「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【命を為るに裨谌 之を草創し、世叔 之を討論し、行人の子羽 之を脩飾し、東里の子産 之を潤色す】 Vol.342

 

子曰わく、命(めい)を為(つく)るに裨谌(ひじん) 之を草創し、世叔(せいしゅく) 之を討論し、行人(こうじん)の子羽(しう) 之を脩飾し、東里(とうり)の子産(しさん) 之を潤色(じゅんしょく)す。(「憲問第十四」8)

 

  (解説)

孔子の教え。口上書(外交文書)を作るとき、大夫の裨谌が草稿を書き、大夫の世叔が検討し、外交官の子羽が補正し、東里に住む子産が潤色した。論語 加地伸行

 

「子産」、氏は公孫、名は僑、字名が子産。鄭の国の貴族で宰相を務めという。孔子より一世代前の合理主義的政治家であったという。

 

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「子産」は、これほどまでに外交問題に慎重に対処する。相手国に対する配慮を礼で示すことで、「和」を望んだということなのであろうか。

 

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 何も外交問題ばかりでなく、他者に発する言葉は慎重に選択されなければならないということなのかもしれない。特に、それを書き表す文書においては慎重さを求められることなのであろう。

 契約書、規則なども同じ類なのかもしれない。そうした文書は一方通行的な禁止事項ばかりになりがちになる。責務の明確化は必要なことであろうけど、そこには配慮が必要ということなのかもしれない。

 このコロナのご時世を鑑みてみれば。そうでなければ、人々の行動を変えることはできないということを示しているのかもしれない。 

 

 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