「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【道同じからざれば、相 為に謀らず】Vol.418

子曰わく、道同じからざれば、相(あい)為に謀(はか)らず。(「衛霊公第十五」40) (解説) 孔子の教え。「進む道が同じでないならば、たがいに心を割って話し合うことはしない」。(論語 加地伸行) ここ最近、つくづくとそう思う。もっとも貴重な時間…

【教え有りて類無し】Vol.417

子曰わく、教え有りて類無し。(「衛霊公第十五」39) (解説) 孔子の教え。「教育によって、人間の区別がなくなるのだ」。(論語 加地伸行) 教育者孔子の基本とするところであろうか。 「述而第七」8では、孔子は教育の基本方針を示し、自発性の重要性を…

【君に事えては其の事を敬み、而して其の食を後にす】Vol.416

子曰わく、君に事(つか)えては其の事を敬(つつし)み、而(しか)して其の食を後にす。(「衛霊公第十五」38) (解説) 孔子の教え。「主君に仕えるときは己の職務を着実に務めることだ。その待遇は後の話だ」。(論語 加地伸行) 子張が「禄」を得る方…

【君子は貞にして諒ならず】Vol.415

子曰わく、君子は貞にして諒ならず。(「衛霊公第十五」37) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人は大正義に従うが、小信義にはとらわれない」。(論語 加地伸行) 「貞」は正道、「諒」は小信と解するという。 辞書によれば、「貞」とは、「心が正しく安定…

【仁に当たりては、師にも譲らず】Vol.414

子曰わく、仁に当たりては、師にも譲らず。(「衛霊公第十五」36) (解説) 孔子の教え。「道徳(人の道)の実践においては、たとい師に対してであっても一歩も譲らない」。(論語 加地伸行) dsupplying.hatenadiary.jp dsupplying.hatenadiary.jp (参考…

【水火は吾 蹈みて死する者を見る。未だ仁を蹈みて死する者を見ざるなり】Vol.413

子曰わく、 民の仁に於けるや、水火(すいか)よりも甚だし。水火は吾(われ)蹈(ふ)みて死する者を見る。未だ仁を蹈みて死する者を見ざるなり。(「衛霊公第十五」35) (解説) 孔子の教え。「人々にとって道徳は、水や薪よりもずっと大切なものなのであ…

【君子は小知す可からず。而して大受す可し。小人は大受す可からず。而して小知す可し】Vol.412

子曰わく、 君子は小知(しょうち)す可(べ)からず。而(しか)して大受(たいじゅ)す可し。小人は大受す可からず。而して小知す可し。(「衛霊公第十五」34) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人は専門的知識が十分ではない。しかし、大任を果たすこと…

【知 之に及び、仁 能く之を守るも、荘以て之に莅まざれば、則ち民 敬せず】Vol.411

子曰わく、知 之に及ぶも、仁 之を守る能(あた)わざれば、之を得ると雖(いえど)も、必ず之を失う。知 之に及び、仁 能(よ)く之を守るも、荘(そう)以て之に莅(のぞ)まざれば、則ち民 敬せず。知 之に及び、仁能く之を守り、荘以て之に莅めども、之…

【君子は道を憂え、貧を憂えず】Vol.410

子曰わく、君子は道を謀(はか)りて、食を謀らず。耕せど、餒(たい) 其の中に在るあり。学べば、禄 其の中に在るあり。君子は道を憂え、貧を憂えず。(「衛霊公第十五」32) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人は心のありかたを追求するのであって、食べ…

【吾 嘗て終日食らわず、終夜寝ねず、以て思うも益無し。学ぶに如かざるなり】Vol.409

子曰わく、吾(われ)嘗(かつ)て終日食らわず、終夜寝(い)ねず、以て思うも益無し。学ぶに如(し)かざるなり。(「衛霊公第十五」31) (解説) 孔子の教え。「私は、一日中食べることもせず、一晩中眠ることもせず、ひたすらに考え続けたが、得ること…

