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【気になる組閣人事】信任の厚さか、ユーグレナ社は社長とCEOの新体制に移行 ~炉辺閑話 #48

 

 ミドリムシユーグレナ社が経営体制を10月1日から変更すると発表しました。

 これまでは社長の出雲氏が経営と業務執行の両方を担っていましたが、新体制では、社長の出雲氏が中長期的経営を担い、取締役代表執行役員CEOに就任する永田氏が業務執行を統括するそうです。

経営と業務執行を分担した次世代型タッグ経営体制に進化 | 株式会社ユーグレナ

これまで経営と業務執行の両方を担っていた代表取締役社長の出雲は、このたび代表執行役員CEOに就任する永田に業務執行における権限を移譲し、グループ経営のトップとして、ユーグレナ・フィロソフィーであるSustainability First(サステナビリティ・ファースト)を体現しながら、中長期的な経営方針の策定、様々なステークホルダーとの関係性の構築や深化など、中長期的経営を担います。

代表執行役員CEOに就任する永田は、業務執行のトップであるCEO(最高執行責任者)として、経営方針を具現化する業務執行をリードし、経営スピードを加速化させます。 (出所:ユーグレナ

 

 

 永田新CEOは、「『出雲充にとっての藤沢武夫になる』と私は公言してきました。出雲が持つ理念とビジョンを実現し、世界と仲間を幸せにしますと、コメントした。

藤沢武夫」は、本田宗一郎と共に本田技研工業を世界的な大企業に育て上げた人で、宗一郎の名参謀ともいわれます。宗一郎は藤沢に実印と会社経営の全権を委ね、自らは技術者に徹していたといいます。

 2人の信認、信任の厚さの現れなのでしょうか。

論語の教え

 本田宗一郎藤沢武夫、出雲充と永田暁彦の関係とは逆の関係を指摘する教えが論語にあります。

「臧文仲(ぞうぶんちゅう)は其れ位を窃む者か。柳下恵(りゅうかけい)の賢なるを知りて、而(しか)るに与(とも)に立たざるなり」と、論語「衛霊公第十五」14 にあります。

「魯国の大夫 臧文仲は、何もしないで給料をもらっているだけだな。柳下恵が賢人であることを知りながら、ともに政庁に立って政治を行おうとはしなかった」との意味です。

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「柳下恵」とは、姓が展、名が禽。字名は季。柳下に住み、恵と諡(おくりな)されたことで柳下恵といわれています。魯の大夫で裁判官。直道を守って君に仕えた賢者だったそうです。

 孔子は「志しを降し身を辱(はずか)しむ、言は倫(りん)に中(あ)たり、行ないは慮(りょ)に中たる」(志、己の生き方を曲げ、主取りならとはいつくばった。しかし、その発言は道理にかなっており、その行為も思慮に当たっている。そこのところがいい)と評しています(「微子第十八」8)。

 

 

「臧文仲」、魯国の大夫で実力者のひとりだったといいます。孔子はその「知」を認めていたようですが、分別のなさを指摘しています。

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「臧文仲」は、司馬遷の「史記」にも登場し、功績を残した人物のようですが、孔子は「礼」を知らないと批判しています。

 様々な意見があるのでしょうが、自民党が新体制になりました。国会で総理指名のあとは組閣人事となりますが、早くも憶測情報が流れています。

臧文仲は其れ位を窃む者か。柳下恵の賢なるを知りて、而るに与に立たざるなり

 国のリーダーたるもの、位を窃む者と言われないよう、賢者を立てて欲しいものです。