「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

生命起源の謎、「はやぶさ 2」が持ち帰った砂からアミノ酸が見つかる

 

 JAXA宇宙航空研究開発機構の探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」で採取して地球に持ち帰った砂から、アミノ酸が20種類以上見つかったとそうです。アミノ酸は生命を形作るたんぱく質の素といいます。地球外から直接持ち帰った試料からアミノ酸が見つかったのは初めてのことだそうです。

「りゅうぐう」の砂からアミノ酸 生命のもと、地球外で初確認―はやぶさ2が採取・JAXA:時事ドットコム

 地球における生命の起源について、地球で生成されたとする説と、宇宙空間で生成され隕石などの形で飛来したとする説があるそうです。今回の発見は謎の解明の材料になるのでしょうか。

 

 

 定説によると、地球の誕生は46億年前で、誕生したばかりの地球は温度が1,000℃以上のマグマに覆われ、生命はとても存在できないような環境だったといいます。高温でドロドロだった地球の表面が2億年かけて冷え、44億年前に海が誕生したといいます。

地球46億年の歴史と生命進化のストーリー | JAMSTEC×Splatoon 2『Jamsteeec(ジャムステ〜ック)』

 JAMSTEC 海洋研究開発機構によれば、海は44億年間ずっと存在していたわけではなく、何度も蒸発してはまた生成されるという過程を繰り返していたといいます。その原因は、大きさ数キロメートルほどの天体「微惑星」が頻繁に地球に衝突し、その衝撃によるものだといいます。その後、38億年前頃になって海が安定して存在できるようなり、生命が海の中で誕生したそうです。

 地球の歴史には浪漫を感じます。人類がこれまでに幾多の発見や発明をしたといっても、まだ解明できていない謎の方が多く、科学は進歩したといえども、まだまだということなのでしょうか。

論語に学ぶ

子 川上(せんじょう)に在り。曰わく、逝く者は斯(かく)の如きか。昼夜を舎(お)かず、と。(「子罕第九」19)

 孔子が川のほとりで、水の流れを見ながら、すべて過ぎゆくものはこの川の水と同じなのだな、昼も夜も一刻も止まることがないと言いました。

dsupplying.hatenadiary.jp

 桑原武夫によれば、人間も歴史も自然も時とともにうつろうてやまぬことを、孔子はそれを詠嘆したといいます。

 

 

 遥か何億年前に飛来した隕石がきっかけとなって、地球上に生命が誕生したとすれば、その隕石にも役割があり、天命を背負っていたのかもしれません。人はそれほど大きな役割を担えていないかもしれませんが、それでも個々人には何かしらの役割があってそれを無意識下で実行しているのかもしれません。

 孔子は「天 徳を予(われ)に生ぜり。桓魋(かんたい) 其れ予を如何せん」(「述而第七」22)と言ったといいます。  

 桓魋、宋の重臣で、司馬、軍司令官であったといいます。孔子が巨樹のもとで弟子たちと礼の儀式の稽古をしていたとき、なぜか孔子に反感をもった桓魋が孔子を殺そうとして、その巨樹を引き抜かせたそうです。弟子たちが危険を恐れて、先生早くお逃げなさいといったときに、孔子がこの言葉を洩らしたのだといいます。

天は私に徳を生みつけた。つまり、私が徳を備え道を説く素質を与えた。それは、天の私に与えた使命である。桓魋のような一軍人が、私に何を為し得ようというのか。使命観への確信の表明である。(引用:「論語桑原武夫

 人は知らず知らずのうちに、何かを選択しているものです。それは天命に従ったものなのか、それともそれに逆らってのことなのか。その選択次第で、自身の運命は変わっていくのではないでしょうか。

 

 

 先の孔子の「川上の嘆」は詠嘆で、決して絶望ではないそうです。紀元前六世紀のギリシャの哲学者、ヘラクレイトスは「万物は流転す」といったそうですが、この生成変化のイメージを河の流れにたとえているのと同じといいます。

「万物は流転す」、この世に存在するあらゆるものは、常に移り変わっていくということを意味します。この「流転」を仏語に従えば、六道四生の迷いの生死を繰り返すことなります。輪廻(りんね)に繋がるそうです。

 悠久の時の流れを振り返れば、人の存在などとても小さなものと思えてしまいます。時に迷いから抜け出すために、宇宙に思いを馳せてみるのもいいのかもしれません。

 

「参考文書」