「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【人と歌いて善ければ、必ず之を反さしめ、而る後に之に和す】 Vol.181

子 人と歌いて善ければ、必ず之を反(かえ)さしめ、而(しか)る後に之に和す。(「述而第七」31) (解説) 「孔子は、他人と歌われるとき、相手が正調であれば、歌を繰り返させた後、一緒に歌われることが常であったとのことである。」(論語 加地伸行) …

【苟くも過ち有れば、人 必ず之を知る】 Vol.180

陳の司敗(しはい)問う。昭公 礼を知るか。孔子曰わく、礼を知れり、と。孔子退く。巫馬期(ふばき)に揖(ゆう)して之を進ましめて曰わく、吾 聞く、君子は党せず、と。君子も亦党せるか。君 呉に取り、同姓たり。之を呉孟子と謂う。君にして礼を知らば、…

【我 仁を欲すれば、斯ち仁に至る】 Vol.179

子曰わく、仁 遠からんや。我 仁を欲すれば、斯(すなわ)ち仁に至る。(「述而第七」29) (解説) 「孔子の教え。仁は難しい徳であろうか。己がそうでありたいと志せば、ただちにその境地に達するのだ。」(論語 加地伸行) 桑原の解説。 仁は最高の徳だが…

【人 己を絜くして進む。其の絜きを与すは、其の往を保たざればなり】 Vol.178

互郷 与(とも)に言い難し。童子(どうじ)見(まみ)ゆ。門人 惑う。子曰わく、其の進むを与(ゆる)し、其の退くを与さざるに、唯何ぞ甚だしきや。人 己を絜(いざぎよ)くして進む。其の絜きを与すは、其の往を保たざればなり。(「述而第七」28) (解…

【多く見て之を識すは、知るの次なり】 Vol.177

子曰わく、蓋(けだ)し知らずして之を作る者有らん。我は是(こ)れ無きなり。多く聞きて其の善き者を択(えら)びて之に従う。多く見て之を識(しる)すは、知るの次なり。(「述而第七」27) (解説) 「孔子の教え。思うに、本当に理解することなくして…

【釣して綱せず。弋して宿を射ず】 Vol.176

子 釣(ちょう)して綱(こう)せず。弋(よく)して宿を射ず。(「述而第七」26) (解説) 「孔子は、竿一本で釣りをなさり、けっして長縄での寄せ釣りはなさらなかった。また、飛ぶ鳥には、弋獲(いぐるみど)りなさるが、木に止まっている鳥には射かけら…

【亡きなるに有りと為し、虚なるに盈てりと為し、約なるに泰と為す】 Vol.175

子曰わく、聖人は吾得て之を見ず。君子者を見るを得ば、斯(すなわ)ち可なり。子曰わく、善人は吾得て之を見ず。恒有る者を見るを得ば、斯ち可なり。亡きなるに有りと為し、虚なるに盈(み)てりと為し、約なるに泰(たい)と為す。難(かた)いかな、恒有…

【子は四を以て教う、文、行、忠、信】 Vol.174

子は四を以て教う、文、行、忠、信。(「述而第七」24) (解説) 「孔子は、四部門に基づいて教育された。すなわち、文芸、徳行、誠意、信義である。」(論語 加地伸行) 加地は以下のような解説も加える。 形式 内容 自己に対して 知識・学問(文) 道徳・…

【吾 行ないて二三子と与にせざるもの無し】 Vol.173

子曰わく、二三子(にさんし)、我を以て隠すと為すか。吾は隠す無し。吾 行ないて二三子と与(とも)にせざるもの無し。是れ丘(きゅう)なり。(「述而第七」23) (解説) 「孔子の教え。諸君は、私がなにか教え吝(おし)しみしているとでも思っているの…

【天 徳を予に生ぜり。桓魋 其れ予を如何せん】 Vol.172

子曰わく、天 徳を予(われ)に生ぜり。桓魋(かんたい) 其れ予を如何せん。(「述而第七」22) (解説) 「孔子の教え。天はこの私に世を徳化する資格をお与えになったのだ。桓魋ごときが、いったいこの私をどうすることができるであろうか。」(論語 加地…

【三人行けば、必ず我が師有り】 Vol.171

子曰わく、三人行けば、必ず我が師有り。其の善なる者を択(えら)びて、之に従い、其の不善なる者は、之を改む。(「述而第七」21) (解説) 「孔子の教え。自分を含めて三人が同行するとき、必ず自分にとって師となる人がいる。善き人であれば、その善い…

【子は怪、力、乱、神を語らず】 Vol.170

子は怪、力、乱、神を語らず。(「述而第七」20) (解説) 「孔子は、怪力や乱神についてはお話にならなかった。」(論語 加地伸行) 加地は、怪力(神秘的な力)、乱神(あやしげな神)との二者とするが、桑原は、怪、力、乱、神と四つの事とするのが普通…

【古を好み、敏にして以て之を求めたる者なり】 Vol.169

子曰わく、我は生まれながらにして之を知る者にあらず。古(いにしえ)を好み、敏にして以て之を求めたる者なり。(「述而第七」19) (解説) 「孔子の教え。この私は、生まれついたときから、ものの道理や知識が分かっていた人間ではない。古典、古制、古…

【発憤して食を忘れ、楽しみて以て憂いを忘れ、老いの将に至らんとするを知らず示爾】 Vol.168

葉公(しょうこう) 孔子を子路に問う。子路対(こた)えず。子曰わく、女(なんじ)奚(なん)ぞ曰わざる、其の人と為りや、発憤して食を忘れ、楽しみて以て憂いを忘れ、老いの将に至らんとするを知らず示爾(しかり)、と。(「述而第七」18) (解説) 「…

