トランプさんが大統領に就任して間もなく100日となります。新しいリーダーにとって最初の100日は極めて重要なものといわれます。長期的に成功するのか、それとも失敗するのか、その兆しが現れるからだといいます。最初の30日で改革の第1ラウンドを終了させるなどこなすべきことがあります。それらがその後の運命、そして印象を決定づけていくようです。
米国史上最長の大統領在任となり、名宰相とも評されたフランクリン・ルーズベルトは、最初の100日で国内政策と外交に関して重要な決定を下しました。恐怖を示したりパニックに陥れたりすることもなかったといいます。まして機嫌が悪くなることもなかったそうです。
100日が経過しても、トランプさんの言説が毎日報じられています。
トランプ氏100日、誤算の取引外交 公約「2つの停戦」成果に焦り - 日本経済新聞
戦後最多の大統領令で政策の実行力を誇示する一方、公約に掲げたウクライナと中東の停戦交渉は誤算が続く。硬軟で相手国に譲歩を迫る「取引(ディール)外交」は袋小路に追い込まれている。(出所:日本経済新聞)
トランプさんの最初の100日はどうなのでしょうか。
論語に学ぶ
巧言は徳を乱る。小 忍ばざれば、則ち大謀(たいぼう)を乱る。(「衛霊公第十五」27)
おべんちゃら、口先だけでうまいことを言うのは、品格を損なうもとである。小さなことにも耐え忍ばなければ、大事、大望など為せるはずもないと孔子はいいました。
混乱もどこ吹く風、トランプさんはすべての決定を自分で下すと主張します。こうしたことばが言質となって、外交が左右されているのですからたまったものではありません。ほんとうのリーダーとはいえそうにありません。100日以降も困った状況が続きそうです。
口からでまかせを言うのはトランプさんだけではないのでしょう。日本の政治も大差がないようのです。コメの高騰は続き、令和のコメ騒動が一向に収まる気配がありません。渦中の江藤農水相の言葉も上滑り、信用できるものではありません。
「頭じゃなくて米価を下げろ」農水相謝罪に国民から猛ツッコミ!…それでも政府が「コメ高騰政策」を平然と続けるワケ | 情報戦の裏側 | ダイヤモンド・オンライン
「備蓄米を出しても店頭価格が下がらないということについては、責任を重く感じておりますし、申し訳ないと思っております」、江藤農水相は謝罪しますが、巷ではコメの供給不足が確定的に語られ、すべての対策が焼け石に水とまで言われる始末です。これでは問題解決はなさそうです。
因果応報、今ある事象にも必ず原因はあるものです。良いことをすればよい結果に結びつき、悪いことをすれば悪い報いを受けるものです。過去からの政策が今の悪い結果に結びついているのなら、国が自らの責任で国民を救済するのがあたり前であって、それを放棄するのなら何ら職責を果たしていないことになってしまいます。「政治の貧困」といっていいのでしょう。今、世界のどこでも見られることになっているのでしょうけれども、日本はことさら悪い類いにあるといってよさそうです。
トランプ関税を巡って、今週にも2回目の日米閣僚交渉が始まるそうです。理不尽な要求に厳しい交渉になりそうだといいますが、これを機会にして、コメ騒動など国内の難題を解決につなげていくことができればいいのでしょう。
[社説]米価抑制とコメ不足解消へあらゆる手を - 日本経済新聞
しかし、今の日本の政治の実力からして(与野党とわず)、それも無理そうです。その場しのぎの決定が下されることになるのでしょうか。これではいつになっても大事をなすことはできず、国民生活の質が改善は進みそうにありません。政治の貧困の解消も喫緊の課題になるようです(政治改革の先送りが続いていますが)。問題はみんなつながっているようにも見えます。
「参考文書」
【コラム】トランプ氏が取り組む6つの戦争、全て敗色濃厚-ブランズ - Bloomberg
ドル指数、ニクソン政権後で最大の下げへ-米大統領の就任100日間 - Bloomberg
トランプ氏の支持率、就任100日を前に失速鮮明-共和党に減税圧力 - Bloomberg
見えぬアジア戦略 対中国で一貫性欠く―トランプ政権100日:時事ドットコム
米の青田買い過熱 25年産JA買い取り3〜4割高 高値長期化も - 日本経済新聞
米国産米の輸入増でコメ価格は下がる? 米国側、要求は多様 | 毎日新聞
備蓄米放出後も…コメ高騰、農家が抱く危機感「農家数が減少、農村守る政策を」 卸売業者「JA全農が用意できないという話」【報道特集】 | TBS NEWS DIG

