「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

2020-01-01から1年間の記事一覧

【苟くも子の欲せざれば、之を賞すと雖も竊まざらん】 Vol.299

季康子(きこうし) 盗(とう)を患う。孔子に問う。孔子対(こた)えて曰わく、苟(いやし)くも子の欲せざれば、之を賞すと雖(いえど)も竊(ぬす)まざらん、と。(「顔淵第十二」18) (解説) 季康殿が盗賊が多いのを患えて孔子に対策を質問した。孔子…

【政とは正なり】 Vol.298

季康子(きこうし) 政を孔子に問う。孔子対(こた)えて曰わく、政とは正(せい)なり。子帥(ひき)いるに正を以てすれば、孰(たれ)か敢(あ)えて正しからざらん、と。(「顔淵第十二」17) (解説) 季康殿が政治とは何かと質問した。孔子が答えた。「…

【君子は人の美を成す。人の悪を成さず】 Vol.297

子曰わく、君子は人の美を成す。人の悪を成さず。小人は是に反す。(「顔淵第十二」16) (解説) 孔子の教え。君子 教養人は、他者の美徳を達成させるし、悪名があればそれを消滅させる。小人 知識人はこれと全く逆のことをする。(論語 加地伸行) 人は平…

【善を挙げて不能を教うれば、則ち勧めしめん】 Vol.39-1

季康子(きこうし)問えらく、民をして敬、忠にして以て勧めしむには、之を如何せん、と。子曰わく、之に臨むに荘(そう)を以てすれば、則(すなわ)ち敬せん。孝慈(こうじ)もてすれば、則ち忠ならん。善を挙げて不能を教うれば、則ち勧めしめん、と。(…

【博く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦以て畔かざる可きか】 Vol.296

子曰わく、博(ひろ)く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦(また)以て畔(そむ)かざる可きか。(「顔淵第十二」15) (解説) 孔子の教え。まず広く知識を学習し、次いでそれらを帰納してゆくときに礼に基づくならば、誤ることはない。」(論語 加地…

【子張 政を問う。子曰わく、之に居りて倦むこと無く、之を行なうに忠を以てす】 Vol.295

子張 政を問う。子曰わく、之に居(お)りて倦(う)むこと無く、之を行なうに忠を以てす、と。(「顔淵第十二」14) (解説) 子張が政治とは何かと質問した。孔子のこう教えた。「その官職についていて倦怠することがなく、仕事をするときはまごころを尽く…

【訟えを聴くは、吾猶人のごとし。必ずや訟え無から使めんか】 Vol.294

子曰わく、訟(うった)えを聴くは、吾猶人のごとし。必ずや訟え無から使(し)めんか。(「顔淵第十二」13) (解説) 孔子の教え。「訴訟を処理する能力は、私は他人と同じだ。訴訟を起こすことが無いようにするという点か。」(論語 加地伸行) (参考文…

【片言 以て獄を折む可き者は、其れ由か】 Vol.293

子曰わく、片言(へんげん) 以て獄(ごく)を折(さだ)む可(べ)き者は、其(そ)れ由(ゆう)か、と。子路、諾(だく)を宿する無し。(「顔淵第十二」12) (解説) 孔子の評価。「一言一句、それを聞いて訴訟の判断をすることができるのは、由であろう…

【君は君たり、臣は臣たり、父は父たり、子は子たり】 Vol.292

斉の景公(けいこう) 政を孔子に問う。孔子対(こた)えて曰わく、君は君たり、臣は臣たり、父は父たり、子は子たり、と。 公曰わく、善いかな、信(まこと)に如(も)し君は君たらず、臣は臣たらず、父は父たらず、子は子たらざれば、粟(ぞく)有りと雖…

【既に其の生を欲して、又た其の死を欲するは、是れ惑いなり】 Vol.291

子張(しちょう) 徳を崇(たか)くし惑いを弁(わか)つを問う。子曰わく、忠信を主とし、義に徒(うつ)るは、徳を崇くするなり。之を愛しては其の生を欲し、これを悪んでは其の死を欲す。既に其の生を欲して、又た其の死を欲するは、是れ惑いなり。(「顔…

