「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

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2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【大徳は閑を踰えず。小徳は出入すとも可なり】 Vol.488 ~荀子の性悪説へ

子夏(しか)曰わく、大徳は閑(のり)を踰(こ)えず。小徳は出入(しゅつにゅう)すとも可なり。(「子張第十九」11) (解説) 子夏の言葉。「大徳 人格者は、規範を越えることはしない。小徳 人格者にまだ達することのない未熟な者は、多少出入りしても…

【信ぜられて而る後に諌む。未だ信ぜられざれば、則ち以て己を謗ると為す】 Vol.487

子夏(しか)曰わく、君子は信ぜられて、而(しか)る後に其の民を労す。未だ信ぜられざれば、則ち以て己を厲(やま)すと為す。信ぜられて而る後に諌(いさ)む。未だ信ぜられざれば、則ち以て己を謗(そし)ると為す。(「子張第十九」10) (解説) 子夏…

君子 三変有り【之を望めば儼然たり。之に即くや温か。其の言を聴くや厲し】 Vol.486

子夏(しか)曰わく、君子 三変(さんぺん)有り。之を望めば儼然(げんぜん)たり。之に即(つ)くや温か。其の言を聴くや厲(はげ)し。(「子張第十九」9) (解説) 子夏の言葉。「君子 教養人には、三つの姿がある。遠くから見ると威厳がある。接してみ…

【小人の過つや、必ず文る】 Vol.485

子夏(しか)曰わく、小人の過つや、必ず文(かざ)る。(「子張第十九」8) (解説) 子夏の言葉。「小人 知識人は過失があると、必ず言い訳をする」。(「論語」加地伸行) 子張と議論したとき、激しい調子を批判されたとか。孔子のゆったりと相手の意見を…

【百工は肆に居りて以て其の事を成し、君子は学びて以て其の道を致す】 Vol.484

子夏(しか)曰わく、百工(ひゃっこう)は肆(し)に居(お)りて以て其の事を成し、君子は学びて以て其の道を致す。(「子張第十九」7) (解説) 子夏の言葉。「工(たくみ)は作業場においてその技(わざ)を磨き、使い、物を作る。君子 教養人は学ぶこ…

博学篤志、切問近思【博く学びて篤く志し、切に問うて近く思う。仁 其の中に在り】 Vol.483 ~現代の篤志家は誰か

子夏(しか)曰わく、博く学びて篤(あつ)く志し、切に問うて近く思う。仁 其の中に在り。(「子張第十九」6) (解説) 子夏の言葉。「知識を広めて十分に記憶し、(発憤して)問題を立てては、自分のわからないことを解こうとする。仁 人の道はその中にあ…

【日々に其の亡き所を知り、月々に其の能くする所を忘るる無くんば、学を好むと謂うべきのみ】 Vol.482

子夏(しか)曰わく、日々に其の亡き所を知り、月々に其の能(よ)くする所を忘るる無くんば、学を好むと謂(い)うべきのみ。(「子張第十九」5) (解説) 子夏の言葉。「日々に新しいことを知り、月々に復習を怠らないようにするのであれば、学を好むとい…

【遠きを致すに恐らくは泥まん。是を以て君子は為めざるなり】 Vol.481 ~コロナ危機の先にあるもの

子夏(しか)曰わく、小道と雖(いえど)も、必ず観る可(べ)き者有り。遠きを致すに恐らくは泥(なず)まん。是(ここ)を以て君子は為(おさ)めざるなり。(「子張第十九」4) (解説) 子夏の言葉。「技芸や専門知識であっても、必ずそこには見るべきも…

【君子は賢を尊びて衆を容れ、善を嘉して不能を矜れむ】 Vol.480 ~大規模接種のシステム不具合について

子夏(しか)の門人 交わりを子張(しちょう)に問う。子張曰わく、子夏は何とか云えるか、と。対えて曰わく、子夏曰わく、可なる者は之に与(くみ)し、其の不可なる者は之を拒(ふせ)げ、と。 子張曰わく、吾が聞く所に異なり。君子は賢を尊びて衆を容(…

【道を信ずること篤からざれば、焉んぞ能く有りと為さん、焉んぞ能く亡しと為さん】 Vol.479 不正に手を染めるリーダーたち

子張(しちょう)曰わく、徳を執(と)ること弘(ひろ)からず、道を信ずること篤(あつ)からざれば、焉(いずく)んぞ能(よ)く有りと為さん、焉んぞ能く亡(な)しと為さん。(「子張第十九」2) (解説) 子張の言葉。「人格を高めるとしてもある程度で…

