首都圏で緊縛強盗事件が続いています。40人もの若者が逮捕されたそうです。核心である「首謀者」「指示役」の逮捕にはつながらず、その多くは実行役だといいます。
若者の貧困が背景に? 「報酬10万円」応募したら強盗“実行役”に “リクルーター役”も「闇バイト」(2024年11月5日掲載)|日テレNEWS NNN
「借金があった」「生活が困窮していた」、逮捕された若者の多くが、金銭的な理由から「闇バイト」に応募したと供述しているそうです。
犯罪に手を染めることは良くないことですが、その背景を聞くと、この社会に大きな歪みが存在していそうです。
「手取りを増やす」と訴えた国民民主党が先の衆院選で躍進しました。これが社会がかかえる問題の根源のひとつなのかもしれません。
高圧経済の余地ある、日銀は賃上げ見定める必要=玉木国民民主代表 | ロイター
金銭的に成功した人たちがこの世の春を謳歌する一方で、安い賃金で働かされ、税金などはがっぽり持っていかれる人々がいます。自助が説かれ、努力が足らないと責められる。正論なのかもしれませんが、これでは健全な精神も病んでしまうこともあるのでしょう。
「上がらない実質賃金は政府責任」との考えを労働団体の連合の芳野会長が示しています。しかし、労働組合がもっと強く賃上げを要求し、その実行を迫ってもよさそうです。
物価高の許容、成長に必要 上がらぬ実質賃金は政府責任 次の国づくり④賃上げ 芳野友子連合会長 - 日本経済新聞
何でもかんでも政府、政治が悪いと責任転嫁をしたところで、問題が解決するとは思えません。労組の本分に照らせば、ストライキを辞さない、そんな覚悟があってもいいのかもしれません。
論語に学ぶ
君子は諸(これ)を己に求め、小人は諸を人に求む。(「衛霊公第十五」21)
君子 教養人は、責任を自分に求めるが、小人は責任を他者に求めると、孔子は言いました。
孔子の言葉に従えば、世の中、小人だらけになっていそうです。社会のキーパーソンがこんなことであるのなら目も当てられません。
「腐っても鯛」という言葉があります。優れた価値や資質を持つ者は、たとえ落ちぶれたり悪条件に置かれたりしても、本来の価値を失わないと意味することわざです。日本は「腐っても鯛」ではないかと信じようとしていましたが、ここ最近を見ているとどうもそうではないようです。
鯛を珍重するのではなく、外道をもてはやしてきたことがありそうです。もしそうなら、問題が解決されることがあろうはずもありません。このままでは苦境から抜け出るのにまだまだ時間がかかることになりそうです。
「参考文書」
受け子、出し子募集疑い 道仁会系組幹部逮捕、熊本 | 共同通信
国民民主党・経済政策の財源問題①:減税は財政赤字を削減させる?|2024年 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)
連合 来年の春闘 定期昇給分含め5%以上の賃上げ要求の方針案固める 中小労組は6%以上要求の見通し | NHK | 春闘
みずほリサーチ&テクノロジーズ : 「物価を上回る賃上げ」に必要なノルム変化 ─ カギを握る労働組合と経営者のスタンス ─