【百姓足らば、君 孰と与にか足らざらん。百姓足らずんば、君 孰と与にか足らん】 Vol.290

哀公(あいこう) 有若(ゆうじゃく)に問いて曰わく、年饑(う)えて用足らず。之を如何せん、と。有若対(こた)えて曰わく、盍(なん)ぞ徹せざらんや、と。 曰わく、二も吾猶足らず。之を如何ぞ其れ徹せんや、と。対えて曰わく、百姓足らば、君 孰(たれ…

【文は猶 質のごとく、質は猶 文のごとし】 Vol.289

棘子成(きょくしせい)曰わく、君子は質なるのみ。何ぞ文を以て為さん、と。 子貢曰わく、惜しいかな、夫子の君子を説くや、駟(し)も舌に及ばず。文は猶 質のごとく、質は猶 文のごとし。虎豹(こひょう)の鞟(かく)は猶 犬羊(けんよう)の鞟のごとし…

【民 信ずる無くんば立たず】 Vol.288

子貢(しこう)、政を問う。子曰わく、食を足らし、兵を足らし、民 之を信ず、と。 子貢曰わく、必ず已(や)むを得ずして去らば、斯(こ)の三者に於いて、何をか先きにせん、と。曰わく、兵を去らん、と。 子貢曰わく、必ず已むを得ずして去らば、斯の二者…

【浸潤の譖、膚受の愬、行なわれざる、明と謂う可きのみ】 Vol.287

子張(しちょう) 明(めい)を問う。子曰わく、浸潤(しんじゅん)の譖(しん)、膚受(ふじゅ)の愬(そ)、行なわれざる、明と謂う可きのみ。浸潤の譖、膚受の愬、行なわれざる、遠と謂う可きのみ、と。(「顔淵第十二」6) (解説) 子張が明(明智)と…

【君子敬して失うこと無く、人と恭々しくして礼有らば、四海の内、皆兄弟為り】 Vol.286

司馬牛(しばぎゅう)、憂えて曰わく、人皆兄弟あり、我独(ひと)り亡し、と。商 之を聞けり。死生(しせい)は命(めい)有り、富貴(ふうき)は天に在り、と。君子敬して失うこと無く、人と恭々(うやうや)しくして礼有らば、四海の内、皆兄弟為(た)り…

【君子は憂えず懼れず】 Vol.285

司馬牛(しばぎゅう)君子を問う。子曰わく、君子は憂えず懼(おそ)れず、と。曰わく、憂えず懼れざれば、斯(すなわ)ち之を君子と謂うか、と。子曰わく、内に省みて疚(やま)しからざれば、夫(そ)れ何をか憂え何をか懼れん、と。(「顔淵第十二」4) …

【仁者は其の言うや訒し】 Vol.284

司馬牛(しばぎゅう)仁を問う。子曰わく、仁者は其の言うや訒(かた)し、と。曰わく、其の言うや訒ければ、斯(すなわ)ち之を仁と謂(い)か、と。子曰わく、これを為すや難(かた)し。之を言うに訒(じん)なること無きを得んや、と。(「顔淵第十二」3…

【己の欲せざる所は、人に施すこと勿かれ】 Vol.283

仲弓(ちゅうきゅう) 仁を問う。子曰わく、門を出でては大賓(だいひん)を見るが如くし、民を使うには大祭(たいさい)に承(う)くるが如くす。己の欲せざる所は、人に施すこと勿(な)かれ。邦に在りては怨み無く、家に在りても怨み無し、と。 仲弓が曰…

【顔淵 仁を問う。子曰わく、己を克ちて礼に復するを、仁と為す】 Vol.282

顔淵 仁を問う。子曰わく、己を克ちて礼に復(ふく)するを、仁と為す。一日 己を克ちて礼に復すれば、天下 仁に帰す。仁を為すは己に由(よ)る。人に由らんや、と。 顔淵曰わく、其の目(もく)を請いて問わん、と。 子曰わく、礼に非(あら)ざるもの視る…

【亦各々其の志を言うのみ】 Vol.281

子路、曾皙(そうせき)、冉有(ぜんゆう)、公西華(こうせいか)、侍坐(じざ)す。 子曰わく、吾が一日 爾(なんじ)らより長(ちょう)ぜるを以て、吾を以てする毋(なか)れ。居(お)れば則ち曰(い)う、吾を知らざるなり、と。如(も)し爾を知らば…

