ニュージーランドで再び全土でロックダウン(都市封鎖)入ったといいます。新型コロナの市中感染者が1人確認されたことが理由のようです。
JIJI.COMによれば、世界的に猛威を振るっている”デルタ株”が国内に流入したことを前提に、アーダーン首相が厳しい措置を選択したといいます。
NZ国内で感染者の確認は約半年ぶりで、デルタ株かどうかを調べている。
アーダーン氏は現状について「(デルタ株が拡大した)海外の経験から学ぶことができるところにいる」と説明。「感染を食い止めるために厳しく早期に取り組む必要がある」と述べ、国民に協力を求めた。 (出所:JIJI.COM)
ニュージーランドの人口は約500万人。厳しい水際対策などが功を奏し、これまでの感染者の累計は約2600人にとどまっているそうです。アーダーン首相が先週、出入国規制を来年初めから緩和して、外国からの入国者を受け入れる方針も表明していたそうです。
「人にしろ、国にしろ、行きづまった場合をみると、間違いなく、些細なことをなおざりにしたことが躓きの石となっている」といいます。
「行きづまるのは、些細なことをなおざりにするからです」と、サミュエル・スマイルズは、セルフヘルプ(自助論)の中で説いています。
集中力、持続力、正確さ、几帳面さ、時間厳守、そして迅速さは、どんな分野であろうと、ビジネスを能率よくこなすために必要とされる資質です。 (引用:大人の気骨 サミュエル・スマイルズ 編訳:山本史郎 P100)
アーダーン首相の言動を観察すると、この言葉の説得力を感じます。
小人閑居して不善をなす
軍艦で水兵の不満がもっとも高まり、叛乱が起きやすいのは、彼らに暇があるときと、スマイルズはいいます。
そこで老練な艦長は、水兵に何もすることがなくなれば、「錨磨き」の命令を発するそうです。
軍隊が行進するとき、先頭が一定の速度で動かないために、後ろが混乱することがよくある。
ビジネスでも同じことだ。目前にあることを直ぐに、着実に、整然と行わなければ、他の仕事が後ろにたまって団子になってしまい、仕舞にはすべてをいっぺんに片付けなければならなくなる。そこまで混乱すると、人間の頭では対処できなくなる
(引用:大人の気骨 サミュエル・スマイルズ 編訳:山本史郎 P103)
コロナ渦の国内の状況もこれを同じなのでしょうか。
君子の天下に於けるや、適も無く、莫もなし。義 之と与(とも)に比す
「諸外国のロックダウンは感染対策の決め手にはならず、結果的に各国ともワクチン接種を進めることで日常を取り戻してきている」と、首相が昨夜の記者会見で述べたといいます。
一方、同席した尾身会長は、「飲食店などの店側に制限をお願いする仕組みがあるが、利用者個人に対してはいわばお願いベースしかない」と述べ、新たな法的な仕組みの構築の必要性を説いたようです。意見の食い違いなのでしょうか。
「君子の天下に於けるや、適も無く、莫もなし。義 之と与(とも)に比す」
論語「里仁第四」10にある言葉です。
「君子 教養人の世におけるあり方は、一方的な肯定もなければ、一方的な否定もない。ただ筋の通ったこと、それに従うまで」との意味です。
このままのコロナ対策で大丈夫なのでしょうか。「義」はあるのでしょうか。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」といいます。どうしても感染対策と経済対策という対立する二兎を追っているように思えてなりません。それも最短の道で.....
「いちばんの近道はたいてい悪い道で、もっとも公正な道をいこうと思えば、多少は遠い道をえらばなければならない」
スマイルズは、若者に対しては「人生に幸福と繁栄をもたらそうとするなら、他人の助けや引き立てではなく、もっぱら自分自身が頼りなのであり、自分自身のエネルギーを用いることをおいてほかにないのだということを、身をもって感じさせなければなりません」といいます。
兎に角、コロナが早く収束することだけを願うばかりです。