子魯の大師に楽を語(つ)げて曰わく、楽は其れ知る可(べ)きなり。始め作(おこ)すや、翕如(きゅうじょ)たり。之を従(はな)って、純如(じゅんじょ)たり、皦如(きょうじょ)たり、繹如(えきじょ)たり。以て成る、と。(「八佾第三」23)
(意味)
「孔子は魯国の音楽長官に音楽とは何かをこう主張された。「音楽とは別に難しいものではない。演奏し始めると、音色が集合して調子が合う。そこで各音の調子を暢(の)ばすと、各音それぞれ本来の音色が大きく現われるが調和を保つ。さらには音声が明瞭となる。各音を連続させつないでゆく。こういう風にして完奏するのだ」と。」(論語 加地伸行)
孔子は音楽の天才で、楽の体系を図ろうとしたと加地は解説する。
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ワールドカップラグビー決勝戦は、他国同志の戦いであったが、たいへん盛り上がった。大方の予想を覆し、屈強なフィジカルの南アフリカが勝利を収めた。まさに手に汗握る試合展開だった。
決勝の試合展開、序盤は互角の戦いかと見えた。ディフェンス、スクラムで力の差を見せつけ、徐々に南アフリカのペースに。
『始め作すや、翕如たり。之を従って、純如たり、皦如たり、繹如たり。』
時間を追うごとに、南アフリカのチームが機能し始める。フォワードとバックス、屈強なフィジカルを活かしたディフェンス、15人の個性がみごとに調和、トライにつながりドラマチックな勝利へ。
南アフリカはまた、守備において高いラインを維持しながら、体を張ったディフェンスを展開し続けた。ちょうどイングランドがニュージーランドを倒したときと同じように、守備で自分たちのリズムを生み出していった。(出所:BBC)
(参考文献)