日本のGDP国内総生産がなんとか世界3位を維持できたそうです。4位のドイツが肉薄し、人口が増加するインドが5位に急成長しているといいます。
22年日本GDP、世界3位維持 円安でドイツ肉薄、インド急伸 | 共同通信
記事によれば、ドルベースでの換算のため、日本は前年より15%減少させ、4兆2330億ドルであったのに対し、ドイツが1580億ドル差まで迫ってきているといいます。円安で目減りしている状況に、さらに円安が進めば逆転する可能性もあるそうです。
インドは、先進国の成長率が2.7%だったのに対し、成長率が6.8%になっており、27年には日独を上回り3位となるとの予想もあるといいます。
GDPが、そのまま国の豊かさや国民の幸福度を示すことではないにしても、ダウントレンドにあることはあまり好ましいことではないのでしょう。
こうした状態のままで未来を生きる子どもらにとってよいことなのかと考えてしまいます。このまま課題が解決されない国でいいのだろうかと、思案するばかりです。
論語に学ぶ
仁なるに里(お)れば美を為さん。択んで仁に処(お)らざれば、焉(いずく)んぞ知たるを得ん。(「里仁第四」1)
「仁の徳にみちた里は美しい」、「仁を択びとってそこに安住できないような者は、どうして知者と言うことができようか」と意味します。
桑原武夫の解決によれば、「知」とは知者を意味し、「選択するということは知的行為であり、到達しそこに安住するところの仁は穏やかな高い境地だが、それを択びとる決断は知性にもとづかなければならない」との意味であろういいます。
この国が「仁」に溢れるようになれば、誰にとっても住みよい土地となり、自然に人が集まり、活気に満ちるようになり、持続的な成長もまた夢ではないのでしょう。
国も企業もその活動において、「仁」を求め、それを仕事を通して実現できるように努力を続ける、とシンプルに考えることができるようになればいいのかもしれません。
「仁」、人間愛を意味し、「人間愛」は、人間性の絶対的尊厳と、その無限の発展性とを確信し、すべての人間を信じ、尊重し、あたたかく慈しみ、優しく思いやり、育むとの意味をなすといいます。
自分を大切することと同じように、自分以外の他者のために尽くすことができるようになれば、「仁」に近づいていくのかもしれません。
知者になろうと学習に勤しめば、それは自分自身のためでもあるが、またそれを他者のために使うようになれば「仁」に近づくということなのでしょう。
国連提言に背を向ける政府
国会で審議中の入管難民法改正案について、国連人権理事会の特別報告者らが「国際人権基準を満たしていない」として、抜本的な見直しを求める共同書簡を日本政府に送ったそうです。
政府は、人権の専門家による評価を、耳を傾けるどころか「一方的な公表に抗議する」と反発し、特別報告者に対するけんか腰で、やや子どもじみた反応と東京新聞は批判しています。
国連特別報告者の指摘をまた無視するの? 「入管難民法改正案は国際人権基準を満たさず」に日本政府が反発:東京新聞 TOKYO Web
特別報告者の勧告は、どの国も痛いところを突かれる。しかし、人権保障に前向きの国なら、問答無用と切り捨て、特別報告者をおとしめることはしない。制度に対する信頼が薄まり、国際人権保障体制を弱めるからだ。日本政府の振る舞いは未熟で幼稚だ。(出所:東京新聞)
別の専門家は、「人権条約機関や国連の人権機関は日本と対立する存在ではない。同じ方向を目指しているものとして、勧告や書簡を活用していくべきで、一蹴すべきではない」と指摘し、政府に前向きなやりとりを求めているといいます。
国連人権理事会の特別報告者は何のために、改善を求める書簡を送ってくるのでしょうか。その人の個人の名声のためではなく、単に仕事をこなしている訳でもなく、それが日本のためになるであろうと願って、提言をしてくれているのではないでしょうか。
それを受け止めて、きちんと返礼するのが大人の対応なのでしょう。またその提言内容を深く吟味し、それを活かそうとすることが相手に謝意を示すことになり、また報いになるのでしょう。
共同書簡を100%鵜呑みにできなくても、その趣旨を理解し、それを活かして入管難民法が改正されるようになれば、もしかしてより良い方向に近づくのではないでしょうか。
どんな仕事においてもいえることなのではあるのですが。