「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

日本の衰退は止まるか、立ち上がった令和臨調は感情に訴える提言をまとめることができるか

 

経済界、労働界、学識者等の有志で組織する令和国民会議(令和臨調)が、発足大会を開催したといいます。この令和臨調では、「統治構造改革」「財政・社会保障」「国土構想」の3分野で政策提言活動を展開するといいます。

令和臨調|日本社会と民主主義の持続可能性に向けて

 令和臨調によれば、平成時代以来、先送りされてきた積年の課題で、とくに立場や党派を超えて取り組まなければ解決困難な課題に取り組み、一歩でも改革を前に進めるため、合意形成活動、世論喚起に取り組むといいます。

日本の人口減少問題はますます深刻さを増しております。また、平成時代以来、30 年余の日本の経済社会の停滞や、国力の低下を評して、しばしば、「失われた30 年」「日本の衰退」「地盤沈下」といった言葉も耳にするようなりました。

このような危機感は、いまや多くの国民の共有するところであろうと思います。

私たちには、こうした日本の現実を真摯に受けとめ、次の世代が希望をもてるような、持続可能な日本を作りあげる責務があります。(出所:令和国民会議(令和臨調)

 

 

 令和臨調の発足式に、岸田首相や立憲民主党の泉代表ら6党の代表が出席したといいます。

 岸田首相は、財政再建に言及し、「これで大丈夫だといくら言い張っても、マーケットや国際社会が評価しなければ信認は維持できない」と述べたといいます。また、泉代表は、「『変わらない日本、変われない日本』。これが現在の経済の低迷や人口減少を生み出している」と述べ、改革の必要性を強調したそうです。

 過去2回、こうした民間臨調が起きて、一定の成果があったようです。今回は成果につながる提言をまとめることができるのでしょうか。

論語に学ぶ

詩を誦(しょう)すること三百、之に授くるに政を以てして達せず、四方に使いして、専対(せんたい)する能(あた)わざれば、多しと雖(いえど)も亦(また)奚(なに)を以て為さんや、と。(「子路第十三」5)

」を三百篇も暗誦するほど知識が多くあるものの、内政を担当しても、達成することが無く、外交を担当しても、相手と渡り合うことができなくては、詩の中身がわかっていないのであって、ただ多くを暗誦しているとしても、それでは取るに足らない」と意味します。

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 知識集積が現代に比べ浅かったであろう孔子が生きた時代、詩から学ぶことが多かったということでしょうか。

 孔子は305の詩を編纂、詩経にまとめたといわれています。

結婚、恋愛、狩猟、建築、労働、出征、農事など当時の人民の生活の各方面を題材に、愛の喜び、死者への哀悼、肉親への思い、搾取者への憎悪、時間の推移への恐れ、時代の悪さへの悲嘆など、さまざまの感情を率直にうたう。(引用:コトバンク

 詩は当時の人々の感情を表現したものだったのでしょうか。

 

 

 現代の為政者 政治家や令和臨調を起こす知識人たちがどこまで人々がもつ感情を理解し、それを活かすことができているのでしょうか。

 各種データを活用、検討して政策が立案されるのかもしれませんが、そのデータの奥底にはどんな人々の感情が内在しているかを知ってのことでしょうか。人々のほんとうの声に耳を傾けていたら、ここまで日本が衰退することもないのではないでしょうか。

 地球温暖化の問題、国際社会が抱える問題としてのSDGs、1200兆円にも及ぶ国と地方の膨大な借金問題、そんなに多額のお金を使ってもよくならない経済、その一方で広がる格差、そして、人々の将来不安。

 その琴線に触れることができれるのでしょうか。感情の変化が求められているように思えてなりません。そんな提言を令和臨調はまとめることができるのでしょうか。

 

「参考文書」

「令和臨調」発足大会 岸田首相、泉立民代表ら出席:時事ドットコム