「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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暴挙とロシアを誹る首相、人はなぜ常軌を逸してしまうのだろうか

 

 夜が明け、新しい朝を迎えると、争いが終結していないかと願うが、日に日に悪化しているようで憂うばかりである。そうはいえども、ウクライナのゼレンスキー大統領はベラルーシ国境沿いで「前提条件なし」の交渉に応じる用意があると発表したそうだ。

プーチン氏、核抑止部隊に「特別警戒」命令 ゼレンスキー氏、ベラルーシ国境での交渉に合意 - BBCニュース

 NHKによれば、ゼレンスキー大統領は会談について「この会談で結果が出るとは思わないが交渉してみよう。わずかでも戦争を止めるチャンスがあったのに何もしなかったということがないように」などと述べたという。戦争終結に向け、前進はあるのだろうか。

 

 

 一方、プーチン大統領は、制裁を強化する西側諸国に対し、「不当な制裁」を科したとして、核抑止部隊に「特別警戒」を命令したという。

 BBCによれば、ロシアの核部隊にとって、「特別警戒」は最高レベルの警戒態勢のことをいうそうだ。

 プーチン大統領は常軌を逸していないだろうか。

プーチン大統領は依然としてこの戦争のエスカレーションを、まったく容認できない形で続けている。私たちは引き続き彼の行動を、可能な限り強力に制止しなくてはならない」と、アメリカのリンダ・トマス=グリーンフィールド国連大使が述べたという。

暴挙には高い代償を伴う

「暴挙には高い代償を伴うことを示していく」と岸田首相が発言し、SWIFT 国際銀行間の送金・決済システムからロシアを排除する制裁に加わると表明、また、プーチン大統領らロシア政府関係者の資産も凍結するという。

対ロシア追加経済制裁、首相発言の全文: 日本経済新聞

 仕方のないことなのかもしれないが、常軌を逸していそうなプーチン大統領を思えば、背筋が凍る思いもする。

論語の教え

子曰わく、道行なわれず。桴(ふ)に乗りて海に浮かばん。我に従う者は、其れ由(ゆう)なるか、と。子路之を聞きて喜ぶ。子曰わく、由や、勇を好むこと我に過ぎたり。材を取る所無し、と。(「公冶長第五」7)

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 孔子が当時の中国がどうにもやりきれないと思い、吐露した言葉といわれる。ただ本気で中国脱出を考えていたかは疑わしいという。

 孔子はこの国では理想は実現されない、いっそ桴に乗って東海にわたりたい、そうなったら連れていくのは、勇敢で政治的手腕もある、由(子路)だなと訳され、一本気な子路が自分への師の信頼にほくほくとして姿を現し、その子路に向かって、「由よ、わしも冒険は好きさ、だがお前はわしを上回っているよ。だが、いったい桴を作る材木はどうするのかね」と言ったという。

 

 

 その子路孔子に、「三軍を行(や)らば、則ち誰と与(とも)にせん」と質問すると、孔子は「暴虎馮河(ぼうこひょうが)し、死して悔ゆる無き者は、吾 与にせず。必ずや、事に臨んで懼(おそ)れ、謀(はかりごと)を好んで而(しか)して成す者たれ」と答える(「述而第七」10)。

「暴虎」とは素手で虎と組打ちすること、「馮河」は大河をかちわたりすること、ともに無謀な冒険を指すという。

 孔子子路をたしなめ、「虎と組打ちしたり、大河を渡渉したりして、死んでもかまうものか、そういう手合いとは、一緒に仕事することはできない。私の仲間としたいのは、戦争を懼れ、それを前にしては十分に慎重にし、戦略・戦術を巧みにして最後に勝利を得る者だ」といったという。

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 子路はやがて衛の内乱で死ぬことになる。性格は良かったのだろうが、無謀な勇の気質があったのかもしれない。

 プーチン大統領の性格までは知らないが、子路と同じような性分があるのだろうか。プーチン大統領の行動が「暴虎馮河」のようにみえてならない。