トランプ・トレードで、爆上がりしていた米国の株価が暴落気味で、このところさえません。「トランプ・スランプ」、関税方針が二転三転し、投資家心理に影響し、不安が深まっているといいます。
「トランプ・スランプ」懸念、CEOらに政権離れの兆し - 日本経済新聞
政治が、経済に及ぼす影響の大きさを思い知らされます。今後も振り回されることになりそうです。「トランプ・スランプ」で円安の是正が進みました。円高は物価高騰にあえぐ日本にとってはいいことですが、気になることが増えます。
日本も同様で、まともな政治がなされていないようです。コメの高騰は続き、その影響で物価も上昇しています。実質賃金はまたマイナス圏に沈みました。政治の拙さが目立ちます。
実質賃金、3カ月ぶりマイナス 物価上昇ペース加速で―1月:時事ドットコム
備蓄米の入札が始まったようです。これでコメ高騰はほんとうに鎮静化するのでしょうか。疑念を呈する専門家が日増しに増えているようです。
高い賃上げが実現し実質賃金の改善が進めばいいのでしょうが、春闘はどのなっていくのでしょうか。昨年に続き今年も政労使一体となって、高い賃上げを目指すようです。「官製賃上げ」、これで物価上昇を凌駕する高い賃上げがほんとうに実現できるのでしょうか。怪しいそうな気もします。
自民党の党大会が開かれ、経団連の十倉会長、労働組合の中央組織「連合」の芳野会長が来賓として出席したといいます。
連合会長、自民党大会に出席 20年ぶり、夫婦別姓訴え:時事ドットコム
芳野会長は、選択的夫婦別姓制度導入に関して今国会での実現を要請し、「政労使が協力して内外の問題を解決していかなければならない」と賃上げに向け支援を求めたといいます。連合を支援する立憲、国民両党がだらしないから自民党の党大会に出席したのかもしれません。それにしてもです。
「長年積み重なった不満と不安、怒りが原動力だった」。仕事の負荷が増えているにもかかわらず、暮らしは苦しくなるばかり。「我々は限界に達した」(出所:日経ビジネス)
ボーイング、4年で38%賃上げ 米国の労働者「もっと報われるべき」:日経ビジネス電子版
欧米では、労組がストライキを実施しては驚くような賃上げを獲得しています。米ボーイングでは昨年、7週間にわたるストを断行し、4年で38%賃上げを勝ち取りました。ストにならなくても、会社への要求を強めて福利厚生の向上を勝ち取るコストコのような企業もあるといいます。
日本の労働組合も政治にべったりするのではなく、正当な権利を行使し、会社にもっと強く要求すべきなのかもしれません。
論語に学ぶ
王孫賈(おうそんか)問うて曰わく、其の奥に媚びんよりは、寧ろ竈(そう)に媚びよは、何の謂いぞや、と。子曰わく、然らず。罪を天に獲(う)れば、禱る所無し、と。(「八佾第三」13)
衛国の権力者王孫賈が「奥座敷に取り入るより、台所に取り入りるとは、これいかに」と問いました。孔子は「いやいや、お天道さまに背いて叱られては、お許しはどこからも出ない」といいました。
位が高いだけで実力のない君主(奥)よりも、実権者である自分(竈)に近づく方が現実的ではないかと、「王孫賈」が衛国に滞在する孔子に誘いをかけたといわれます。カネ、あるいは賄賂とか献金を要求したともいわれているようです。
昔も今も政治とはこんなものかと思ったりします。政治にべったりになれば、それなりの見返りもあるからなのでしょうか。
「罪を天に獲れば、禱る所無し」、あまりにもひどく政治が乱れるから、世の中の不確実性がますます増していくのでしょう。それによってごく普通の人々が苦しめられることになっていそうです。
「参考文書」
自民党大会に連合・芳野会長が異例の出席へ 20年ぶり、自民が接近 [自由民主党(自民党)][立憲民主党][国民民主党]:朝日新聞
