒めています。

遠く遠く

 ついつい、石破さんとか、次なる総理候補の玉木さん、高市さんはどんなタイプの人なのかと見てしまいます。「益者」なのか、それとも「損者」なのか。人のため、社会のためになる人物であって欲しいのですが、どうなのでしょうか。それが「次の総理」であればなおさらです。この国の未来を託するのですから。

 

「参考文書」

首相、10日間超の「総総分離」でレガシーづくり? 自民に戸惑いも [自由民主党(自民党)][石破政権]:朝日新聞