「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

ツイッターを買収しようとするイーロン・マスクと愚行を繰り返す大統領、その違いは野心からか

 

 ひとりの野心が社会に影響することは往々にしてあることなのだろう。それで社会が善い方向に導かれればいいのだろうが、必ずしもそうならないこともある。

 ファーストリテイリングの柳井社長が4月の決算発表でこの先の値上げについて言及した。足元の値上げラッシュは、企業努力ではカバーしきれず、さらなる値上げを引き起こすのかもしれない。その遠因に、どこぞの国の大統領の野心があるのだろうか。

 より多くの人を幸福に導くことができればいいが、そうならずに苦しむ人のが遥かに多いのだろう。物事には必ず潮時というものがある。抜いた刃を元の鞘に収めるときではなかろうか。潮時を逸しれば、自分の立場を苦しくするだけではなかろうか。

 記念日に勇ましいパレードを行い、力を誇示したいのだろうが、発言が実態と乖離するようであれば、足元を見られてしまう。威勢ばかりよいが、行き詰っていると読まれるのがおちなのかもしれない。結局、多数の理解を得ることができなければ、何も為すことができないのだろう。

 

 

 ツイッターを買収する計画を進めるイーロン・マスク氏も大きな野心をもっているのだろう。

 持続可能なエネルギーの未来は実現できると信じて止まず、再生可能エネルギーだけで世界のエネルギーをカバーできるとし、そのために蓄電池をより一層普及拡大させる必要性があるという。そのために必要となる資源がボトルネックであることを指摘するが、明確な解を示してはいない。解決すべきと言いたいのだろうか。

 また、持続可能な未来においては、移動手段も電化する必要性を説き、そこにEV 電気自動車も含まれる。そのEVでは自動運転に言及し、AI 人工知能が必要といい、その目指すべき方向を説く。

 一方で、人類の危機を憂い、その危機を救うために、火星への移住を真剣に考える。そんなことを、イーロン・マスクは4月に開催されたTEDで語っていたようだ。

論語の教え

政を為すは徳を以てす。譬(たと)うれば北辰の其の所に居りて衆星(しゅうせい)之と共にするが如し。(「為政第二」1)

 天空の中心である「北辰」に衆星が取り巻き回転するさまから、中心にいる者は無の状態であり、その行為は、私心なく自然にして適切な対応となるという。

「為政者は民衆の模範となる有徳者でなくてはならない。そうであれば、その徳を慕って人々が集まってくる。比喩的に言えば、北辰がその位置に定まり、その他の星がそれを尊びつつ共に動くように」と意味する。

dsupplying.hatenadiary.jp

 君主はつねに人民をわが子のように愛するという基本姿勢において、人民の生活にできるだけ干渉しないようにして、ただ災害から守る配慮をしつつ、最低の租税を取り立てさせる、と桑原武夫は解し、理知と権力に頼らないで、君主の徳性によって教化するということであろうという。

 

 

 イーロン・マスクは己の主張は、人類愛に根差ししているという。そうであるから、地球を守らなければならないし、人類の危機を憂い、宇宙の必要性を説く。そうした視点に立てば、どこかの大統領の料簡があまりにも愚かにみえてしまう。

 ただ壮大過ぎる野心は独善に映ることもあるのだろう。また、イーロン自身が完全な人格を供えていることもないのだろう。それ故にミスも犯すし、時に失敗もする。そうした人間が言論の自由を司っていいのかと、wiredは疑問を投げかける。

イーロン・マスクがTEDで語った本音から、Twitter買収提案の「真意」が見えてくる | WIRED.jp

 それはそれで理解もできる。批判があって議論が深まり、それに応じて見直しがあれば、公正は保てるのかもしれない。

 

「参考文書」

ウクライナやNATOとの衝突、不可避だった-プーチン氏が演説 - Bloomberg

ロシア大統領が戦勝記念日で演説、ウクライナ侵攻を正当化 | ロイター

ロシア大使に赤い液体 対独戦勝記念日、ポーランド首都 写真15枚 国際ニュース:AFPBB News

カナダ首相、プーチン氏敗北へ「世界は全力尽くす」 | ロイター

ユニクロ、秋冬物以降で値上げ示唆…「原材料価格が倍なら今の価格は不可能」 : 経済 : ニュース : 読売新聞オンライン

イーロン・マスク氏、Twitterに買収提案--その意図をTEDで語る - CNET Japan