「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

見えぬ未来、背負わされる不安、問題はなぜ解決されないのか

 

 SDGsの意義を考える座談会で、 17の目標の中にある「経済成長」と「気候変動対策」が矛盾する」と思う若者が「今の日本社会はビジネスを中心にしていて、問題解決につながらない」と指摘したそうです。

経済成長と気候変動対策は矛盾する? SDGs取り組む人らと「もやもや」話してみたら:東京新聞 TOKYO Web

 多くの企業がカーボンニュートラルの達成を目標にするようになり、気候変動対策に貢献し、問題が解決されていきそうなのに、そう感じることができないのは何故なのでしょうか。

植えつけられる不安

 国の成長が止まり、それに危機感を覚えてのことか政府は「経済成長」を重視します。また、成長戦略が繰り返し謳われますが、思ったように効果はあがっていないようです。それでもなお経済成長に執着するばかりに、かえって様々な弊害が顕在化し、逆に国が衰退しているように見えます。

 そうした風潮に生き難さを感じながらも、なんとなく流されてしまい、社会を良くしていこうとの気力が知らず知らずのうちに弱まってしまっているのかもしれません。表向きだけはなんとか体裁を繕ても、心からそう願わなければ、何も変わることはありません。

 記事によれば、10代の若者は「環境問題や経済を考えると、どうしていったらいいか不安にはなる。住める地球でなくなった時に経済成長はどれくらい意味があるのか…」と胸の内を明かしています。

 自分の未来を自分で決めることができなくなっているのかもしれません。それなのに、結果を押しつけられ、またそれと同時に不安まで背負わされているようになっているような気がします。それが今日の日本社会ではないでしょうか。

 そうしたことに抗っていかなければならないのでしょう。心ない者たちに自分が大切していることを支配されるようことは絶対にあってはならないのです。

論語に学ぶ

子貢(しこう) 仁を為すことを問う。子曰わく、工(たくみ) 其の事を善くせんと欲せば、必ず先ず其の器を利(と)ぐ。是の邦に居るや、其の大夫の賢なる者に事(つか)え、其の士の仁なる者を友とせよ、と。(「衛霊公第十五」10)

 弟子の子貢が「仁」人の道の実践方法を質問しました。孔子は「職人がいい仕事をしようと思うと、必ずまず道具を磨く。そのように、自分の国においては、重臣の中にあって、賢人を選んでそこに仕え、そして同僚のうち、「仁」が実践できる人格者を友とすることだ」と答えました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 誰もがその努力を評価され活躍できる、そんな社会を作っていくためにも、まずは自分の人格を磨かなければならないということなのでしょう。そのためには賢なるものに仕え仕事し、また人格者を良き友にして、切磋琢磨により互いにさらに人格を高めていこうということなのでしょう。

 しかし、ままならないのが今の日本の社会なのかもしれません。

 どこかの政党の岩盤支持層に支配された国は、「仁」とは真逆の愚策を弄するばかりになってしまったようです。こうした意見が国民の過半数を占めている訳でもないのに、そうした輩の大きな声を利用し、政権維持に汲々となっているようです。

 これではみなが望む問題の解決はなく、いつまでも未来は見通せず、不安を背負わされることになるだけです。

 もうそろそろこうしたことを終わりにしなければならないのでしょう。