【是の故に夫の佞者を悪む】 Vol.279

子路 子羔(しこう)をして費(ひ)の宰と為ら使(し)む。 子曰わく、夫(か)の人の子を賊(そこ)なわん、と。 子路が曰わく、民、人有り。社、稷(しょく)有り。何ぞ必ずしも書を読みて然(しか)る後に学びたりと為さん、と。 子曰わく、是(こ)の故…

【焉んぞ佞を用いん。人に禦るに口給を以てすれば、屡々人に憎まる】 Vol.280

或(ある)ひと曰わく、雍(よう)や仁なるも佞(ねい)ならず、と。 子曰わく、焉(いずく)んぞ佞を用いん。人に禦(あた)るに口給(こうきゅう)を以てすれば、屡々(しばしば)人に憎まる。其の仁を知らず。焉んぞ佞を用いん、と。(「公冶長第五」5) …

【大臣とは、道を以て君に事うるなり。不可なれば則ち止む】 Vol.278

季子然(きしぜん)問う、仲由(ちゅうゆう)、冉求(ぜんきゅう)は、大臣と謂(い)う可(べ)きか、と。 子曰わく、吾 子を以て異を之問うと為す、曾(すなわ)ち由と求の問いか。所謂(いわゆる)大臣とは、道を以て君に事(つか)うるなり。不可なれば…

【子在せり。回 何ぞ敢えて死せん】 Vol.277

子、匡(きょう)に畏(おそ)る。 顔淵 後(おくれ)たり。子曰わく、吾 女(なんじ)を以て死せりと為す、と。 曰わく、子在(いま)せり。回(かい)何ぞ敢えて死せん、と。(「先進第十一」21) (解説) 孔子一行が匡の地で危機に陥ったことがあった。 …

【冉有問う、聞かば斯ち行なわんか、と。子曰わく、聞かば斯ち之を行なえ、と】 Vol.276

子路問う、聞かば斯(すなわ)ち諸(これ)行なわんか、と。子曰わく、父兄 在(いま)す有り。之を如何ぞ、其(そ)れ聞かば斯ち之を行なわんや、と。冉有(ぜんゆう)問う、聞かば斯ち行なわんか、と。子曰わく、聞かば斯ち之を行なえ、と。 公西華(こうせ…

【論 篤なるのみに是れ与せば、君子者か、色荘者か】 Vol.275

子張(しちょう)善人の道を問う。子曰わく、迹(あと)を践(ふ)まず、亦(また)室(しつ)に入らず、と。子曰わく、論(ろん)篤(とく)なるのみに是れ与(くみ)せば、君子者(くんししゃ)か、色荘者(しきそうしゃ)か、と。(「先進第十一」19) (…

【回や其れ庶きか。屢空し。賜や命を受けずして貨殖す。億れば則ち屢に中たる】 Vol.274

柴(さい)や愚、参(しん)や魯(ろ)、師や辟(へき)、由(ゆう)や喭(がん)。 子曰わく、回(かい)や其れ庶(ちか)きか。屢(つね)空(むな)し。賜(し)や命を受けずして貨殖(かしょく)す。億(はか)れば則ち屢に中(あ)たる、と。(「先進第…

【季氏 周公より富む。而るに求や之が為めに聚斂して之に附益す】 Vol.273

季氏 周公より富む。而(しか)るに求や之が為めに聚斂(しゅうれん)して之に附益(ふえき)す。子曰わく、吾が徒に非(あら)ず。小子(しょうし)鼓を鳴らして之を攻むるも、可なり。(「先進第十一」17) (解説) 季子は周公よりも豊かであった。にもか…

【過ぎたるは猶及ばざるがごとし】 Vol.272

子貢(しこう)問いて曰わく、師と商とは孰(いず)れか賢(まさ)れる、と。子曰わく、師や過ぎたり。商や及ばず、と。曰わく、然(しか)らば則ち師は愈(まさ)れるか、と。子曰わく、過ぎたるは猶及ばざるがごとし、と。(「先進第十一」16) (解説) …

【由や堂に升(のぼ)れり。未だ室に入らず】 Vol.271

子曰わく、由の瑟(しつ)、奚為(なんす)れぞ丘(きゅう)の門に於いてする、と。門人 子路を敬せず。子曰わく、由や堂に升(のぼ)れり。未だ室に入らず、と。(「先進第十一」15) (解説) 「孔子がおっしゃった。「由君が瑟を弾じるのは、わが塾では無…