「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【君子なるかな、若のごとき人。徳を尚ぶかな】 Vol.339

 

南宮括(なんきゅうかつ) 孔子に問うて曰わく、羿(げい)は射(しゃ)を善くし、奡(ごう)は舟を盪(うご)かせしも、倶(とも)に其の死然を得ず。禹(う)、稷(しょ く)とは躬(みずか)ら稼して天下を有(たも)つ、と。夫子(ふうし)答えず。南宮括出(い)づ。子曰わく、君子なるかな、若(かく)のごとき人。徳を尚(たっと)ぶかな、若のごとき人、と。(「憲問第十四」5)

 

  (解説)

南宮括が孔子に尋ねた。「羿は弓の名人であり、奡は陸上を舟を推して進めるほどの力の持ち主でありましたが、天寿を完(まっと)することができませんでした。禹も稷もともにみずから農耕に従事し、禹も稷の子孫も天子となりました。孔子は黙っていた。やがて南宮括が退出したあと、孔子はこう言った。「教養人だな、彼のような人物は。立派な人格だな、彼のような人は」と。論語 加地伸行

 

 「南宮括」、姓は南宮、名は括、字名が子容。孔子の門弟の一人と言われる。孔子の兄の子を嫁にするほど、孔子の慧眼に見合った人物。 

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「羿」は、有窮(ゆうきゅう)国の君主で、夏后(かこう)王朝を奪ったが、その臣の寒浞(かんさく)に殺されたという。

「奡」は、寒浞が羿の妻を奪って産んだ子であったが、夏后王朝の子孫の少康に殺されたという。

「稷」、周国の先祖で、その子孫が周王朝を建てたという。

「禹」、舜から天子の位を譲られた。

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「関連文書」

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 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 
論語 (ちくま文庫)

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  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