「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【弟子 孰をか学を好むと為すか。と。孔子対えて曰わく、顔回という者有り】 Vol.263

 

季康子問う。弟子 孰(たれ)を学をか好むと為すか。と。孔子対(こた)えて曰わく、顔回という者有り。学を好めり。不幸 短命にして死せり。今や則ち亡(な)し、と。(「先進第十一」7)

 

  (解説)

「季康殿が問われた。「弟子の中で、誰が学問を好んでいるか」と。孔子はこう答えた。「顔回と申す者がいます。学問を好んでいます。しかし、不幸にも短命で亡くなりました。もはやこの世におりませぬ」と。論語 加地伸行

  

 孔子最愛の弟子顔回(顔淵)が死んだのは、孔子61歳、顔回本人32歳のときと言われる。人の寿命が短かった古代だったが、孔子にとって顔回の32歳の死は短命に感じられたのかもしれない。

 「雍也第六」 3にも同じ内容がある。魯の君主「哀公」に「弟子 孰(たれ)をか学を好むと為す」と問われ、孔子は同じ内容で答える。

「今や則ち亡し」というのは、孔子の痛恨を示しているという。「死せり」と「亡し」、二回繰り返しているのが、その表われと桑原はみている。

 

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(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

 

 

論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