「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【その民を養うや、恵。其の民を使うや、義】 Vol.110

 

子 子産を謂う。君子の道四有り。其の己を行なうや、恭。その上に事(つか)うるや、敬。その民を養うや、恵。其の民を使うや、義、と。(「公冶長第五」16)

  

(解説)

孔子が子産について論じられた。彼の人は教養人たる四特長を備えていた。言動においては、自分のような者でも(恭)という気持ち。主君に対しては、出すぎたことをしない(敬)態度。行政においては、人々の幸福第一。法の執行においては、厳正であった、と。」論語 加地伸行

  

「子産」、氏は公孫、名は僑、字名が子産。鄭の国の貴族で宰相を務めという。孔子より一世代前の合理主義的政治家であったという。

  子産を高く評価していた孔子、他の政治家にもこうあって欲しいと、この章は解すべきと桑原は言う。

  

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  
論語 (ちくま文庫)

論語 (ちくま文庫)

  • 作者:桑原 武夫
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