「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

最悪は回避はできるのか、強まる景気後退懸念、疲弊するロシア

 

 IMF 国際通貨基金が、最新の世界経済見通しを公表し、世界経済が来年縮小する恐れがあると予想しているといいます。数十年ぶりの高インフレを抑制する取り組みが、ロシアによるウクライナ侵攻や中国の景気減速に伴うダメージを深める可能性を浮き彫りにしているそうです。

IMF、23年世界成長率予想を下方修正-最悪期はこれから - Bloomberg

IMFは来年の世界成長率予想を2.7%とし、7月時点の2.9%や1月時点の3.8%から下方修正。成長率が2%を下回る水準に減速する確率は25%と試算した。(出所:ブルームバーグ

 ブルームバーグによると、2020年の新型コロナウイルスパンデミックによる景気減速を除けば、世界金融危機の後の2009年以来最低の成長率になる見通しといいます。

 

 

 ロシアや中国に振り回されることは好ましからぬことなのかもしれません。しかし、こうした現状も過去からの積み重ねでこうなってしまっただけのことのでしょう。

 影響力の拡大を望む者があれば、それを阻止しようとする者がいる、ただそれだけのことなのでしょう。

論語に学ぶ

賢なるかな回や、一箪(いったん)の食(し)、一瓢の飲、陋巷(ろうこう)に在(あ)り。人は其の憂いに堪えず。回やその楽しみを改めず。賢なるかな回や。(「雍也第六」11)

 弟子の顔回はみずから簡素な学究生活を楽しんでいたといいます。わりご一杯のごはんに、ひさごの碗一杯の飲み物、狭苦しい路地裏に住んでいる、普通の人なら、その辛さに耐えられまいが、顔回はそれを楽しみ、生活を改めようとはしない。実に立派なものと孔子が感心したといいます。

 これは、孔子が抱く特権者たちの虚飾やぜいたくに対する倫理的反感によるもののようです。

dsupplying.hatenadiary.jp

 今この時代も同じなのかもしれません。特定の者が跋扈し、虚飾やぜいたくをつくし、一方で貧困にあえぐ人々もいる。それでは文化的な生活を営むこともできない。文化中心の世の復活を望むものの、今はそれもままならない。顔回ほどに極度な単純生活を求めることはないまでも、学究の精神を忘れずに、学び続けることが今問われているのかもしれません。

 

 

 イギリスのサイバー情報機関である政府通信本部トップのジェレミー・フレミング氏がロシアの現況や今後の中国について語った内容をBBCが報じています。

ロシア軍は「疲弊」し弾薬が底を尽きつつある=英情報機関トップ - BBCニュース

 状況の好転はまだ期待できないようです。ただこれ以上悪化することがないよう祈るだけです。

 そんな中、ロシアのラブロフ外相が、米国を含む西側諸国との協議に前向きな姿勢を示しているといいます。

ロシア、西側との協議に前向き 真剣な提案まだ受けず=外相 | ロイター

 まだ駆け引きが続くのでしょうが、互いに疲弊するだけなのだから、もうそろそろ矛の収め時なのでしょう。今はまだ落着点を見出すことは極めて難しいことなのでしょうけれども。