「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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【美を尽くせり、未だ善を尽くさざるなり】 Vol.68 ラグビー決勝戦でみたイングランドのメダル拒否

 

 子の韶(しょう)を謂う、美を尽くせり、又善を尽くせるなり、と。武を謂う、美を尽くせり、未だ善を尽くさざるなり、と。(「八佾第三」25)

  

(意味)

「作品韶曲に対する孔子の評価は「美、その上、善」、武曲へのそれは、「美、しかし、善は不十分」であった。」論語 加地伸行

 

「韶」、聖人である舜を称えた楽曲だという。

「武」、同じく聖人である武王を称える楽曲。

 武王は、周王朝を建てたが未完成であった。魯国の始祖、弟の周公がそれを完成したので、「武曲」を善が不十分とする解釈があるという。

 

「美」は大、「善」は小、あるいは「美」は甘美、「善」は高い品格と解釈が多いと加地は指摘する。

  

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「関連文書」

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 ラグビーワールドカップが終わった。決勝戦南アフリカイングランド。戦いの後が少し残念であった。

  ニュージーランドを破り快進撃を続けたイングランドだが、南アフリカの頑強なフィジカルの前に屈した。よほど悔しかったのかもしれないが、メダルを外す光景は見たくなかった。

 

「韶を謂う、美を尽くせり、又善を尽くせるなり。

 武を謂う、美を尽くせり、未だ善を尽くさざるなり」

 

イングランドの振る舞いが「美、しかし、善は不十分」と映る。 

ラグビーは紳士のスポーツと聞く。「美、その上、善」であって欲しい。

 

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 (参考文献)  

論語 増補版 (講談社学術文庫)

論語 増補版 (講談社学術文庫)