「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

最高潮のG7広島サミット、数々の成果、変わりそうにない現実

 

 G7広島サミットもいよいよ最終日になりました。ゼレンスキー大統領も来日し、その盛り上がりも最高潮に達しているのでしょうか。

ゼレンスキー氏、日本に到着 「今日、平和は近づく」とツイート - BBCニュース

 多くの国々が参加するこの会合がきっかけとなり、和平に近づいていくことを切に願いたいと思います。

 

 

 成果を強調する報道ばかりに触れていると、世界平和への機運が一気に高まり、紛争終結に近づいていくのではないかとの錯覚に陥りそうですが、冷静になれば、そんな現実が突如現れることはないのでしょう。公表されはじめた成果文書からしても、それはいえそうです。

国際秩序守り、新興国と連携強化 核なき世界へ現実的手法、G7 | 共同通信

 批判を受ける国は当然ながら反発するものです。「G7が開放・包摂という時代の趨勢に従い、強制外交や閉鎖的で排他的な『小さなサークル』に走らないよう促す」と、中国外交部の報道官が表明したといいます。これはこれで一理あるようにも感じます。

 G7が絶対的な正義であるのなら、多くの国がG7が主導するロシア制裁に賛同し、紛争を止めるべく動いていくのでしょうが、現実にはそうなりません。そうであるからこそ、ゼレンスキー大統領もまた全力で全方位外交を繰り広げているのではないでしょうか。

ゼレンスキー氏、「戦闘機連合」に謝意 広島で相次ぎ首脳会談 | ロイター

 来日前、中東を訪問したゼレンスキー大統領は、「私がここへ来たのは、みなさんがまっすぐに事実を見据えられるようにするためだ。ロシアからの圧力がどれだけ強くても、独立していなくてはならない」と語ったといいます。

 訪問地のサウジアラビアは、これまで慎重な対応を続け、ロシアへの制裁には参加していないといいます。

 美辞麗句で飾られた成果文書を発出しても、G7が終われば、何も変わらない世界があるのでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

人 遠慮無ければ、必ず近憂(きんゆう)有り。(「衛霊公第十五」12)

 人たる者は、遠くまで見通しての配慮がなく、目先のことばかり考えていると、近いうちに必ず困ったことが起こると意味します。

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 自国でのG7サミット開催は一大外交イベントで、そこに精力を割かなければならないのでしょう。サミットが成功したようになれば、支持率はさらに回復していくのかもしれません。しかし、その華やいだ外交だけではなく、やはり内政も気になるものです。

 防衛費増額と増税の問題など課題が山積みのままのような気がします。逆に、色々心配になることが増えたともいえそうです。

 

「参考文書」

ゼレンスキー氏G7討議参加へ 日米首脳と会談、資料館訪問も | 共同通信