「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

見限られたのかジョンソン英首相、日本ではありえそうにない閣僚の離反

 

 その剛腕で、ブレクジット、英国のEU離脱を実現させ、コロナ対策で功を為し、また、ここ最近ではウクライナを積極的に支援し、英国の存在感を示したジョンソン首相が辞するそうです。

 新型コロナの規制下で、首相官邸でパーティーを繰り返し、また、任命した与党の幹部がスキャンダルで辞任したことなどで、急速に求心力が低下、閣僚らが大量に離反し続投が困難になったことが理由のようです。

新型コロナ: 英国ジョンソン首相が辞任表明 不祥事相次ぎ閣僚離反: 日本経済新聞

 問題を起こしては、二転三転する説明が批判の的になったようです。信頼を失ったということなのでしょうか。数々の功績も色あせ、それだけでは人々の心をつなぎとめることはできなくなったということでしょうか。

 

 

論語に学ぶ

子路(しろ) 君に事(つか)うることを問う。子曰わく、欺くこと勿(な)れ。而(しか)して之を犯(いさ)めよ、と。(「憲問第十四」22)

 弟子の子路が「主君にはどのようにして仕えるのでしょうか」と質問しました。孔子は「欺いてはならない。しかし、諫めるべき」と答えました。

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 首相より使命を受けた大臣は、その信に応え、欺くようなことがあってはならない。しかし、時にその信を揺るがすような行為があれば、怯むことなく、諫言しなければならない。英国の大臣たちはその職を辞してまで首相を諫めようとしたのでしょうか。それとも単にジョンソン首相を見限ったということなのでしょうか。

 日本では見ることのないことのように感じます。選挙前後で、時の首相を見限ることは度々ありますが、諫めることは少ないのではないでしょうか。嘘で固め、政治を私物化するよう人物がいまだ与党の最大派閥を為し、その影響力を誇示しようとしています。諫めることは難しく、勇気が必要で、ついつい媚び諂う方向に走ってしまうのが常なのでしょうか。

 

 

 ジョンソン首相の辞任を受け、与党保守党の党首と首相の座を賭けた後継レースがもう始まったそうです。有力な候補はいないといいます。

ジョンソン英首相が辞任表明、不祥事続き波乱の政権は3年で幕 - Bloomberg

 ただ、後任は誰であろうと、インフレが加速、生活費が高騰し、労働者の不安は強まっている英経済を引き継ぐことになるといいます。

 日本では参院選の投票日が近づいてきました。与党に対抗できる有力な野党がないのではないかと感じます。与党が改選議席過半数をとれば、信任されたことになるといいます。経済状況は英国と大きく違うことはないのでしょう。どういう結果になるのでしょうか。そろそろ与党に諫言を届けなければならないようにも感じます。

 

「参考文書」

ジョンソン首相なぜ“窮地”に?英与党党首辞任へ | NHK国際ニュースナビ

ジョンソン首相後継レースは最右翼不在、候補者乱立か-有力は8人 - Bloomberg