【過ちて改めず、是を過ちと謂う】Vol.408

子曰わく、過ちて改めず、是(これ)を過ちと謂う。(「衛霊公第十五」30) (解説) 孔子の教え。「過ちを犯したのに改めない。これが真の過ちである」。(論語 加地伸行) 「人間は過ちを犯すことは避けられない。しかし多くの場合、人はあることが過ちで…

【人能く道を弘む。道 人を弘むに非ず】マイルストーンと道徳 Vol.407

子曰わく、人能(よ)く道を弘(ひろ)む。道 人を弘むに非(あら)ず。(「衛霊公第十五」29) (解説) 孔子の教え。「人間が道徳を実質化してゆくのであって、道徳が人間を高めてゆくわけではない」。(論語 加地伸行) 朝(あした)に道を聞かば、夕べに…

【衆 之を悪むも、必ず察し、衆 之を好むも、必ず察せよ】Vol.406

子曰わく、衆 之を悪(にく)むも、必ず察し、衆 之を好むも、必ず察せよ。(「衛霊公第十五」28) (解説) 孔子の教え。「世の多くの人が悪く言うときも、善く言うときも、必ずその底まで見通すことだ」。(論語 加地伸行) 「単純に信じるな」ということ…

【巧言は徳を乱る。小 忍ばざれば、則ち大謀を乱る】Vol.405

子曰わく、巧言は徳を乱る。小 忍ばざれば、則ち大謀(たいぼう)を乱る。(「衛霊公第十五」27) (解説) 孔子の教え。「さわやかな弁舌に引っかかって道徳心を乱すことがある。小さな正義に乗ってしまうと、大望を遂げることはできない」。(論語 加地伸…

【馬有る者は、人に借して之に乗らしむる。今は亡し】Vol.404

子曰わく、吾(われ) 猶(なお) 史の闕文(けっぷん)に及べり。馬有る者は、人に借して之に乗らしむる。今は亡し。(「衛霊公第十五」26) (解説) 孔子のことば。「私は歴史記録に欠けている文を見ることができた。しかし、「馬を持つ者は、人に貸して…

【吾の人に於けるや、誰をか毀り誰をか誉めん。如し誉むる所の者あらば、其れ試みし所有ればなり】Vol.403

子曰わく、吾(われ)の人に於けるや、誰をか毀(そし)り誰をか誉めん。如(も)し誉むる所の者あらば、其れ試みし所有ればなり。斯(こ)の民や、三代の直道(ちょくどう)にして行なう所以(ゆえん)なり。(「衛霊公第十五」25) (解説) 孔子の教え。…

【其れ恕か。己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ】Vol.402

子貢(しこう)問いて曰わく、一言にして以て終身 之を行なう可き者ありや、と。子曰わく、其れ恕(じょ)か。己の欲せざる所は、人に施すこと勿(なか)れ、と。(「衛霊公第十五」24) (解説) 子貢が質問した。「生涯、行なうべきものを、一字で表せまし…

【君子は言を以て人を挙げず。人を以て言を廃せず】Vol.401

子曰わく、君子は言を以て人を挙げず。人を以て言を廃せず。(「衛霊公第十五」23) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人は、相手の意見だけで、その人物を抜擢することはしない。あんな人物だからといって、その意見を無視することはしない」。(論語 加地…

【君子は矜なるも争わず。羣すれど党せず】Vol.400

子曰わく、君子は矜(きょう)なるも争わず。羣(ぐん)すれど党せず。(「衛霊公第十五」22) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人は、誇りを持っているが他者と争わない。共同生活はするが徒党は組まない」。(論語 加地伸行) dsupplying.hatenadiary.jp …

【君子は諸を己に求め、小人は諸を人に求む】Vol.399

子曰わく、君子は諸(これ)を己に求め、小人は諸を人に求む。(「衛霊公第十五」21) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人は、責任を自分に求めるが、小人 知識人は責任を他者に求める」。(論語 加地伸行) dsupplying.hatenadiary.jp (参考文献) 論語 …

【君子は世を没するまで名の称せられざるを疾む】Vol.398

子曰わく、君子は世を没するまで名の称せられざるを疾(にく)む。(「衛霊公第十五」20) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人は、その一生において、何もしなかった人とされることを恥じる」。(論語 加地伸行) dsupplying.hatenadiary.jp dsupplying.hat…

