「地球温暖化の原因は人間の活動にあった」と、最新の国連IPCCの気候変動に関する報告書が指摘、断定したといいます。
結局、人類はこの問題を長い間、放置していたということなのでしょう。
ここ数年、異常気象が頻発するようになり、それが解明のきっかけだったりしたのでしょうか。
何の邪心もなく、日々の気象現象をつぶさに観察していれば、もっと早い時期に気づきがあったのかもしれません。少し残念でしかありませんが、これを新たな機会にできればいいのでしょう。
極めてありふれた、単純素朴な事実の中に、どんな意味が潜んでいるか
あのガリレオの「振り子」の発明も、ガリレオの観察力なくしてなかったといいます。
ピサの大聖堂の堂守の男が、軒につるしたランプに油を補充したとき、左右に振れるの止めずに行っていました。
そのときまだ弱冠18歳のガリレオは、それをじっくり観察して、これを利用して時計を作れないだろうかと思いつきました。
そして、それから50年もの間研究に研究を重ねたすえ、ようやくのこと「振り子」が完成するにいったのです。
(引用:セルフヘルプ「大人の気骨」サミュエル・スマイルズ 山本史郎編訳 P55)
ガリレオの偉大さは、平凡な事実に対する解釈のすばらしさということなのでしょうか。
温故知新
「故(ふる)きを温めて新しきを知る、以って師と為るべし」(「為政第二」11)
「古くからの伝えを大切にして、新しい知識を得て行くことができれば、人を教える師となることができる」との意味ですが、桑原武夫は、『過去の伝統を冷えきったそのままで固守するのではなく、それを現代の火にかけて新しい味わいを問いなおす』と訳します。
また、「伝統を墨守するのではなく、永遠の真理の今日的意味をさぐる」といい、そうした知的訓練を重ねることによってのみ、目前の複雑で混沌とした、しかし、私たちにとっても切実な現実を鋭くまた筋道をたててとらえることができるといいます。
一方、スマイルズは、ビジネス、芸術、科学をはじめ、およそどんな分野でも、成功する秘訣は小さな物事をしっかりと観察することにありますといいます。
人間の知識は、長い年月の間に蓄積されてきた、小さな事実の集合体にすぎません。
知識や経験の欠片が大切に蓄えられて、ついには巨大なピラミッドがそびえ立ったのです。このような事実や現象も、はじめはたいして意味がないと思われたものが多かったわけですが、やがては役に立つことが認識され、それぞれが違った場所にはまっていったのです。(引用:セルフヘルプ「大人の気骨」サミュエル・スマイルズ 山本史郎編訳 P57)
今求められる温暖化の解決のヒントも、こうしたところにあるのではないでしょうか。
脱炭素、これほどの機会はないのでしょう。ニーズがはっきりしていますし、科学的知見で、温室効果ガスを削減すれば、温暖化に歯止めをかけることがわかっています。
これに参加する人が増えれば増えるほど、観察する眼も増え、新たな気づき、発見があるのかもしれません。
単独の技術で解決することはないのでしょうけれども、組合せることで解決の糸口もありそうです。
「参考文献」