「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【ChatGPT】ジェネレーティブAIが侵蝕する物理的な空間と課題

 

 ブロックチェーン、Web3にメタバース、次から次へと新たなテクノロジーが登場し、今度は「ChatGPT」のようなジェネレーティブAI(生成型人工知能)が旋風を巻き起こし、また景色を一変させようとしています。

 テクノロジーが著しく進歩しています。そのスピードに戸惑います。サイバー空間の未来はどこにあるのでしょうか。

改めてジェネレーティブAIとは何か? 仕事やメタバースとの関係 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

「ジェネレーティブAIは、豊かな技術」と記事は指摘し、「2006年にiPhoneが消費者体験に革命を起こしたように、OpenAIのユーザーフレンドリーなインターフェースとAPIは、2023年以降消費者の行動に革命を起こすだろう」といいます。

 

 

「それはアートとは何なのかという問いを投げかけている」ともいいます。

AIの著作権の仕組みは? ジェネレーティブAIを仕事に使うのは倫理的に問題ないのか? ジェネレーティブAIは企業にとって、単なる流行なのか、それとも有用なツールなのか?(出所:Forbes)

倫理的に振舞えるか

「クリエイターエコノミー」に影響を与え、企業とコミュニティとの関わり方に大きな影響を及ぼす可能性があるといいます。

これらの技術を使って自分たちの活動を拡大、より良い製品や体験を生み出すことができます」と説明する。インスピレーションを得ることに使ったり、最初の一行の苦労を解消したり、大規模にAIを使ったりすることができる。(出所:Forbes)

 ただその使用には「倫理的かつ適切な方法」との条件がつくようです。

「見たもの、読んだものを、無条件に信じてはならない」、「世の中にはジェネレーティブAIの誇大広告が溢れている」と記事は指摘しています。

「ChaptGPT」がまだ生まれて数カ月しか経っていないことに加え、そのデータセットには2021年までのものしか含まれていない問題点をあげます。また『専門家』が増殖しているといい、注意が必要とし、「しっかり勉強して下さい」ともいいます。

 倫理的かつ適切に使用しなければ、無秩序を生み出す危険性もあるとの裏返しのようにも感じます。

論語に学ぶ

子 喪有る者の側(かわら)に食するとき、未だ嘗(かつ)て飽(あ)かず。子 是(こ)の日に於いて哭すれば、則(すなわ)ち歌わず。(「述而第七」9)

 孔子は、葬儀のあった家で食事をするとき、けっして満腹になるまで食べることはなかった。また、弔問に行き、哭する、大声で泣き、悲しみを表した後には、楽器を奏したり、歌うことはなかったといいます。

dsupplying.hatenadiary.jp

 ごく当たり前のことを孔子は言っています。

 しかし、こうした習慣を忘れるようになると、マナーは形骸化し、やがて秩序が崩壊し、殺伐とした社会になってしまうのかもしれません。

 孔子が生きた時代は戦国の世であり、それゆえに形骸化していくごく当たり前を守る重要性を説いたのでしょう。

 

 

縮図

 遠い異国の地での戦闘が始まって1年の時間が経過しました。前近代的な方法で、また無秩序な集団で大規模に攻め込んできた国を、最新テクノロジーIT技術とネットワーク、AIまで駆使する国が、少人数で国を守っています。

ウクライナ侵攻1年 ロシア、20世紀型大国の落日 - 日本経済新聞

「規模が物を言った20世紀から、頭脳やネットワークが競争を左右する21世紀へ」、ウクライナの健闘は、世界秩序を形作る要因の変化を示すと記事は指摘しています。

人工知能(AI)のソフトウエア「メタコンステレーション」は商業衛星や熱センサー、偵察ドローン、市民からの報告などの膨大なデータを瞬時に解析し、敵の位置情報を把握する。過去の戦闘から「学習」し、東部バフムトなどの激戦地で戦う兵士を支援する。(出所:日本経済新聞

 

 

ルールと人間性、予測可能性に基づく世界秩序の未来が決まりつつある」と、ゼレンスキー大統領は述べているといいます。考えさせられる現実です。

私たちが住む物理的な世界は、機械での読み取り、クリック、そして検索ができるようになる。新しいインターフェースが生まれ、新しい検索手段や、新しいコンテンツ制作の方法が生まれるだろう。

私たちは、デジタルな自分自身と私たちを取り巻くデジタルな世界のために、新しい語彙、さらには新しいアーキテクチャを創造していくだろう。(出所:Forbes)

 どんなに利便性と快適性をデジタルの世界において求めても、そこでは、「ルールと人間性」が失われることがあってはならないのでしょう。それをどう育むのかが喫緊の課題のように感じます。それは現実の物理的な空間においても同じなのでしょう。