「トランプ 2.0」、「もしトラ」が現実となって、その影響などが様々に予測されています。敗れたハリス副大統領は、暗黒時代への突入を敗北宣言の中で指摘しました。ほんとうにそんな世界になっていくのでしょうか。
ハリス氏、敗北認める 「暗黒時代ではないことを願う」とも強調 | 毎日新聞
一方のトランプ氏は勝利宣言で、「米国は黄金期を迎える」と語りました。両極端、現実はどうなっていくのやらです。
国際情勢の緊張状態が続き、第3次世界大戦のリスクが高まるとの指摘もあります。
プランBを迫られる世界 「トランプの米国」頼みは続かず トランプ2.0 世界の行方は① 本社コメンテーター 秋田浩之 - 日本経済新聞
右傾化が進む欧州では、トランプ返り咲きで保守強硬派の発言力が強まっているといいます。EU 欧州連合との対立は再燃しかねず、左派政権が誕生した英国の孤立が懸念されるそうです。
移民問題、中国・台湾問題、北朝鮮の核、懸念事項を上げたらきりがなさそうです。パラダイムが変わり、新たな世界秩序を形成されることはあるのでしょうか。
イーロン・マスク
この他に気になることといえば、1億1900万ドル 183億円もの献金を行った実業家イーロン・マスク氏の動向。トランプ氏勝利で絶大な影響力を振るうことができる立場を獲得したのではないかとの見方があるようです。
アングル:トランプ氏勝利貢献のマスク氏、狙うは政権への強大な影響力 | ロイター
イーロン・マスクは全ての規制を自身の事業やイノベーションの妨げになると見なしている。彼はできるだけ早く、やりたいことが何でもできるように可能な限り多くの規制を撤廃するための手段として、次期トランプ政権を利用できると考えている。(出所:ロイター)
オープンというか、あからさまで大胆な行動に驚きます。日本の「政治とカネ」の問題が滑稽に見えてしまいます。
マスク氏とトランプ氏の蜜月ぶりが取り沙汰されますが、何から何までが同じということはないようです。例えば気候変動問題では真逆な立場をとります。
原発、気候で見解相違 トランプ氏とマスク氏―米:時事ドットコム
こうした違いがあるにも関わらず、マスク氏は政権入りするのでしょうか。
「トランプ2.0」、米国民の多くがトランプ氏の復権を支持した結果なのでしょう。ただ過激な保護主義や排斥主義が米国の利になるかといえば疑問も残ります。しかし、取り巻きが変われば、アプローチも前回とは異なるものになるのかもしれません。希望的な観測に過ぎるような気もしますけど。
論語に学ぶ
公山弗擾(こうざんふじょう)費(ひ)を以て畔(そむ)く。召(よ)ぶ。子 往(ゆ)かんと欲す。子路 説(よろこ)ばず。曰わく、之(ゆ)く末(な)きのみ。何ぞ必ずしも公山氏に之(こ)れ之かんや、と。子曰わく、夫(そ)れ我を召(め)す者にして、豈(あに)徒(いたず)らならんや。如(も)し我を用うる者有らば、吾 其れ東周(とうしゅう)を為さんか、と。(「陽貨第十七」4)
公山弗擾が費を本拠地として、主家の季氏に叛いた。彼は孔子を召し出そうとし、孔子も応じようとした。弟子の子路は賛成しないで、「お行きなさるな。どうして公山一族のところに行きなさる必要がありましょうや」といいました。孔子は「そもそも私を召しだそうとするほどの者ならば、どうして単なる呼び掛けであろうか。もし私を用うるならば、私は周王朝の理想を、この東方のわが国に興してみせよう」といいました。
孔子が公山弗擾のもとに参ずることはなかったようです。公山弗擾は争いに敗れ他国に亡命したといいます。
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さてこの世界はどうなっていくのでしょうか。しばらくは右傾化を強め、権威主義的な色彩を濃くしていくことになりそうな気がします。停滞することも増えそうです。
「参考文書」
トランプ氏「黄金期到来」と豪語 余裕の笑顔「米国を再び偉大に」 | 共同通信
欧州、保守強硬派に勢い ハンガリー・オルバン氏台頭 ドイツなどリベラル逆風 - 日本経済新聞
【コラム】トランプ氏と合わない英国、絶望的孤立に-ウールドリッジ - Bloomberg
EU、トランプ氏勝利で米と貿易対立再燃か IT規制も火種 - 日本経済新聞
【コラム】もう一度、トランプ氏と向き合うしかない-ブルームバーグ - Bloomberg
トランプ氏、不満のポピュリズムで勝利か-変化への許容度低下も危険 - Bloomberg
【コラム】若い男性はなぜトランプ氏を支持したのか-シュレーガー - Bloomberg
トランプが勝っても「テスラの未来は暗い」、マスクの暴走で顧客離れ鮮明 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)