「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

猛暑、大雨、身近に迫る緊張感、国境に近づく砲火

 

 夏がくるたびに、猛暑や記録的大雨など異常気象を目の当たりにして気候変動の脅威を感じます。深刻化する状況に科学者たちは継承を鳴らしています。

 ニューズウィークによれば、ここ数十年を振り返ってみても、2010年代に熱波が到来した日数は、1980年代より60%増えたそうです。また、熱波の起こる時期が長くなり、夏の初めと終わりにも熱波が起こることが増えているといいます。

途上国を襲う殺人的猛暑で、先進国に問われる道義的責任とは?|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 酷暑、猛烈な暑さは熱中症のリスクを高め、時にそれによって死に至ることもあります。この暑さにより死者の増加を招く可能性があると記事も指摘しています。

 

 

 明らかに、これほど危険な気候変動への対策が遅れ、対立や紛争ばかりに関心が集中します。本当にこれでいいのでしょうか。紛争の抑止のために資金を費やし、軍備を増強しようとします。これほどの無駄つかいはないのではないでしょうか。その費用を気候変動対策に回したほうが遥かに有益のはずです。

論語に学ぶ

 弟子の子張が行政指導者に必要な資質を質問しました。すると孔子は、「五美を尊び、四悪を屏(しりぞ)けば、斯ち以て政に従う可し」と答えます。

君子は恵にして費やさず、労しても怨みず、欲して貪(むさぼ)らず、泰(たい)にして驕(おご)らず、威ありて猛(たけ)からず、と。

子張曰わく、何をか恵にして費やさずと謂う、と。

子曰わく、民の利する所に因りて、之を利す。斯れ亦(また)恵にして費やさざるにあらずや。労す可きを択(えら)んで之を労せば、又誰をか怨みん。仁を欲して仁を得たり。又焉(いずく)んぞ貪らん。君子は衆寡(しゅうか)と無く、小大と無く、敢えて慢(あなど)る無し。斯れ亦泰にして驕らざるにあらずや。君子は其の衣冠を正し、其の瞻視(せんし)を尊び、儼然(げんぜん)たれば、人望んで之を畏(おそ)る。斯れ亦威ありて猛からざるにあらずや、と。

子張曰わく、何をか四悪と謂う、と。子曰わく、教えずして殺す、之を虐(ぎゃく)と謂う。戒めずして成るを視る、之を暴と謂う。令を慢(ゆるが)せにして期を致す、之を賊と謂う。猶(なお)之れ人に与うるとき、出納の吝(やぶさか)なる、之を有司と謂う、と。(「堯曰第二十」2)

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「子張」、孔子晩年の弟子で、もっとも若く秀才といわれています。論語での登場回数も多く、影響力のあった人物のようです。才が高く、意が広く、人の感情などに拘らないところがあったです。

「堂々たるかな張や」といわれるように尊大なところもあったのでしょうか。

 子張は「礼」の専門家といわれ、その形式を身につけることはできても、孔子がもっとも重視した「仁」を身につけることができずにいることが、この章からもうかがえるのでしょうか。  

史記」にも「師や僻なり」とあるように、子張は時として正統を離れる異説を好んだようです。威厳があるかのように振舞うが、ただ猛々しくなっていたのかもしれません。優秀ではあっても、そうした性格があってのことか、子張は政治の表舞台には立つことはなかったようです。

 

 

 中国が軍事演習を活発化させ、弾道ミサイル5発が日本のEEZ 排他的経済水域内に落下したといいます。

 また、中国当局は、台湾本土を囲むように飛行禁止区域を設定したといいます。これを受け、JALANAなど国内航空各社は運航への影響について確認を急いでいるそうです。

中国が台湾本土囲む飛行禁止区域設定、日系航空各社は影響を精査 - Bloomberg

 力を誇示し、威圧して何なるのでしょうか。また、その力に力で対抗することほど愚かなことはないはずです。それは歴史が証明しています。

 一方、国内では特定団体と政党のつながりに批判が噴出しているようです。大物たちがこぞって言い訳を始めています。

自民・下村博文氏、旧統一教会名称変更の関与否定 世界日報から献金も: 日本経済新聞

 権力の回りに人は群がるものです。盲目的につき従っても、その時には大きな問題になることはないものです。領袖なきあと、ようやくこれまでの異常に気づいたのでしょうか。急激な方向転換はできないのでしょうが、正すべきことは急ぎ正し、徐々に軌道修正し、緊張緩和に努め、為すべきことを成す国にしていかねばならないのでしょう。

 

 

 さてさて、この先日本はどうなっていくのでしょうか。

たとえ喧騒の中であれ、小さな声で、話してみること|塩谷舞(mai shiotani)|note

「君子は、泰にして驕らず、威ありて猛からず」。

 尊大、子張のような人物が増えては息苦しくなるだけです。そんな人物を崇めるよりももっと大切なことがあることに気づけば、変化を受容できるようになっていくのかもしれません。