「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

どちらが好ましいのか、支持回復につながらない首相の態度、国連人権理事会で支持される中国

 

 岸田内閣の支持率がまた下落しました。 共同通信社による全国電世論調査では、前回9月調査より5.2ポイント減の35%になったそうです。過去最低を更新したといいます。

内閣支持続落、最低の35% 細田氏の説明「不十分」87%:東京新聞 TOKYO Web

 不支持率は48.3%、前回より1.8%増加しています。何をやっても支持率下落が止まらないというところでしょうか。支持率がすべてではないにしても、支持率回復につながる施策を打てばいいものをそうできないことが不思議でなりません。

食料品や光熱費などの値上げが生活に「非常に打撃になっている」「ある程度打撃になっている」が計78・8%だった。(出所:東京新聞

 切実なニーズがはっきりしているのに、それに応えることができない故の結果なのでしょう。

 

 

 国連人権理事会では、中国新疆ウイグル自治区での人権侵害問題について、来年2月に始まる次期定例会合で討議するよう求めた欧米主導の動議を反対多数で否決したといいます。

国連人権理事会、新疆問題の討論拒否 反対多数で: 日本経済新聞

動議には47理事国のうち、中国やパキスタンセネガルなど19カ国が反対。賛成は日本を含む17カ国にとどまった。ブラジルやインド、ウクライナなど11カ国は棄権した。(出所:日本経済新聞

 動議を共同提出した英国の大使は、採決に先立ち「OHCHR国連人権高等弁務官事務所が示した深刻な調査結果を考慮すれば、次期会合での討論は最低限やるべきことだ」と訴えていたそうです。一方、中国は、巨額の融資先となっているアフリカ諸国などに対し、動議が採択されないようロビー活動を繰り広げていたといいます。

 ウイグルの人権問題は解決されるべきと思いますが、これが現実なのでしょう。反対意見が多数となっています。主導する欧米への反発もあるということでしょうか。

 賛成多数にならなければ、ものごとを前にすすめることができないのが現在の秩序です。反対する意見に耳を傾け、真摯に対応できるのなら、こうした事態を回避できるのではないでしょうか。それとも早期に円満解決しようとする熱意が足らないのでしょうか。

 

 

欧米型の資本主義を批判する記事があります。少々偏った意見なのかもしれませんが、一理はあるのかもしれません。

いよいよ世界の「経済政策バブル」が弾けようとしている|会社四季報オンライン

 こうした主張が、もしかして途上国の主張と共通することがあったりするのではないでしょうか。かつては多数派であった意見も、いつの間にか少数派に転じてしまうこともあるのでしょう。

 相手に一方的に変革を求めるべきなのか、それとも自ら率先して改革すべきなのか。それとも、双方が歩み寄って、譲歩点を見出し、日々、より良い方向を目指していくべきなのか。難しい命題なのかもしれません。

論語に学ぶ

蘧伯玉(きょはくぎょく) 人を孔子に使わす。孔子 之と坐して問う。曰わく、夫子(ふうし)何をか為す、と。対(こた)えて曰わく、夫子は其の過ちを寡(すく)なくせんと欲して、未だ能(あた)わざるなり、と。使者出づ。子曰わく、使(し)なるかな、使なるかな、と。(「憲問第十四」25)

衛国の大夫 蘧伯玉が孔子のもとに使者をよこしてきた。孔子は使者と対面し、「大夫の近況は」と尋ねた。すると使者は「大夫は過ちなきようにと努めておりますが、まだまだできない」と答えた。その使者が退出したあと、孔子は「できる使者だ。立派な使者だ」といったといいます。 孔子は、謙遜しながらも主人を褒める「蘧伯玉」の使者のその態度を褒めつつ、「蘧伯玉」をも褒めていたようです。

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「謙遜」の対義語は不遜とか尊大です。もしかしたら不遜な態度があるから、途上国から日本を含め欧米諸国は嫌われるのかもしれません。

「謙遜」、他人をうやまって自分については控えめな態度をとることをいいます。そんな態度が求められていないでしょうか。

 

 

 いつまでのこのままの状態を続けると、いずれ沸点を超えて、暴発につながりかねないのかもしれません。もうそろそろ分断化を助長するような態度や相手を論破するような行為は控えるべきときなのでしょう。

「蘧伯玉」のような過ちを少なくしていこうとする態度が求められていそうです。