「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

街の声、和平への機運、問われている政府の良識

 

 世の中とは、時々の民意によって決まり、移ろっていくのでしょうか。それによって社会の常識もアップデートされていくこともまたあるのでしょう。

 ただそうであっても、人を傷つけてはいけないし、他人のものを盗むことはあってはならないことです。こうした良識は冒されてはならないものなのでしょう。

 その良識を疑うようなことが遠い異国で起きています。あってはならないことです。早期の和平を願わずにはいられません。しかし、まだその終わりは見通せないのでしょうか。

声をあげる人々

日本の国際政治学者やジャーナリストらが、その異国の地での争いについて、日本が停戦交渉の仲裁国となるよう求める声明を発表したそうです。

ウクライナ侵攻、政府に仲裁求め学者ら声明 報道陣から批判的質問も:朝日新聞デジタル

日本政府に対し、5月に広島で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に際して停戦交渉を呼びかけるよう訴えている。(出所:朝日新聞

 記事によれば、声明は学者ら約30人が連名で発表したといいます。ロシアとウクライナは即時停戦の協議を再開すべきと訴え、日本政府が中国、インドとともに交渉の仲裁国となるよう求めているそうです。

訪中

 中国を訪問しているフランスのマクロン大統領が習近平国家主席と会談、ウクライナ情勢について、和平交渉を「可能な限り早く」再開するよう訴えたといいます。

 また習主席は「核兵器使用への反対」を表明し、ウクライナのゼレンスキー大統領と「適切な時期」に電話会談する意向を明らかにしたそうです。

和平交渉再開求める ウクライナ情勢協議―中仏首脳:時事ドットコム

マクロン氏は習氏に「ロシアを正気に戻し、みんなを交渉の場に着かせることを期待している」と伝えた。マクロン氏は習氏に、ロシア側に武器を供与しないようくぎを刺した。(出所:JIJI.com)

 世の中の流れを見て、街中の声を聞けば、やはり平和を求めているのかなと感じます。ただまだそれが大きなうねりにはなっていないということなのでしょうか。

良識

「今日のウクライナは、あすの東アジアかもしれない」、この機に乗じ、首相はそう発し、同じ言葉を繰り返しています。危機感を煽り、またそうした空気感を作り出す動きによって、変に国民の支持を得ているように思えてなりません。

「反撃能力」を保有する覚悟とは【戦後保守政治の裏側 ㉑】:時事ドットコム

 記事は、右派のリーダーとして長期政権を築いたあの元首相ですらできなかったことを意図も簡単に、今の政府は変更してしまったといいます。

 こうした行為が容易くできてしまうことの方が遥かに危険なことのように思えてなりません。あってはならないことを悪用することはあってはならないはずです。政府の良識を疑いたくなります。

 今このときにすべきことは、争いがいかに無益であることを問い、和平こそが平和の礎であることを訴えるべきではないでしょうか。それが敗戦国日本の使命でもあるように思います。また、それが、日本が敗戦国というレッテルから逃れられる唯一の道のようにも思えます。

論語に学ぶ

子 四(し)を絶つ。意なる毋(なか)れ、必(ひつ)なる毋れ、固なる毋れ、我(が)なる毋れ、と。(「子罕第九」4)

 孔子は「意」「必」「固」「我」の四つを絶ちました。それは「己の意ばかりになるな」、「決めたことにこだわるな」、「執着するな」、「利己的になるな」を意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 政権与党には「党是」があり、選挙に選ばれたことを理由にして、その実現のために力を尽くすことは理解できないわけではありません。しかし、それでも、今という現実を直視し、常識を操作しようとはせずに、良識に従うべきなのでしょう。危機的な状況にあるならなおさらなのでしょう。

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 日本でも米国でも、近頃ではあってはならないことが当たり前に起こるようになっていると思えてなりません。そうあってはならないとの声が虐げられ、そうあってはならないことを常識としようとしているようにも見えます。そうあってはならないのでしょう。

 このまま放置すれば、起きてはならないことが起こるようになってしまうのかもしれません。声をあげ続けなければならないのでしょう。

 

「参考文書」

ウクライナ支援「G7一丸で」 駐日イギリス大使、日本に期待 - 日本経済新聞

追憶 坂本龍一氏:病気になれないニューヨーク、子どもを産みたくなるパリ:日経ビジネス電子版