「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

不可解、なぜ首相は「COP27」への出席を見送るのか、際立つ鈍感力

 

 世界的な干ばつの影響で小麦の需給逼迫懸念が再び高まりが価格が高騰しているといいます。一大産地の米国や欧州で大幅に悪化し、主要輸出国の在庫が10年ぶりの低水準に落ち込む見通しにあることが原因になっているようです。食糧事情の改善にはほど遠い状況になっているといいます。

小麦在庫10年ぶり低水準 米欧で作柄悪化、価格再び上昇: 日本経済新聞

 エジプトで始まったCOP27でも、食料安全保障について協議する場が設けられているといいます。解決に向けた道筋を見出すことはできるのでしょうか。日本においても食料品の高騰が続くだけに、気になるテーマです。

 

 

 また首脳級会合も始まり、約100カ国の首脳が出席するといいます。問題解決に向け首脳たちはどんなメッセージを発するのでしょうか。ただ残念なことに、この重要な会合に岸田首相は参加しないことを決めたそうです。

COP27、首脳級会合始まる 岸田文雄首相は参加見送り | 毎日新聞

 一方、首相は11日から東南アジアを訪問、G20サミットなどに出席するといいます。日本経済新聞によると、米欧と足並みをそろえ食料やエネルギー価格の高騰について、ロシアによるウクライナ侵攻を非難するそうです。

 ただG20加盟国はロシアと関係が深い国が多く、亀裂が表面化する恐れがあるといいます。

「火中の栗を拾いにいく」ようなものになりはしないでしょうか。

 価格高騰にあえぐ国民が多いというのに、中途半端に問題にかかわっても意味を成し得ません。順をおって対応してこそ問題は解決に向かうのではないでしょうか。その手間を省いたら意味のない単なる批判に終わってしまいます。表向き欧米との足並みはそろっても、それが国民が求めている利益になるのかは疑問が残ります。

 冷え冷えとした閉塞感が漂います。シビアな現実を突きつけられ、安全なところもなく逃げ場所もないの世界へと誘われていくように感じます。

 

 

論語に学ぶ

人の生くるや、直たれ。之 罔(な)くして生くるは、幸いにして免(まぬか)るるのみ。(「雍也第六」 19)

「直」、この解釈には二通りあって、新注では真直ぐととり、古注では正直ととるといいます。どちらにしても「直」でなければ、偶然にあるいは僥倖によって生きているだけのことであると意味します。つまり、そうでないなら、刑罰をうけて死なねばならないと、孔子がいかに「直」に重きをおいていたかを知ることができます。

dsupplying.hatenadiary.jp

「直」の対義語としては、邪まな考えとか、不正直ということでしょうか。こうしたことに染まると、正道とか、世の中の潮流から外れて、ただ失敗していくだけということなのかもしれません。

 今のところ、大きな失敗につながっていませんが、今の日本についても言えそうことのような気がします。

 

 

 首相は今どんな感覚をもっているのでしょうか。自身で語った「聞く力」を重んじるばかりに、周りに適応してうまくやっていこうとするばかりに、かえって孤独を感じてはいないでしょうか。

 もっと自身の心音に素直になれれば、自身の境遇が変わり得ると気づいて欲しいものです。逆に言えば、自身のそうした態度が周囲に伝播し、みなを混乱させているだけなのかもしれません。首相の鈍感力が際立っていないでしょうか。

 違和感を感じながらもその考えに蓋をし、周りにあわせて生きている孤独な人たちに、自分の中だけに流れる時間を「信じる」ことの大切さを気づいて欲しいと哲学者の千葉雅也氏が訴えています。

ベストセラーの哲学書『現代思想入門』千葉雅也さん なぜ読まれるか | NHK | WEB特集

よかれあしかれ周りに適応してうまくやっていくという価値観が強くなっている中で、何かちょっと違うなという感覚を持っている人たちに訴えかけたいと思ったんです。孤独を感じている人に、常に自分に正直であってほしいと言いたかった。(出所:NHK

 

 

 社会全体が何のトラブルも起きないようと、自己を抑制すれば、一見、スムーズに進むように見えますが、何かツルツルとした状態になっていくと千葉氏は指摘し、秩序から逸脱することや、自由や余白、それに逃げるということにも価値があるといいます。

 正論を述べ、こうあるべきと主張し、そこからみなが協力し合うのが理想なのかもしれませんが、そうならないのなら、一旦矛をおさめて、自由や余白を思い求めてみるのもいいことなのかもしれません。

 首相も古びた自民党の秩序から逸脱してみれば、新たな境地を発見ができるようになるのではないでしょうか。

 

 

「参考文書」

岸田首相、食料・エネルギー高騰非難へ G20で侵攻巡り: 日本経済新聞