選挙戦が始まって、意識しなくとも選挙の争点や各党の主張を目にするなり、耳にしますが、党利党略になっていないかと感じます。なかなか状況の改善を望めそうにありません。
問題の根っこを正さずに、どうでもいいような課題を見つけては、戦略とかいったところで、散財するのがおちです。解決どころか、かえって問題ばかりをつくってきたのがこれまでだったのではないでしょうか。それが国の借金問題であろうし、改善しない経済指標がそれを証明していそうです。
散らかった問題の整理整頓をすれば、もう少しすっきりして、これからの進む道が明らかになることはないでしょうか。
監査法人のトーマツが不正のリスクを検出するAI 人工知能を開発し、グローバル企業30社に導入したといいます。AIで省力化し、膨大な財務情報から不正やミスを早期に検知できるようにしたそうです。
監査にDXの波、AIが暴く不正会計 電子鑑識も: 日本経済新聞
国が真っ先に取り組んでもよそうなAIなのかもしれません。ミスや不正は問題やムダの根源です。小さな問題もムダも長年にわたって放置すれば、とてつもなく大きなものになることは往々にあることです。
「今、すべきことは何か。何から手を着けていくか」。
話題の人、業務スーパーの創業にして、地熱発電などを推進する町おこしエネルギー会長兼社長の沼田 昭二氏が問題解決の秘訣を日経ビジネスで語っています。
業務スーパー創業者「物事は『分解』して考えると明確になる」:日経ビジネス電子版
企業の課題や優先順位を決めていくときに重要なのは、「分解」の考え方です。ほとんどの物事は複数の要素から構成されています。それらの要素をヌケ・モレなく分解していくと、物事が一気に把握しやすくなります。目標設定や原因特定が明確になるわけです。(出所:日経ビジネス)
散らかった問題を整理するのに役立ちそうな考えです。
大きな問題を目の前にすれば、その大きさに委縮し、やる気が失せることもあります。しかし、その大きな問題もよくよく観察すれば、小さな問題が集まり、複雑に絡み合ってだけなのかもしれません。分解し、細分化できれば、その問題の解決は図れるのかもしれません。
整理とは捨てることといいます。整理を続れば、問題の本質に迫ることができそうです。
論語に学ぶ
冉求(ぜんきゅう)曰わく、子の道を説(よろこ)ばざるにあらず。力足らざるなり。子曰わく、力足らざる者は中道に廃す。今 女(なんじ)は画(かぎ)れり、と。(「雍也第六」12)
弟子の冉求が「孔子の考えに不満で実行しないというのではありません。私が力不足なのです」と述べたとき、孔子は「力不足の者は、中途でやめてしまう。ところが今、お前は始めから自分の可能性に枠をはめ、投げかかっている、それでは見込みはない」とこう教えたといいます。
行動を起こし実行すれば、それなりに結果を得ることはできます。しかし、中途でやめてしまえば、成果になることはないのでしょう。行動を続けるとは、結局、同調者、理解者を増やしていくということではないでしょうか。ある意味では説得なのかもしれません。
熟練した会計士は、工場の整理整頓の仕方や社長の話し方などから『この企業は要注意だ』という勘が働く。(出所:日経ビジネス)
国も工場も同じなのかもしれません。問題が散らかったままで放置されれば混乱するだけです。ミスも起きそうですし、不正が犯す輩が出てくるのかもしれません。付け焼き刃的な対策ではなく、どれだけ問題の本質で対策を行えるかです。
いつになったら国の借財は減り、物価は安定し、賃金は持続的に増加していくようになるのでしょうか。いつになったら安心で、そして豊かな暮らしをとり戻せるのか、それを明快に理解できるよう説明、説得して欲しいものです。
「参考文書」
【岸田文雄】岸田首相が火を付けた“インフレ不満票” ショボい対策と消費税減税スルーで自ら逆風煽る|日刊ゲンダイDIGITAL