「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

独善的なロシアの過ち、人はなぜ過ちを犯すのだろうか

 

 欧州の小国モルドバが、EU 欧州連合への加盟を正式に申請したと発表したそうだ。

モルドバ、EU加盟を正式申請 ジョージアに続き 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News

 ウクライナでの戦争は対岸の火事ではないのだろう。旧ソ連構成国のジョージアも、EUへの加盟を正式申請した。AFPによれば、欧州議会は、ロシアに侵攻されたウクライナEU加盟申請を支持しているという。

 

 

 ウクライナ人道危機、長く続くことになるのだろうと理解はできても、それを信じたくない。日々、明るい兆しが現れるのを待ち焦がれてしまうのが本音だろうか。

 人道回廊を設けることに理解が得られたと、2回目の停戦交渉の成果が伝えられるが、裏を返せば、まだまだ続くということでしかないのだろう。

ウクライナ・ロシア、「人道回廊」設定で理解 協議継続へ | ロイター

 プーチン氏は相変わらず、同じ言い分ばかりを繰り返す。

 他者の声が聞えなくなったとき、人は躓くという。人は躓くと転ばないように必死に堪えて何とか体勢を保とうとする。それは本能的な反応なのかもしれない。

 かつて弁護士の中坊公平氏はこんなことを言っていた。

最後まで相手をねじ伏せて背中を地面につけさせる完全な勝ち方をすると、レスリングではいいけど、人間同士の交渉ごとでは、必ず何らかの遺恨を相手に残す。

それよりも相手の負けが見えたら、押し倒すとみせて、フッと前に引くんや、するとそれまで押されっぱなしでこらえていた相手は反動で前につんのって倒れる。前につんのめると、両手でかばうので、相手も屈辱感が少ない。恨みも最小限に押しとどめられる。でも勝ちは勝ちや (引用:藤井良広著「中坊公平の闘い」)

 人道面での譲歩はロシアのつんのめりなのだろうか。

 どこかの政党の派閥のリーダーが「核共有」と言い出す。実に安直な発想ではないだろうか。眼前に現れている問題への対処には役立つかもしれないが、事の根本解決には結びつかない。ウクライナに戦争を仕掛けているリーダーとあまり差がないのかもしれない。

 

 

論語に学ぶ

子太廟に入りて、事毎(ことごと)に問う。或るひと曰わく、孰(たれ)か鄹人(すうひと)の子 礼を知ると謂えるか。太廟に入りて、事毎に問う、と。子之を聞きて曰わく、是礼なり、と。(「八佾第三」15)

 孔子が大廟での祭式において、事ごとに長上の経験者にたずねていた。これを見て、ある人がこう謗った。「あの鄹野郎、礼の先生と誰が言ったのよ。大廟ではなんでもかんでも人に聞いてたぜ」と。この話を孔子が聞くと、「知っていても過ちのないように確かめる。それが礼なのである」と言ったという。

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 また、「思いて学ばれば、則ち殆(まど)う」(「為政第二」15)という。

「思考するばかりで知識や情報がなければ一方的になって、独善的になってしまうと意味する。

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  独善とは、「他人のことはかまわず、自分だけが正しいと考えるさま。ひとりよがり」。こうしたことに陥ってしまえば、人は離反していく。

 そうならないためにも、自分は知っていると思わずに、謙虚に他者の声に耳を傾けることが必要なのだろう。それがうまく出来ないからこそ、こうした言葉がある。何事も問題解決に時間が要するのは、これが理由なのかもしれない。