「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

【君子の天下に於けるや、適も無く、莫もなし。義 之と与に比す】世情騒然 香港デモ 出口はあるのか Vol.79

  

 子曰わく、君子の天下に於けるや、適も無く、莫もなし。義 之と与(とも)に比す。(「里仁第四」10)

  

(解説)

「君子 教養人の世におけるあり方は、一方的な肯定もなければ、一方的な否定もない。ただ筋の通ったこと、それだ、それに従うまでだ。」論語 加地伸行

 

「義」、正しい道理。

「比」、従うこと。

 

 

 

  世情騒然。香港のデモが長期化したまま出口が見えない。米国上院で「香港人権法案」が可決されたとニュースが流れる。 

www.nikkei.com

 

  中国通のジャーナリスト福島香織氏はJBPressに『日本人が香港デモに無関心のままではいけない理由 一線を越えた警察の暴力、香港は戦場になった』を寄稿した。

 誤解なきように。私は暴力を絶対肯定しない。だが政権トップの言うことも警察発表も信じられない世界で、若者が命や未来を犠牲にして性急に要求を訴えることを「デモ隊の暴力が問題だ」と一蹴しては、民主主義が未完成の地域で専制に抵抗する手法として、それこそ抗議の自殺しかない、ということになってしまう。香港はすでに戦場になった。この段階に来て、「暴力反対、話し合いを」というセリフは何の説得力も持たないのだ。(出所:JBPress)

  

君子の天下に於けるや、適も無く、莫もなし。義 之と与に比す。

 

 香港市民を動かす「義」とは何であろうか。政府側に「義」はあるのだろうか。互いに求めるのは「善き香港」ということではないのか。

 

 中島みゆきさんの「世情」が虚しく響く。

世の中はいつも変わっているから
頑固者だけが悲しい思いをする

変わらないものを何かにたとえて
その度崩れちゃ そいつのせいにする

シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく
変わらない夢を流れに求めて

時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと戦うため    

(世情 中島みゆき

 

若者は、時として無謀な行動に出ることもある。早期に、非暴力的な形での解決を望むばかり。 

jbpress.ismedia.jp

 

 

(参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)

  

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