「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【毋れ。以て爾の鄰里郷党に与えんか】 Vol.126

 

原思(げんし)之が宰と為る。之に粟(ぞく)九百を与う。辞す。子曰わく、毋(なか)れ。以て爾(なんじ)の鄰里郷党(りんりきょうとう)に与えんか、と。(「雍也第六」5)

  

(解説)

「原思が、孔子の知行地の頭となった。孔子は九百斗を与えた。ところが、原思はそれを受けなかった。すると孔子はこうおしゃっられた。「断るな。お前の近郷近在の者に分けてやればすむことだ」と。」論語 加地伸行

    

桑原の解説、

 前章の出し惜しみに反して、ここでは気前がよすぎるように見える。孔子はいつも相手を見て話をするのだったが、同様に、給与などについても相手によって処置を変えたのであろう。前章の子華は派手好みの男だが、この原憲は貧しい学究で、孔子の死後、衛の宰相となった子貢が美々しく威儀をととのえて、陋屋の原憲をたずね、かえって辱しめられたという伝説がある。孔子は彼の生活の不如意をよく知っていて、過分の手当てをあたえたのであろう。前章の「急を周いて富めるを継がず」を実践したのだ。

 

「原思」、姓は原、名は憲、字名が子思。魯の国の人で、孔子の弟子。

 

「毋れ。以て爾の鄰里郷党に与えんか」 
 政府や企業にもこうした姿勢があれば、いいのかもしれない。

 

 このコロナを経験してつくづくそう思うようになった。 

「君子は急に周くして富めるに継がず」

dsupplying.hatenadiary.jp

 

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫
 

 

 
 
 
 
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