追い込まれるロシアとしたたかな中国 - 「論語を現代に活かす」　時代を超えて読まれた名著

ロシアとウクライナの戦争が連日ニュースとなって流れている。こんな怖ろしく、悲惨な現実が進行していることが信じ難い。

ロシアは、無差別に殺傷する兵器「クラスター弾」を使用しているのだろうか。

JIJI.COMによれば、ウクライナ東部ドネツク州の政府支配下にある町の病院付近をロシア軍がクラスター弾搭載の弾道ミサイルで攻撃したという。この攻撃で民間人４人が死亡、医療従事者６人を含む１０人が負傷し病院にも被害が出たと報じている。

ウクライナとロシアとの間で和平交渉の可能性はなくなってしまったのだろうか。

ロシアはウクライナが拒否したといい、戦闘を再開したという。いつまで、こんなことを続けるつもりなのだろうか。

道同じからざれば、相（あい）為に謀（はか）らず。（「衛霊公第十五」40）

「進む道が同じでないならば、たがいに心を割って話し合うことはしない」との意味だが、ロシアとウクライナの関係は、まさしくそういうことなのだろう。

中国がロシアの後ろ盾なのだろうか。それでも中国もロシアを締め付けざるを得なくなっているのだろうか。

中国の大手国有銀行の少なくとも２行がロシア産商品購入のための融資を制限しているという。ロシアとの経済関係を維持するとした中国の方針に、限界が迫っていることが浮き彫りになったとブルームバーグはいう。

中国工商銀行の国外部門は、ロシア産商品現物を購入するためのドル建て信用状（ＬＣ）の発行を停止。人民元建てのＬＣは一部顧客を対象に発行可能だが、上級幹部の承認を要するという。（出所：ブルームバーグ）

中国銀行（バンク・オブ・チャイナ）も自社によるリスク査定に基づき、ロシア産商品向け融資を制限しているそうだ。

中国のしたたかさなのかもしれない。

「中国製品を多く輸入し、ドルが支配する国際金融システムへのアクセスをコントロールする西側諸国に比べると、中国におけるロシア経済の重要性は見劣りする」と指摘する。

露骨な離反はないのかもしれないが、積極的な支援はしないということであろうか。

「与に言わざれば、人を失う。与に言う可からずして、之と言えば、言を失う。知者は人を失わず、亦（また）言を失わず」と、論語「衛霊公第十五」8 にある。

「その人ともに発言すべきであるのに、それをしないでいると、その人柄が大したことがないということになる。また、賛成すべきでない意見に賛成したりすると、まちがった意見の持ち主ということとなる。賢人は、人柄を失墜しないし、意見も間違わない」と意味する。dsupplying.hatenadiary.jp

中国も対応を間違えれば、国際社会からの信用失墜に発展しかねない。それは望まないのだろう。

ドイツ政府は外国への兵器供給はしないとの方針を転換し、ウクライナに武器を供与するという。

ロシアのプーチン大統領が指示したウクライナ侵攻に対する憤りを浮き彫りにしたとブルームバーグは指摘する。

道義に反し続ければ、擁護は出来なくなる。ロシアは自ら追い込み、窮地にはまっていっているのかもしれない。

「仁者は憂えず、知者は惑わず、勇者は懼（おそ）れず」という（「憲問第十四」28）。

戦いが長引かないことを願わずにいられない。ロシアには矛を収めてもらいたい。