「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

不確実の時代、緊迫化する国際情勢、気になるフランス大統領選

 

 地球温暖化の問題が認識され、国際社会が一致してその問題解決を図っていく。その中で、互いの違いを尊重し合えば、国際協力も進み、ひとつの問題の下、調和し、平和な社会が実現する。そんな願いも虚しいものになったのだろうか。今の国際情勢を鑑みれば、そう思わざるを得ない。悲しい現実である。

 緊迫化する国際情勢が長期化の様相を呈している。この事態で世界各国が、自らの立ち位置を改めて確認する必要に迫られているようである。どの国と組むかで、様々なことに影響する。

 

 

複雑化する国際社会

 南半球を中心とする発展途上国のことを「グローバル・サウス」と呼ぶという。SDGsにおいても、これらの国々対する支援が課題とされるが、現下の情勢において、米国をはじめとする西側諸国が、こうした国々からの支持を得るのに苦労しているという。一方、ロシアは新興諸国との関係を利用しようしているという。

コラム:対ロシア制裁支持しない途上国、西側に「積年の恨み」も | ロイター

パキスタンスリランカでは、穀物とエネルギー供給の途絶によって引き起こされた食料・燃料価格の急騰が、すでに経済的・政治的危機を引き起こしている。中国寄りの傾向を強めていた両国では、今回の危機が西側諸国への批判を生み出している。(出所:ロイター)

 ただ、こうした足下の問題は、ウクライナ危機と中国に対する債務の増大によるものだという主張も見られていると、ロイターは指摘する。

 国際社会が複雑化している表れなのだろうか。様々な思惑が乱舞する。どの国と組めば、自国にとって有利になるのかが慎重に見極めることが求められているのだろう。

論語に学ぶ

三人行けば、必ず我が師有り。其の善なる者を択(えら)びて、之に従い、其の不善なる者は、之を改む。(「述而第七」21)

「自分を含めて三人が同行するとき、必ず自分にとって師となる人がいる。善き人であれば、その善いところを選びとってまねよう。悪しき人であれば、そうならないように反省する」と意味する。

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 単独主義で歩んでいくことはできない。誰かと交わり、つながる。しかし、世の中、必ずしも善人ばかりではないということなのだろう。

 

 

君子重からざれば、則ち威あらず。学びても則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とする無かれ。過ちては則ち改むるに憚ること勿れ。 (「学而第一」8)

上に立つ者は、重々しい態度をしていなければ威厳がたもてない。つまり、人民にあなどられるだろう。上位者には学問をしていないものが多いが、それでは考えが固定して融通がきかない。学問をしなければならない。

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「忠」とはまごころ、「信」は約束を違えぬこと。「忠信」とはそうしたよい性質をもつ人間を指すという。

 まごころがあって嘘をつかない人を人付き合いの主とし、自分のようにまごころを大切にすることがわからない者を友人とするな。過ちをおかしたならば、素直に改心して改めるべきである。こだわってはならないと、意味する。

 友人選びと同じように、どの国と付き合うかで、自国の運命までも左右されてしまうのだろう。

フランス大統領選

フランス大統領選の決選投票が4月24日に迫ってきた。1回目の投票で、1位のマクロン大統領と2位のルペン氏との対決になるという。最新の世論調査では、マクロン氏が僅差ながらリードしているそうだ。

 親プーチンであったルペン氏が態度を変え、決選投票を前に、NATOからの離脱をちらつかせているという。

アングル:仏極右ルペン氏、インフレ批判で「親プーチン」脱却 | ロイター

仮にルペン氏が勝利すれば、欧州全体だけでなく、米政府までも震撼(しんかん)させるだろう。フランスに強度の欧州連合(EU)懐疑派の大統領が誕生し、北大西洋条約機構NATO)を不安定化させる可能性もあるからだ。(出所:ロイター)

 どの国を友好国とするかで、国の行く先は変わっていく。フランス大統領選の結果が気になる。いずれにせよ、不確実な時代となったということなのだろう。