「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

静かに沈みゆく日本、今どきのリーダーシップ

 

 値上げラッシュが止まらないようです。5月も多くの商品で値上げされるといいます。日銀の物価見通しはこの先落ち着いていき、2%を下回る可能性もあるといいます。こうした見通しから日銀は金融政策の現状維持を決めたそうです。

 おぼろげながらも出口が見えるようになればいいのでしょうが、なかなかそれも見えていないような気もします。これまでとは異なるリーダーシップが求められていそうです。学者出身の植田新総裁の手腕に期待したいところです。

論語に学ぶ

性 相(あい)近し。習い相遠し。子曰わく、唯(ただ)上知(じょうち)と下愚(げぐ)とは、移らず。(「陽貨第十七」2)

 人は先天的に差はなく、後天的に差が生まれてくる。ただ、最上の知者は悪い境遇にあっても堕落せず、最下の愚者は、どんなによい境遇にあっても向上しないと意味します。

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 もしかして、リーダーは2種類の分類できるのかもしれません。賢明なリーダーと愚かなリーダー。改革者と破壊者。よりよくできる人と、そうでない人。

 静かに沈みゆく日本といわれるように、何年にも渡って地盤沈下を続けているのですから、これまでのリーダーシップの過ちがあったといっても過言ではないような気がします。地位を誇示するばかりで、その上特権を濫用したり、利己主義に走ったり、それでは、状況が改善するはずもないのでしょう。そして、それは何より不誠実の現れといってもいいのでしょう。

「選挙の神様」が岸田首相と古巣に思うこと 前自民党事務局長・久米晃氏に聞く【政界Web】:時事ドットコム

年末にかけて本格化する増税論議の前の解散を予想する向きもある。「大切なのは説明と説得だ。例えば、防衛費を上げることについて、こんな状況だから上げて当然だと多くの人が思っている。しかし、それについて説明ができないとか、説明を回避するというのは、政治としては良くない。じゃあ選挙が終わって、勝ったら増税するのかという話だ。岸田さんが『だから必要なんだ』と国民が納得できるような説明をして、堂々とそれを争点にして戦うのが本当の姿だ」(出所:JIJI.com)

 もっともな意見なのでしょう。お金がないのに、お金がかかる政策を掲げること自体が愚かなことのはずです。それを進め、国民が苦しむのであれば、それがよいはずもありません。

 世の人々が悪く言うのはなぜかと考え、どんな望みをもっているのかと察することができれば、優れたリーダーになれそうなものですが、そう考えることが自体が忘れ去られているのかもしれません。

 議員さんたちも当選しなければ、仕事はできず、国政に参加できません。当選するためには、政党を選ばなければならない、勢いのある政党にいれば、当選できるかもしれない、ただどこかの党に属せば、党是に縛られて、自由な活動ができなくなる。これではよくなるものもよくなるはずもないのではないでしょうか。

「上知と下愚とは移らず」、賢明な人と最悪の愚者、愚者はどんなに良い境遇や環境のもとにおかれても賢者になることはない。

 ここ何年にもわたって日本という国を「下愚」が率いてきたということなのかもしれません。そして、それは今なお続いているということなのでしょう。

「性 相近し。習い相遠し」、人の本性には大いなる差はなく、学習、教育によって差が生じ、差異になるということでしょうか。

 常に最善を尽くして、前回より優れたものを提供できれば、よりよくなっていきます。そして、その努力こそが学習であり、最高の教育を受けたことにもなるような気がします。

 そうできずにいるから、悪い方へ悪い方へと進んでいくのでしょう。今なお、それが止まっていることはなそうです。