「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

「不正ログイン」「SNSでの影響力工作」ネットの限界、そろそろインターネットの次へ

 スマホがすっかり生活に定着し、SNSの普段使いもあたり前になりました。一方で、SNS上における感情や価値観に訴えるメッセージの拡散が権威主義体制の正当化の新たな手段となっているといいます。

日本人、影響力工作に弱い傾向 権威主義の説得を受けやすく | 共同通信

 早稲田大の小林哲郎教授らの調査結果によれば、日本人は自由や人権に基づく民主主義国で主流の考え方よりも、中国やロシアのような権威主義国が影響力工作に使うメッセージに説得されやすいといいます。小林教授らは「日本の民主主義に対する脅威となる可能性がある」と警告しています。

 

 

楽天モバイル」の通信回線を不正契約する事件が立て続けに起きています。 SNSを含めネット空間がその黎明期とは異なり、滅茶苦茶になってきていると感じます。

楽天モバイル不正接続、別の少年もプログラム提供受けて回線入手疑い…3・5万件のID使用か : 読売新聞

 他人の楽天IDへ不正ログインして「楽天モバイル」の通信回線を契約したとして17歳のの少年が不正アクセス禁止法違反などの疑いで逮捕されました。すでに逮捕された14〜16歳の男子中高生3人からプログラムの提供を受けていたといいます。

生成AI悪用、楽天モバイル回線1000件不正契約か 中高生を逮捕 - 日本経済新聞

 男子中高生3人は、生成AI「ChatGPT」を悪用し自作したプログラムで、契約を自動的に繰り返し、1000件以上の回線を契約していたそうです。押収された3人の端末にはSNS「テレグラム」上で手に入れた楽天IDを含む他人のID・パスワードが延べ約33億件ほどが保存されていたといいます。不正契約した通信回線をテレグラム上で転売し、約750万円相当の暗号資産を報酬として得ていたそうです。15歳の中学3年生は「SNS上で注目を集めたかった」と供述、他の2人も「自由に使えるお金が欲しかった」などと話していたといます。

 

 

 一方で、米国の10代若者たちの間では、テック大手に対する信頼が失われていることが明らかになったといいます。

テック大手への信頼感、米10代若者の間で急落 AIめぐり不信高まる | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 子どもの安全なハイテクメディア利用を支援するNPOの報告書によると、10代の若者の60%が、目にするオンライン情報の正確性を疑うようになっているそうです。また、AIを導入している企業に対しても不信感を募らせ70%近くが、利用するコンテンツにおいてAIがいつ、どのように使われているかについて透明性を求めているといいます。

 企業が個人情報をどのように取り扱うかについて懸念し、SNSの個人情報収集手法についても同様で、個人情報保護の観点でソーシャルメディア企業を信用しているティーンエイジャーは、たった15%だといいます。

ティーンエイジャーは、アルゴリズムがオンライン体験をどのように形作っているかにも注目している。プラットフォームがコンテンツのターゲティングに自動化されたシステムを使っている点に警戒する10代は多く、プラットフォームがユーザーのウェルビーイングよりもエンゲージメントを優先していることを懸念している。(出所:Forbes)

 ティーンエイジャーたちは、テクノロジーを単なるツールとしてではなく、積極的に自分たちの行動を方向付け、場合によっては不信感を抱かせるような手法もとるシステムだとみなすようになっているそうです。このような状況だからなのでしょうが、ネット上で自分の身を守るための防衛戦略として、使い捨てアカウントを利用したり、共有する個人情報の制限、押し付けがましいと感じるプラットフォームを回避するなどの行動もとっているといいます。

 

 

論語に学ぶ

知 之に及ぶも、仁 之を守る能(あた)わざれば、之を得ると雖(いえど)も、必ず之を失う。知 之に及び、仁 能(よ)く之を守るも、荘(そう)以て之に莅(のぞ)まざれば、則ち民 敬せず。知 之に及び、仁能く之を守り、荘以て之に莅めども、之を動かすに礼を以てせざれば、未だ善(よ)からざるなり。(「衛霊公第十五」33)

 知識、学問が十分であっても、道徳を守ることができなければ、たとい地位を得たとしても、きっと失うだろう。知識、学問があり、道徳的であっても、厳かな態度で接しなければ、人々は敬意を払わない。知識、学問、道徳、厳かな態度がそろっていても、人々に仕事をさせるとき、人間として遇する礼儀をもってしなければ、まだ善しとすることはできないと孔子は言いました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 ネット空間においても寡占化が進行したことで、箍が緩んでしまったということなのでしょうか。もういちど箍を引き締め、「知」「仁」「荘」「礼」、これらを回復してもらいたいものです。

 

「インターネットの次をやりませんか」とNTTがしきりに訴えています。いろいろな意味でインターネットが限界に近づいてきたと感じているからのようです。

インターネットはいろいろな意味で限界、次を考えるべき時に…川添雄彦・NTT副社長 : 読売新聞

インターネットは万能ではなく、欠点がたくさんある。大量の情報を処理するために多くのエネルギーを使うし、偽情報があたかも本物のように全ての人に行き渡ってしまう。新しいインフラ(通信基盤)を考えることが重要だ。(出所:読売新聞)

 サイバー攻撃が進化し、頻繁に攻撃を仕掛けてくるようになっています。各国がインターネットの中で対処しようと一生懸命やっていますが、それでも限界があるそうです。

 NTTは独自技術である次世代通信基盤「IWON(アイオン)」を使って、インターネットから一歩外れたところで対処するようなやり方しかないのではないかといいます。う。

 日本のテクノロジー企業や電機メーカが、かつての「電電ファミリー」のように、結集して「IWON」を具現、実化し、世界に普及推進していければいいのかもしれません。そこに気鋭のスタートアップを加えてもいいのでしょう。それが日本が置かれている「デジタル敗戦」から抜け出る現実的な道のようにも思えます。

 

 先端ハードウェアを職業にしていたからでしょうか、この手の技術には興味があります。ソフトウェアの時代といわれますが、その基盤、ハードウェアがなければソフトは動作しませんし、それが最先端でなければどんなに優れたソフトも動かすこともできません。ハードを見直し再定義することが求められているように思います。それもまた「デジタル敗戦」から抜け出るひとつの道なのでしょう。

 

「参考文書」

NECと富士通・日立で格差歴然、電電ファミリーの「NTT忠誠度」 | デジタル貧国の覇者 NTT | ダイヤモンド・オンライン