国のリーダーが変わるとなるとやはり気になってしまいます。善からぬ人たちが、またしゃしゃり出てきては影響力を行使しようとしていることが気になります。過去への巻き戻しだけは避けたいと願うばかりです。
批判されることが多い今の政権なのでしょうが、その前の政権に比べ前進したところも多々あったはずです。前の路線継承と聞くと、ぞっとします。女性候補を応援したい心情はあるものの、その信条が世の中の流れに合致しているのか、慎重に見ていくべきなのかもしれません。
「日本に新たな首相が誕生する見通しが株式投資を活気づけ、株価指数を30年ぶりの高値に押し上げた」とブルームバーグが報じます。
株式市場は好反応しているようです。
河野太郎行政改革担当相が出馬の意向だと伝わり、この報道を好感した株価上昇もトレーダーは期待している。 (出所:ブルームバーグ)
ブルームバーグによれば、首相交代で、世界をリードする企業や少ないコロナ死者数など日本の強みに投資家が焦点を絞ることができるようになるとの意見があるようです。
「外国人投資家は間違いなく河野氏を好む。英語を話し、米国の大学で学んだ。これが大きくプラスに働いている」とCLSA証券のストラテジスト、ニコラス・スミス氏はブルームバーグテレビジョンで発言。「河野氏の時代が来たと思う」と述べた。 (出所:ブルームバーグ)
一方、「そもそも、われわれが直面している問題、世界が直面している問題は、コロナという誰がやっても難しい問題のはずだ」、「菅氏はすごく人気がないが、では代えたからよくなるのかというとそんな問題ではない」と、投資会社の日本人幹部は語ったという。
期待と現実は異なるのかもしれません。しかし、過去に舞い戻ってはならないはずです。
論語の教え
「羣居(ぐんきょ)すること終日、言 義に及ばず、好んで小慧(しょうけい)を行う。難(かた)いかな」と、「衛霊公第十五」17 にあります。
総裁の椅子をとることばかりに終始しているようでは、先がしれているということなのかもしれません。
経済論議も大切なのでしょうが、やはり今ある危機を真剣に考え、そこからの脱却を図ることができる人がリーダーであるべきなのでしょう。
長引きそうなコロナ渦に、気候危機。そこから抜け出る道筋に、経済との関係性を丁寧に説明できる人が良いのではないでしょうか。経済ばかりを優先して、歪んだ社会になるのはもうたくさんです。そこに舞い戻るようであれば希望はありません。
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先日の横浜市長選で選ばれた山中新市長が、カジノを含むIR 統合型リゾート施設誘致は「撤回に必要な作業を今洗い出している。速やかにスケジュールを出したい」と話し、新型コロナウイルス対策は「具体的な対策を早期に示したい」と、東京新聞のインタビューで述べています。
また、前市長が強い意欲を示してきたバレエやオペラの公演を主体とする新たな劇場の整備について「中止する」と明言し、民意を市政に反映させるため、デジタルを活用して市民の意見を聞く「デジタルプラットフォーム」の導入を検討する考えを示したそうです。
文化の発展に寄与することなのかもしれませんが、今この時期に600億円を超える金額を投じることには疑問符がつくのかもしれません。東京新聞によれば、多額の総事業費に市民から批判の声が上がっていたといいます。地方選挙の結果かもしれませんが、ここにも民意は反映されているのではないでしょうか。
「忖度」とか、公の場で自身に関係する人を優遇したり、説明責任を果たさない、そうしたことをもう断たなくてはならないはずです。徳に背くことがなく、倫理ある社会をとり戻すときが来たと思うばかりです。