【子の雅言する所は、詩、書、執礼】 Vol.167

子の雅言(がげん)する所は、詩、書、執礼(しつれい)。皆雅言す。(「述而第七」17) (解説) 「孔子が文語調で述べられるのは、詩、書、そして礼法である。すべて文語調であった。」(論語 加地伸行) 加地の解説。 「雅言」は「正言」という。正しく発…

【我に数年を加し、五十にして以て易を学ばば、以て大過無かる可し】 Vol.166

子曰わく、我に数年を加し、五十にして以て易を学ばば、以て大過無かる可(べ)し。(「述而第七」16) (解説) 「孔子の教え。この私になお数年の時間が与えられ、五十歳になって易を学ぶならば、大いなる過失もなく過ごすことができよう。」(論語 加地伸…

【疏食を飯らい、水を飲み、肱を曲げて之を枕とす。楽しみ亦その中に在り】 Vol.165

子曰わく、疏食(そし)を飯(く)らい、水を飲み、肱を曲げて之を枕とす。楽しみ亦その中に在(あ)り。不義にして富み且つ貴きは、我に於いては浮雲の如し。(「述而第七」15) (解説) 「孔子の教え。粗食であり飲むものは水、肱を曲げて枕として寝る。…

【仁を求めて仁を得たり】 Vol.164 - 1

冉有(ぜんゆう)曰わく、夫子は衛の君の為にするか、と。子貢曰わく、諾。吾 将に之に問わんとす、と。入りて曰わく、伯夷(はくい)、叔斉(しゅくせい)は何人なるや、と。 曰わく古(いにしえ)の賢人なり、と。曰わく、怨みたりや、と。曰わく、仁を求…

【韶を聞くこと三月、肉の味を知らず】 Vol.164

子 斉(せい)に在りて、韶を聞くこと三月(さんげつ)、肉の味を知らず。曰わく、図らざりき、楽を為すの斯(ここ)に至らんとは、と。(「述而第七」13) (解説) 「孔子が斉国に滞在しておられたとき、韶を学ばれること三か月、没頭しておられて食事の中…

【子の慎む所は、斎、戦、疾なり】 Vol.163

子の慎む所は、斎、戦、疾なり。(「述而第七」12) (解説) 「孔子が粛然とされるのは、祭祀、戦争、疾病のときであった。」(論語 加地伸行) 加地は、「斎」とは鬼神に接すること、「戦」は、人々の死生や国家の存亡にかかわること、「疾」は、自分の死…

【如し求む可からずんば、吾が好む所に従わん】 Vol.162

子曰わく、富 求む可(べ)くんば、執鞭(しつべん)の士と雖(いえど)も、吾も亦(また)之を為さん。如(も)し求む可からずんば、吾が好む所に従わん。(「述而第七」11) (解説) 「孔子の教え。どんと儲かることができるものならば、通行者の整理のよ…

【之を用うれば則ち行ない、これを舎つれば則ち蔵る】 Vol.161

子 顔淵に謂いて曰わく、之を用うれば則(すなわ)ち行ない、これを舎(す)つれば則ち蔵(かく)る。唯 我と爾(なんじ)と是れ有るか、と。 子路曰わく、子 三軍を行(や)らば、則ち誰と与(とも)にせん、と。 子曰わく、暴虎馮河(ぼうこひょうが)し、…

【是の日に於いて哭すれば、則ち歌わず】 Vol.160

子 喪有る者の側(かわら)に食するとき、未だ嘗(かつ)て飽(あ)かず。子 是(こ)の日に於いて哭すれば、則(すなわ)ち歌わず。(「述而第七」9) (解説) 「孔子は、葬儀のあった家で食事をされたとき、けっして満腹されなかった。また、弔問された日…

【憤せずんば啓かず、悱せざれば発さず】 Vol.159

子曰わく、憤せずんば啓(ひら)かず、悱(ひ)せざれば発さず。一隅を挙げて、三隅を以て反せずんば、則(すなわ)ち復(ふたた)びせず。(「述而第七」8) (解説) 「孔子の教え。心に求めるものがあっても、まだそれがはっきりしないときは、それをこう…

【自ら束脩を行なう以上には、吾未だ嘗て誨うる無くんばあらず】 Vol.158

子曰わく、自ら束脩(そくしゅう)を行なう以上には、吾未だ嘗(かつ)て誨(おし)うる無くんばあらず。(述而第七 七) (解説) 「孔子の教え。自分できちんと社会生活のできる年齢となった者以上には、私は弟子として教えてきた。」(論語 加地伸行) (…

【道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ】 Vol.157

子曰わく、道に志し、徳に拠り、仁に依り、芸に遊ぶ。(「述而第七」6) (解説) 「孔子の教え。天の道を求め、道徳を根底にして、人の道を身につけ、学芸の世界を楽しむ。」(論語 加地伸行) 「芸」、その修練を通して身につけた技能や技術、わざ、学問の…

【甚だしいかな、吾が衰えたることや。久しいかな、吾復夢に周公見ず】 Vol.156

子曰わく、甚だしいかな、吾が衰えたることや。久しいかな、吾(われ)復(また)夢に周公見ず。(「述而第七」5) (解説) 「孔子のことば。ひどいものだなあ、呆けてきたわな、このごろ。もう長い間、周公の夢を見なくなっている。」(論語 加地伸行) 「…

【子の燕居するや、申申如たり、夭夭如たり】 Vol.155

子の燕居(えんきょ)するや、申申如たり、夭夭(ようよう)如たり。(述而第七 四) (解説) 「孔子のくつろいでおられるときの様子は、伸びやかであり、楽しげであった。」(論語 加地伸行) (参考文献) 論語 増補版 (講談社学術文庫) 作者: 加地伸行 …