子曰わく、中行(ちゅうこう)を得て之に与(くみ)せずんば、必ずや狂狷(きょうけん)か。狂者は進みて取り、狷者は為さざる所有り。(「子路第十三」21)
(解説)
孔子の教え。中庸(中行)の道を行く人と出会えず、その人とともに歩むことができないならば、やむなく仲間に選ぶのは、狂者や狷者か。狂者には進取の気持ちがある。狷者には汚れたことはしない気持ちがある。(論語 加地伸行)
「狂狷」、志が高くいちずに理想に走り、意志が堅固なこと
孔子は「雍也第六」29で、「中庸の徳為る、其れ至れるかな。民 鮮なきこと久し」という。
「中」は偏らず、過ぎたると及ばざるとのないこと。
「庸」は平常、あたりまえで変わらないこと。
ならば、「狂狷」の人を友として選ぶ方がまだましかということであろうか。それほど人の性格は多種多様であるということなのだろう。
(参考文献)