「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【強まる日本悲観論】言い得て妙、タモリさんの来年は「新しい戦前」

 

 年末を迎えて、来年はどんな年になるのかと予測があちらこちらから聞こえてきます。

 タモリさんが「徹子の部屋」に出演し、「誰も予測できないですよね、これは」とし、「新しい戦前になるんじゃないでしょうかね」と答えたといいます。

タモリ 来年は「新しい戦前」と予言…ネット反響「サラッと重い言葉」 | 東スポWEB

 タモリさんは、周辺国の緊迫で戦争に巻き込まれるのではないか…と危機感を抱いているのかもしれないと、記事はいいます。

新しい戦前」、言い得て妙ということでしょうか。考えさせられる言葉です。

 

 

新しい戦前

 日本は「空気」が支配する国だそうです。評論家の山本七平さんが、「空気の研究」でそう指摘していたそうです。

 そうなのかもしれません。何か戦前を感じさせるような空気が支配し、それに世論も流されているのかもしれません。

同質な人たちばかりが集まって、「あーでもない、こーでもない」といったところで、結局は同じアイデアしか生まれてこないのだ。(出所:Forbes)

 こう語るのは、立命館アジア太平洋大学出口治明学長。

 また戦前の昭和初期、「日本は狭いのだからこのまま人口が増えたら大変だ」という悲観論があったと指摘、遠い未来を見通せるほど人間は賢くないといいます。

企業も個人も「日本の伸びしろ」を探せ! 悲観を成長に変える思考力とは | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 未来のことを見通して、当たらない悲観論を嘆き、どうせだめだと思わずに行動していくことが大切といいます。

「そのためには、まず選挙に行くこと」。

「新しい戦前」という悲観論を現実化させないためには、出口学長の指摘の通りなのかもしれません。

 

 

すべての世代で投票率が上がり、特に若者が関心を示せば、政治家は当選し続けるために、必然的に若者のための政策を考えなくてはならない。投票したい候補者がいないから、選挙に行かないという人がいるが、誰もが考えるような優秀で魅力的な人物など、どこにいるのだろうか。(出所:Forbes)

 また、出口学長はウィンストン・チャーチルの言葉を引用し、「選挙というものは、相対的にちょっとマシな人を選ぶ」、それだけでいいのだといって、そうすれば変わらないように思えた未来も少しずつ変化していくといいます。

 かつて国会で、自身の疑惑を追及を受けた首相が、追求する野党を罵倒、正々堂々と否定し、自分の方がまだマシとの空気感を作ったのかもしれません。それに押し流されて、ここまで来てしまったのでしょうか。

新たな空気

 2025年になると労働力人口のうち、00年以降に成人を迎えたミレニアム世代や、その下の世代の人数が半数に達するようになり、それ以後、過半数を占めるようになるそうです。そうなると、彼らが醸し出す空気があっという間に日本中を支配するようになると主張するのは、ユーグレナ社の出雲社長。

ユーグレナ出雲社長が変節、「日本は生まれ変わる」:日経ビジネス電子版

日本の若者は賢いのです。現状では多数決をしても年配の世代には勝てません。そんな状況下でデモなんか普通、参加しないでしょう? 25年以降に本気を出すんです。今はね、エネルギーを余計なことに注ぐの方がもったいないのです。(出所:日経ビジネス

 出雲社長の主張に、日経ビジネスは、政界には年配の重鎮がいて、その周りにいる若い子飼いのちも毒気され、若いのに考え方が古ぼけ、また経済界でも官僚機構でも、これまでの概念に従っているほうが出世しやすいという空気感が漂っている、こんな状況で世代交代が進んだとしても、結局、何も変わらないのでは?」と反論します。

 すると出雲氏は、「今は多数決をしても負けるので、年配の世代に合わせているだけじゃないかなあ」といいます。

 自分たちの未来が古ぼけ、そしてあたりもしない悲観論で支配されるようなことがあっては堪ったものではありません。もうそれに気づき、時宜を得ようとしているのでしょうか

 

 

「未来はすべて次なる世代のためにある」、次なる世代を見守るのが先行き世代の役割で、できることは範を示すことであり、また時に暴走があったときにそれを諫めることくらいなのかもしれません。そうであれば、世代交代が粛々と進んでいくのでしょう。

論語に学ぶ

周は二代に監(くら)ぶれば、郁郁乎(いくいくこ)として文(あや)なるかな。吾は周に従わん。(「八佾第三」14)

 周王朝は、その前の夏・殷二代の王朝に比べると、華やかに発展している。私は周の文化に従うと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 孔子版「ファクトフルネス」ということでしょうか。

 歴史を振り返り、時代が移ろい世代交代が進めば自然と、進歩、発展していくのでしょう。

 ついつい悲観論に支配されがちですが、やはり人間の努力によって未来は華やいでいくのでしょう。