【得を見ては義を思い】 Vol.478 「休業命令」に反してあげる利益に義はあるのか

子張(しちょう)曰わく、士は危うきを見ては命を致(いた)し、得(とく)を見ては義を思い、祭りには敬を思い、喪(そう)には哀(あい)を思う。其れ可なるのみ。(「子張第十九」1) (解説) 子張の言葉。「できる人物は、国家が危急のときは生命を投げ…

【周に八士有り】 Vol.477

周に八士有り。伯達(はくたつ)、伯适(はくかつ)、仲突(ちゅうとつ)、仲忽(ちゅうこつ)、叔夜、叔夏、季随、季騧(きか)。(「微子第十八」11) (解説) 「周王朝のはじめの頃、八人の有能な人物がいた。その名は、伯達、伯适、仲突、仲忽、叔夜、…

【故旧 大故無ければ、則ち棄てざるなり。備わらんことを一人に求むる無かれ】 Vol.476

周公 魯公に謂(い)いて曰わく、君子は其の親(しん)を施(す)てず。大臣をして以(もち)いられざるに怨み使(し)めず。故旧(こきゅう) 大故(たいこ)無ければ、則ち棄(す)てざるなり。備わらんことを一人に求むる無かれ、と。(「微子第十八」10…

【大師の摯は斉に適き】 Vol.475

大師の摯(し)は斉に適(ゆ)き、亜飯(あはん)の干(かん)は楚に適き、三飯(さんぱん)の繚(りょう)は蔡に適き、四飯(しはん)の缺(けつ)は秦に適き、鼓の方叔(ほうしゅく)は河に入り、播鞉(はとう)の武は漢に入り、少師の陽、撃磬(げきけい)…

我は則ち是れに異なり【可もなく不可もなし】 Vol.474

逸民(いつみん)は、伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)、虞仲(ぐちゅう)、夷逸(いいつ)、朱張(しゅちょう)、柳下恵(りゅうかけい)、少連(しょうれん)あり。 子曰わく、其の志を降(くだ)さず、其の身を辱(はずかし)めざるは、伯夷・叔斉か、…

道の行なわれざるは、已 に之を知れり【其の身を絜くせんと欲して、大倫を乱る】 Vol.473

子路(しろ)従って後(おく)る。丈人(じょうじん)の杖を以て蓧(じょう)を荷なうに遇(あ)う。子路問うて曰わく、子 夫子(ふうし)を見たるか、と。丈人曰わく、四体 勤めず、五穀 分(ふん)せず、孰(たれ)か夫子と為す、と。其の杖を植(た)てて…

吾は斯の人の徒と与にするに非ずして、誰と与にせん【天下 道あらば、丘は与に易えざるなり】 Vol.472

長沮(ちょうそ)、桀溺(けつでき)藕(ぐう)して耕す。孔子 之を過ぐとき、子路(しろ)をして津(しん)を問わ使(し)む。長沮曰わく、夫(か)の輿(よ)を執(と)る者 誰と為す、と。子路曰わく、孔丘(こうきゅう)と為す、と。曰わく、是(こ)れ…

【楚の狂接輿 歌いて孔子を過ぐ。曰わく、鳳や鳳や、何ぞ徳の衰えたる】 Vol.471

楚の狂接輿(きょうせつよ) 歌いて孔子を過ぐ。曰わく、鳳(ほう)や鳳や、何ぞ徳の衰えたる。往(ゆ)く者は諌(いさ)む可べからず、来たる者は猶(なお)追う可し。已(や)みなん已みなん。今の政(まつりごと)に従う者は、殆(あや)うし、と。孔子下…

孔子 行る【季桓子 之を受け、三日 朝せず】 Vol.470

斉人(せいひと) 女楽(じょがく)を帰(おく)る。季桓子(きかんし) 之を受け、三日 朝(ちょう)せず。孔子行(さ)る。(「微子第十八」4) (解説) 「隣国の斉は女歌舞団を魯国に贈った。季桓子はそれを受け、三日間も政庁に現れなかった。孔子は祖…

孔子 行る【吾老いたり、用いること能わざるなり】 Vol.469

斉の景公(けいこう) 孔子を待(あしら)わんとして曰わく、季氏(きし)の若(ごと)きは、則(すなわ)ち吾(われ)能(あた)わず。季孟(きもう)の間を以てこれを待わん、と。 曰わく、吾老いたり、用いること能わざるなり、と。孔子 行(さ)る。(「…

