子曰わく、君子の天下に於けるや、適も無く、莫もなし。義 之と与(とも)に比す。(「里仁第四」10)
(解説)
「君子 教養人の世におけるあり方は、一方的な肯定もなければ、一方的な否定もない。ただ筋の通ったこと、それだ、それに従うまでだ。」(論語 加地伸行)
「義」、正しい道理。
「比」、従うこと。
世情騒然。香港のデモが長期化したまま出口が見えない。米国上院で「香港人権法案」が可決されたとニュースが流れる。
中国通のジャーナリスト福島香織氏はJBPressに『日本人が香港デモに無関心のままではいけない理由 一線を越えた警察の暴力、香港は戦場になった』を寄稿した。
誤解なきように。私は暴力を絶対肯定しない。だが政権トップの言うことも警察発表も信じられない世界で、若者が命や未来を犠牲にして性急に要求を訴えることを「デモ隊の暴力が問題だ」と一蹴しては、民主主義が未完成の地域で専制に抵抗する手法として、それこそ抗議の自殺しかない、ということになってしまう。香港はすでに戦場になった。この段階に来て、「暴力反対、話し合いを」というセリフは何の説得力も持たないのだ。(出所:JBPress)
君子の天下に於けるや、適も無く、莫もなし。義 之と与に比す。
香港市民を動かす「義」とは何であろうか。政府側に「義」はあるのだろうか。互いに求めるのは「善き香港」ということではないのか。
中島みゆきさんの「世情」が虚しく響く。
世の中はいつも変わっているから
頑固者だけが悲しい思いをする変わらないものを何かにたとえて
その度崩れちゃ そいつのせいにするシュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく
変わらない夢を流れに求めて時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと戦うため(世情 中島みゆき)
若者は、時として無謀な行動に出ることもある。早期に、非暴力的な形での解決を望むばかり。
(参考文献)