米中の貿易交渉が今週スイスで始まるようです。互いに高関税を課し、経済を直撃しかねない現状を受け、緊張の緩和に動くといいます。
米財務長官と通商代表、中国当局と貿易交渉開始へ-今週スイスで会談 - Bloomberg
「前進する前に緊張を徐々に緩和する必要がある」、ディールではなく、緊張緩和が焦点になるとベッセント米財務長官は述べ、「われわれが望むのは、中国とのデカップリング(経済分断)ではなく、公正な貿易だ」と語っています。どんな協議になるのでしょうか。
トランプ政権の「戦略的な不確実性」という手法は、交渉で米国に有利に働く一方、市場を不安にさせることがあるとベッセント氏が認めたそうです。やきもきすることがしばらく続きそうです。
それにしても、トランプさんが口にする「貿易赤字の解消」や「製造業を米国に取り戻す」は実現するのでしょうか。交渉が成就し、それに目途が立つのなら政策は転換されるのか。いずれにせよ、これまでの自由貿易体制に戻ることはなさそうです。
「不確実性が高まった」。先日開催されたG20 の財務相・中央銀行総裁会議でもトランプさんの関税政策がやり玉にあがっていました。批判の対象がこれまでのロシアや中国から米国に移ったようだといいます。
G20攻守交代 米の関税に中国が「保護主義」批判、不確実性も懸念 - 日本経済新聞
「貿易戦争に勝者はなく、保護主義に活路はない」、中国人民銀行の総裁が述べていました。自由貿易の旗振り役が中国に移ろいゆくようにも見えます。対立から距離を置く国も多いといいます。「予測不能」であることに変わりはなさそうです。
論語に学ぶ
故(ふる)きを温めて新しきを知る、以って師と為るべし。(「為政第二」11)
昔をたずねて、そこから新しい知識・見解を導くこと。「温故知新」と孔子はいいました。過去や永遠の真理を学び、それらから現代に応用できるものを探る。こうしたことができる者を師とすべし。
伝統や習慣、考え方、制度を墨守、維持しようとする、またはそれに単純に回帰しようとするのではなく、それを現代の火にかけて今日的意味を探ってみる、どんな時代であってもそんな作業が求められるということでしょうか。こうした知的訓練を重ねることによって、眼前の複雑で混沌とした、しかし、私たちにとっても切実な現実を筋道をたててとらえることができるといいます。まして価値観が常に変容していく現代なのですから、なおさらです。
このままトランプさんのペースで進むことになるのでしょうか。こんな予測不能な時代だからこそ、「温故知新」そんな知恵を使ってみてもよさそうです。
しかし、現実は厳しそうでもあります。今はまず適応、適合していくいかないのでしょうか。現実、世界の自動車メーカの一部は米国生産を拡大させようとしています。それが足元の現実的な解なのかもしれません。一方で、それに問いをたててみる。また、そこから生じる課題を解決していく、そんな作業も怠ることはできそうにありません。そのまま放置すれば、トランプさんの思う壺になって、私たちの幸福が遠退くことになりかねないのですから。
今ここにある課題を解決し、そこから新しい価値が創出できるようになればいいのではないでしょうか。
「参考文書」
中国、対米貿易交渉で「正義」守ると表明 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
中国、「歴史の正しい側にいる」 米との貿易対立で 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

