「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

拡大するオミクロン株、拡大しそうな物価高 ~ 炉辺閑話 #90

 

 かつてないスピードでオミクロン株の感染拡大が続いています。いつになったらピークアウトするのでしょうか。

 重症化リスクが低いこともあってのことか、感染症の危険度分類についての言及もあるようです。この先、また変異株の出現も否定できないのしょうから、まずは今の感染拡大を早期に収束させていくべきではないでしょうか。

 

 

コロナ禍の物価高

 一方、昨年12月の国内企業物価指数が8.5%上昇し、物価上昇が広範囲にわたる懸念が高まっているようです。また、日銀の調査「暮らし向きD.I.」も悪化、1年前に比べて「ゆとりがなくなってきた」と答えた人が増加しているそうです。

日銀最新調査「物価が上がった」認識は77.4%、暮らし向きも大幅悪化…期待すべきは「経済正常化」の一手 | Business Insider Japan

 資源高や円安による原材料高が止まらず、コスト上昇分の一部を販売価格に上乗せる企業が増えたことによるものでしょうか。企業は「過度な円安は輸入コストがかさみ、原油や原材料価格のさらなる上昇を招く」と警戒し、円安是正を求める声もあるといいます。

 日本以外の先進国が、コロナ危機対応からの正常化プロセスを模索し、実行に移しているのに対し、「新規感染者数と行動制限に拘泥し続けた日本経済が資産運用先として選ばれにくかった」ことが、円安の背景のひとつになっていると、Business Insiderは指摘しています。

 行動制限にて経済成長を抑圧する政策運営の転換を図ることが必要だといいます。そうなのでしょうか。今行うべきことなのでしょうか。円安対策をすべきなのかもしれませんが、いずれにせよ、競争力が低下している日本経済には抜本的な対策が求められているようにも感じます。

論語の教え 

「苗にして秀でざる者、有るかな。秀でても実らざる者、有るかな」と、「子罕第九」22にあります。

 これは苗にたとえを引いて、途中挫折する事なき様にしなければならないとの教えだと、渋沢栄一はいいます。

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「稲の苗が成長して、花の咲かぬものがあらうか、花が咲いて穀を成さぬものがあらうか」、この比喩は「植物でも苗が成長して花咲き実を結ぶと同じく、学に志す人間も、倦まず惰らず勉強して止まざれば、遂に聖賢の材となり、君を輔けて仁政を施し、民を救うに至るべきに、中途にして学を廃する者の多いのは、誠に遺憾千万である」との意味であるといいます。

 

 

 ここまでコロナ対策に拘ってきたのであれば、やはり完遂すべきで、次の感染症がやってきても対処できるまで、しくみ作りを進めることが肝要なのではないでしょうか。それが定着し、感染が落ち着けば、経済も自然に回復していくものです。それをどれだけ早く実行できるのかということのようにも感じます。行動制限せずとも、感染が拡大しない環境が求められていないでしょうか。

理解はするが実行はしない

 「之に語(つ)げて惰(おこた)らずる者は、其れ回か」と、「子罕第九」20にはあります。

孔子が弟子に道を説くに当って、これを完全に理解し、またよくこれを実行して少しも違えることのないのは顔回のみだった」との意味で、他の弟子を励ましたものだと栄一は解説します。

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 当時の弟子の中には、聞いてもその意を解し得ない者がいたり、また、その意を解し得るも、実行しない者もあるので、折に触れて孔子は訓戒していたといいます。

 コロナ禍がいつまで経っても収まらないことからして、現代もまた同じなのかもしれません。