「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【歴史は韻を踏む】また始まった軍事演習、怪しい雲行き

 

 遠い異国の紛争は収まらず、近くの異国がまた軍事演習を始めました。きな臭さ、心落ち着かない日々が続きます。目くじらを立てることなく、相手の権利を尊重できないものかと思います。また対立を煽る行為は慎むべきではないでしょうか。

「今、世界がこんなにちょっと雲行きがおかしいんで、「平和」とか「非戦」とか言ってるけれども、それが目標になってしまうというのもおかしな話」と、坂本龍一氏が語る姿をニュースが映していました。

【追悼】坂本龍一さん「福島と沖縄は似ている」“自由”を貫いた音楽家が「未公開映像」で明かした思い【報道特集】 | TBS NEWS DIG (1ページ)

 まったくその通りだなと思います。今は戦国の世ではないのですから。ただいつどんなときでも平和を維持するという作業は必要なんだろうと思います。それは歴史を、そして今の世を見れば明らかなことなのでしょう。

思い出すこと

 はじめてシンガポールを訪れたとき、乗ったタクシーの年老いた運転手に「お前は日本人か、韓国人か」と聞かれ、「日本人」と答えると、「あの戦争の時、お前のおじいさんたちがこの国で何をやったか知っているか」と聞かれました。「......」答えられずにいると、色々話を聞かされ、セントーサ島にある戦争資料館を見に行けと言われました。

 言われるがままに次の休日に行ってみました。

 ひとつの事象も見方を変えれば、見える景色も異なるということを痛切に感じました。どんな理由があれ、戦争はあってはならないと思うようになったのも、そのときからかもしれません。その後、街中に残る砦の跡を見ると、色々なことを想像するようになりました。

 ベトナム ホーチミン(旧サイゴン)に旅行にしたときは、ベトナム人ガイドに頼んでもいないのに戦争資料館に連れていかれました。目を覆いたくなるような資料が展示されていました。 ガイドもベトナム戦争のことを知って欲しい、忘れないで欲しいとの思いがあるのだろうと考えたりしました。

 その後たびたび、ビリージョエルの「グッドナイトサイゴン」の旋律を思い出すようになりました。


www.youtube.com

 あってはならないことはあってはならいのです。

感じ方というのは割とすぐ忘れちゃう。感じていることっていうのは。詩人であれば緻密に言葉に置き換えたりとかできると思うが、僕はそういう能力はないので、戦争に関してもそうかもしれない。最初はみんな驚愕して義憤に駆られたかもしれないけど、だんだん慣れてきちゃう人も多いんじゃないかなと思うし、この状況を利用しようなんていう人も当然出てくるわけだし、僕の場合には音楽にしておかないと忘れちゃう。(出所:TBS NEWS DIG)

歴史 ハリマオ伝説

 土地土地の本屋に行ってみれば、その土地に関わる本があったりします。タイ チェンマイ山田長政の本を買ったり、シンガポールに住んでいるときには、「マレーの虎 ハリマオ伝説」という本を読み、印象に残っています。

 マレーシアやシンガポール日本陸軍の特務機関員として行動し、戦後、テレビや漫画で一世風靡した正義の味方「快傑ハリマオ」のモデルになった戦時中の実在の人物、谷豊の史実を探る作品です。

 英国領だった当時のマレーシア トレンガヌに住む谷家が、満州事変に腹を立てた華僑の暴徒に襲われ、妹が惨殺されるという事件が起こります。その妹の仇を討つため、盗賊となって、逆に華僑を襲撃するようになり、英官憲につかまっては脱走し、また罪を犯すようになります。またそんな彼を軍部は利用します。この作品ではその事実関係を辿っていくものです。

 遠い異国で起こした戦争が平和な街にも災禍をもたらす、そんなこともあると思い知らされ、またシンガポールタクシードライバーがいっていた当時の日本人の行動をこの本で少しだけ知ることができたのかもしれません。

 歴史を変えることはできません。しかし、未来なら作っていけそうです。

 世界が協調し、国と国がWin-Win の関係が築くことができれば、「ハリマオ」谷豊のような悲劇を繰り返すことはなくなる。また、ビジネスを通してその国に貢献できれば、侵略した国々への償いにもなっていくと思い、仕事に邁進したのもこうした経験があったからかもしれません。

マレーの虎 ハリマオ伝説」は1994年に発刊されたものですが、この作品で著者は「日本人の同質性」を問題視し、また、その枠に入らない者を疎外することを谷豊を描くことで指摘しているのではないかといわれます。

歴史は韻を踏む

「何でこんなに日本は言いたいことが言えない国になっちゃったのか。何が怖くて皆言いたいこと言えないのか。皆もっと言いたいこと言いましょうよ。個人もミュージシャンもメディアも皆そうですよ」と、坂本龍一さんはいいます。

「同質性」が日本の文化になっているということなのでしょうか。国際情勢がかわりゆくなか、文化を変えるときなのかもしれません。

「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」といいます。

 同じ過ちを繰り返してはならないのです。

バトンをつなぐ

 坂本龍一さんの教え子の渡邉真浩さんが「監督が今までされてきたことは、『人のため』にやっていることがほとんど。音楽を通してでも、普通の生活でも。私も人のために演奏したり、そういうものを届けられる人になりたいと思う」と語っています。

 次の世代にきちんとバトンがつながっているのだと感じます。こうしたことが拡がれば、文化もまた変わっていくのでしょう。

論語に学ぶ

道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ。(「述而第七」6)

 天の道を志し、道徳を根底にして、「仁」人の道に従って、芸を楽しむと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子の言葉と坂本龍一さんがだぶります。そうありたいものです。

 世界がいつまでも平和でありますように。