【柳下恵 士師と為り、三たび黜けらる】 Vol.468

柳下恵(りゅうかけい) 士師(しし)と為り、三たび黜(しりぞ)けらる。人曰わく、子未だ以て去る可からざるか、と。曰わく、道を直(なお)くして人に事(つか)うれば、 焉(いず)くに往くとして三たび黜けられざらん。道を枉(ま)げて人に事えんや。何…

【殷に三仁有り】 Vol.467

微子(びし) 之を去り、箕子(きし) 之が奴(ど)と為り、比干(ひかん) 諌(いさ)めて死す。孔子曰わく、殷に三仁有り、と。(「微子第十八」1) (解説) 「微子は祖国を去り、箕子は奴隷となり、比干は諫めて死んだ。孔子は言った。「殷王朝には三人…

【年四十にして悪まる。其れ終わらんのみ】 Vol.466

子曰わく、年四十にして悪(にく)まる。其れ終わらんのみ。(「陽貨第十七」23) (解説) 孔子の教え。「四十になって人に憎まれるようでは、もう終わっている。(論語 加地伸行) 不惑の四十。四十にして惑わず。 祖国を復興を決意した孔子は自信が揺るが…

【小人とは養い難しと為す。之を近づくれば、則ち不孫なり。之を遠ざくれば、則ち怨む】 Vol.465

子曰わく、唯(ただ)女子と小人とは養い難しと為す。之を近づくれば、則(すなわ)ち不孫なり。之を遠ざくれば、則ち怨む。(「陽貨第十七」22) (解説) 孔子の教え。「女子と小人 知識人とは、そのつきあい方が難しい。親しく優しくすると、つけあがりわ…

君子も亦悪むこと有るか【勇にして礼無き者を悪む。果敢にして窒る者を悪む】 Vol.464

子貢(しこう)曰わく、君子も亦(また)悪(にく)むこと有るか、と。子曰わく、悪むこと有り。人の悪を称する者を悪む。下流に居(お)りて上(かみ)を訕(そし)る者を悪 む。勇にして礼無き者を悪む。果敢にして窒(ふさが)る者を悪む、と。曰わく、賜…

【君子も勇有りて義無くんば、乱を為す。小人 勇有りて義無くんば、盗を為す】 Vol.463

子路(しろ)が曰わく、君子は勇を尚(たっと)ぶか、と。子曰わく、君子は義を以て上(じょう)と為す。君子も勇有りて義無くんば、乱を為す。小人 勇有りて義無くんば、盗を為す。(「陽貨第十七」20) (解説) 子路がいった。「君子 教養人は度胸を尊重…

【飽くまで食らいて日を終え、心を用うる所無くば、難いかな】 Vol.462

子曰わく、飽食 終日、心を用うる所無くば、難(かた)いかな。博奕(ばくえき)なる者有あらざるか。之を為すは、猶(なお)已(や)むに賢(まさ)れり。(「陽貨第十七」19) (解説) 孔子の教え。「腹いっぱい食べて一日中、なにもしないでごろごろして…

【子 生まれて三年、然る後に父母の懐を免る。夫れ三年の喪は、天下の通喪なり】 Vol.461

宰我(さいが)問う。三年の喪、期すら已(すで)に久し。君子 三年礼(れい)を為さざれば、礼必ず壊(やぶ)れん。三年楽(がく)を為さざれば、楽必ず崩れん。旧穀(きゅうこく)既に没し、新穀(しんこく)既に升(のぼ)る。燧(すい)を鑽(き)り火を…

【瑟を取りて歌い、之をして之を聞かしむ】 Vol.460

孺悲(じゅひ) 孔子に見(まみ)えんと欲す。孔子 辞するに疾(やまい)を以てす。命を将(おこ)なう者 戸を出(い)ず。瑟(しつ)を取りて歌い、之をして之を聞かしむ。(「陽貨第十七」17) (解説) 孺悲が孔子に面会に来た。孔子は病気だとしてそれを…

【紫の朱を奪う】天 何をか言わん。四時行なわれ、百物生ず Vol.459

子曰わく、紫の朱を奪うを悪(にく)む。鄭声(ていせい)の雅楽を乱るを悪む。利口の邦家を覆すを悪む、と。 子曰わく、予 言うこと無からんと欲す、と。子貢(しこう)曰わく、子 如(も)し言わざれば、則(すなわ)ち小子(しょうし)何をか述べん、と。…