「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【緊張感増す東アジア】緊張緩和を導くのは誰なのか

 

 Jアラート「全国瞬時警報システム」が作動し、屋内にとどまり安全を確保するよう呼び掛ける防災無線が鳴り響く、尋常なことではないのでしょう。

 北朝鮮弾道ミサイル青森県上空を通過し、Jアラートが鳴り響いた地域の住民に緊張が走ったといいます。被害は確認されていないですが、休校した学校もあったりして、影響は大きかったようです。

北朝鮮ミサイル発射は「不安定化」行為=ホワイトハウス | ロイター

 米NSC国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官が、明らかに地域を不安定化させる行動と述べた上で、前提条件なしに北朝鮮と対話する意思があることを改めて表明したといいます。「われわれは最善の方法について同盟国やパートナーと議論し続ける」とも語ったといいます。

 許されるべきことではないにしても、過剰に反応することなく、冷静に対応すべきということなのでしょう。  

 

 岸田政権が誕生して1年経つそうです。論客 田原総一朗さんが毎日新聞で総括しています。

田原総一朗さん、就任1年の岸田首相を総括 「普通なら交代」 | 毎日新聞

統一教会の問題にけじめをつけて国民の信頼を得て、安全保障を主体的に考えるという危険なことに手をつけなければならない。(出所:毎日新聞

「僕は戦争を知っている最後の世代なんですよ」という田原氏は、「何とか戦争を起こさせないように、やるべきことをやってほしい」といいます。

 米国は本音では中国と戦争したくないと思いますが、仮にも中国が台湾に攻め込むなら、その時は日本にも戦うように言ってくるだろうと田原氏は指摘した上で、「日本としては台湾有事が起きないように懸命な努力をすべき」といいます。

 あの忌まわしい戦争を体験した母も、ウクライナの状況を伝えるニュースを見て時々、「なんでこんなことをするのだろうね」と、当時のことを思い出すかのように、つぶやきます。

 戦争の悲惨さ、不条理をどの国よりも知るはずの日本が、どんな理由があれ、それに加担するようなことがあってはならないはずです。防衛費を増額する前に、すべきことがあるのでしょう。

論語に学ぶ

千乗の国を道(みちび)くには、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うには時を以てす。 (「学而第一」5)

 大国を導いていくには、事にあっては丁寧に行ない、人民を欺くことがない。節約を心がけて、人々を思い、心や生活を豊かにし、人を使うときに時宜を選ぶと意味します。

dsupplying.hatenadiary.jp

 政治は国民の安寧を願い、社会を穏やかで平和であるように保つことが最大の使命ではないでしょうか。明治期のように外圧に耐えかねず、富国強兵に走ることがあってはならないのでしょう。今、そんな時代に戻ろうとしていないでしょうか。

 経済を再生し成長させる。地域情勢を鑑みて防衛費を増額させる、もっともらしく聞こえますが、やっていることは明治時代と同じかもしれません。今求められているのは緊張緩和に導いていくことではないでしょうか。

 

 

 かつての自民党は総理大臣に何か問題があれば、派閥の力で首相を更迭してきた歴史があります。しかし、安倍政権でそれが機能しなくなったといいます。

 安倍氏自民党総裁に3選した当時、田原氏は「国民の70%以上が森友、加計は問題あると思っている。自民党の国会議員であなたのところに問題あると言ってくる人はいるのか」と聞くと、安倍氏は「一人もいない」と答えたそうです。

自民党の国会議員たちは皆、あなたに対するゴマすりだけを考えていて、この国をどうすべきか全く考えていない。こんな無責任な内閣だったらこの国は危なくなる。心配にならないのか」と言ったら、安倍さんは「田原さんよりは(日本のことを)心配している」と言っていました。(出所:毎日新聞

 日本の未来を心配しているだけでは、国を導くことはできないということなのかもしれません。

 そして今また、交代すべき政権が居直っているようです。

 様々な問題が噴出しています。目指すべき国家像を民主的に議論すべきときなのでしょう。

 

「参考文書」

岸田首相、バイデン米大統領と協議 緊密連携を確認 | 毎日新聞