【君子は能くする無きを病む。人の己を知らざるを病まず】Vol.397

子曰わく、君子は能(よ)くする無きを病(や)む。人の己を知らざるを病まず。(「衛霊公第十五」19) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人は、自分の力量がまだまだ不足であることをはばかる。他者が自分の力量を知らないといって思い煩わない」。(論語 …

【君子は義以て質と為し、礼以て之を行ない、孫以て之を出だし、信以て之を成す】Vol.396

子曰わく、君子は義以て質と為し、礼以て之を行ない、孫以て之を出だし、信以て之を成す。君子なるかな。(「衛霊公第十五」18) (解説) 孔子の教え。「君子 教養人は、道理をもって根本とし、礼法に従って実践し、謙遜して発言し、誠意をもって貫く。君子…

【羣居すること終日、言 義に及ばず、好んで小慧を行う。難いかな】Vol.395

子曰わく、羣居(ぐんきょ)すること終日、言 義に及ばず、好んで小慧(しょうけい)を行う。難(かた)いかな。(「衛霊公第十五」17) (解説) 孔子の批判。「群れて一日中雑談し、話す中身に道徳論はなく、小才を巡らす話ばかりに熱中している。難しいな…

【之を如何せん、之を如何せんと曰わざる者には、吾 之を如何ともする末きのみ】Vol.394

子曰わく、之を如何(いかん)せん、之を如何せんと曰わざる者には、吾 之を如何ともする末(な)きのみ。(「衛霊公第十五」16) (解説) 孔子の教え。「どのようにすればよいでしょうか、どのようにすれば、と問うてこない者に対しては、私とても、どのよ…

【躬自ら厚くして、薄く人を責むれば、則ち怨みに遠ざかる】Vol.393

子曰わく、躬(み)自ら厚くして、薄く人を責むれば、則ち怨みに遠ざかる。(「衛霊公第十五」15) (解説) 孔子の教え。「自分の責任を問うことは厳しくし、他者のそれは穏やかにすれば、人から怨まれることがなくなるであろう」。(論語 加地伸行) dsupp…

【臧文仲は其れ位を窃む者か。柳下恵の賢なるを知りて、而るに与に立たざるなり】Vol.392

子曰わく、臧文仲(ぞうぶんちゅう)は其れ位を窃む者か。柳下恵(りゅうかけい)の賢なるを知りて、而(しか)るに与(とも)に立たざるなり。(「衛霊公第十五」14) (解説) 孔子の言葉。「魯国の大夫 臧文仲は、何もしないで給料をもらっているだけだな…

【已んぬるかな、吾 未だ徳を好むこと色を好むが如き者を見ざるなり】Vol.391

子曰わく、已(や)んぬるかな、吾 未だ徳を好むこと色を好むが如き者を見ざるなり。(「衛霊公第十五」13) (解説) 孔子の教え。「もはやだめだな。美人よりも、教養人に近づこうという気持ちが強い人物に、私は出会ったことがない」。(論語 加地伸行) …

【人 遠慮無ければ、必ず近憂有り】Vol.390 ~コロナ渦の「遠き慮りなければ必ず近き憂いあり」

子曰わく、人 遠慮無ければ、必ず近憂(きんゆう)有り。(「衛霊公第十五」12) (解説) 孔子の教え。「人たる者は、遠くまで見通しての配慮がなければ、きっと近く心配ごとが起こる」。(論語 加地伸行) 「遠き慮りなければ必ず近き憂いあり」、遠い将来…

【顔淵 邦を為むるを問う】鄭声は淫にして、佞人は殆うし Vol.389

顔淵(がんえん) 邦を為(おさ)むるを問う。子曰わく、夏(か)の時を行ない、殷(いん)の輅(ろ)に乗り、周の冕(べん)を服し、楽は則ち韶舞(しょうぶ)し、鄭声(ていせい)を放ち、佞人(ねいじん)を遠ざけよ。鄭声は淫にして、佞人は殆(あや)う…