「論語を現代に活かす」 時代を超えて読まれた名著

未来はすべて次なる世代のためにある

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【徳の脩まらざる、学を講せざる、義を聞きて徙る能わざる、不善改むる能わざるは、是れ吾が憂えなり】 Vol.154

子曰わく、徳の脩(おさ)まらざる、学を講せざる、義を聞きて徙(うつ)る能(あた)わざる、不善改むる能わざるは、是れ吾が憂えなり。(「述而第七」3) (解説) 「孔子の教え。徳が積もらないこと、学習が進まないこと、道義を学んでも実践できないこと…

【黙して之を識し、学びて厭わず、人に誨えて倦まず】 Vol.153

子曰わく、黙して之を識(しる)し、学びて厭わず、人に誨(おし)えて倦(う)まず。何か我に有らんや。(「述而第七」2) (解説) 「孔子の教え。黙って心に刻んで記憶し、学んで厭きるといことがなく、人に教えて倦むこともない。それらは、この私におい…

【述べて作らず、信じて、古を好む】 Vol.152

子曰わく、述べて作らず、信じて、古(いにしえ)を好む。窃(ひそ)かに我を老彭(ろうほう)に比(なぞら)う。(「述而第七」1) (解説) 「孔子の教え。私は祖述しはするが創作はしない。先王を信じ古典・古制・古道を好む。ひそかにこの私を心の中で…

【仁者は、己立たんと欲すれば人を立つ。己達せんと欲すれば人を達す】 Vol.151

子貢曰わく、如(も)し博く民に施して能(よ)く衆を済(すく)う有らば、何如。仁と謂う可(べ)きか、と。子曰わく、何ぞ仁を事とせん。必ずや聖か。堯(ぎょう) 舜(しゅん)も其れ猶諸(これ)を病めり。夫れ仁者は、己立たんと欲すれば人を立つ。己達…

【中庸の徳為る、其れ至れるかな。民 鮮なきこと久し】 Vol.150

子曰わく、中庸の徳為る、其れ至れるかな。民 鮮(すく)なきこと久し。(「雍也第六」29) (解説) 「孔子の教え。道徳における中庸の位置は、この上ないものだ。しかし、人々は中庸を欠いて久しい。」(論語 加地伸行) とかく尖がることが求められる時代…

【予の否とする所の者あらば、天 之を厭てん】 Vol.149

子 南子に見(まみ)ゆ。子路 説(よろこ)ばず。夫子 之に矢(ちか)いて曰わく、予の否とする所の者あらば、天 之を厭(す)てん、天 之を厭てん、と。(「雍也第六」28) (解説) 「孔子が南子を訪問された。子路はそれを快く思わなかった。孔子はお誓い…

【君子は博く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦以て畔かざる可きか】 Vol.148

子曰わく、君子は博く文を学び、之を約するに礼を以てせば、亦(また)以て畔(そむ)かざる可きか。(「雍也第六」27) (解説) 「孔子の教え。教養人は、まず広く知識を学習し、次いでそれらを帰納してゆくときに礼に基づくならば、誤ることはない。」(…

【仁者は之に告ぐるに井に仁有りと曰うと雖も、其れ之に従わんや】 Vol.147

宰我(さいが)問うて曰わく、仁者は之に告ぐるに井(せい)に仁有りと曰うと雖(いえど)も、其れ之に従わんや、と。子曰わく、何為れぞ其れ然(しか)らん。君子は逝かしむ可(べ)きも、陥らしむ可からず。可きも、罔(し)う可からず、と。(「雍也第六…

【觚 觚ならず。觚ならんや、觚ならんや】 Vol.146

子曰わく、͡觚(こ)觚ならず。觚ならんや、觚ならんや。(「雍也第六」25) (解説) 「孔子の教え。近ごろの觚は、正式の觚ではない。觚なのか、觚なのか。」(論語 加地伸行) 加地の解説。觚は、酒杯で、飲み口が円ではなくて、稜が六つ(六角)有る形が…

【斉一変すれば、魯に至らん。魯一変すれば、道に至らん】 Vol.145

子曰わく、斉(せい)一変すれば、魯に至らん。魯一変すれば、道に至らん。(「雍也第六」24) (解説) 「孔子の教え。斉国がその態度を改めるならば、魯国のようになれるだろう。その魯国も改革があるならば、王道となれるだろう。」(論語 加地伸行) 加…

【知者は水を楽み、仁者は山を楽む】 Vol.144

子曰わく、知者は水を楽(この)み、仁者は山を楽む。知者は動、仁者は静。知者は楽しみ、仁者は寿もてす。(「雍也第六」23) (解説) 「孔子の教え。知者は川にほれぼれするが、仁者は山にだ。知者は活動的、仁者は静止的。知者は楽しんで生き、仁者は天…

【鬼神を敬して之を遠ざくれば、知と謂う可し】 Vol.143

樊遅(はんち)知を問う。子曰わく、民の義を務め、鬼神を敬して之を遠ざくれば、知と謂(い)う可し、と。仁を問う。曰わく、仁とは、難きを先にし獲るを後にす。仁と謂う可し、と(「雍也第六」22) (解説) 「樊遅が、知者とは何ですかと質問した。孔子…

【中人以上は、以て上を語ぐ可きなり。中人以下は、以て上を語ぐ可からず】 Vol.142

子曰わく、中人以上は、以て上(かみ)を語(つ)ぐ可きなり。中人以下は、以て上を語ぐ可からず。(「雍也第六」21) (解説) 「孔子の教え。中級以上の者には、高度なことを教えることができる。しかし、中級以下の者には、高度なことを教えることはでき…

【之を知る者は、之を好む者に如からず。之を好む者は、之を楽しむ者に如からず】 Vol.141

子曰わく、之を知る者は、之を好む者に如(し)からず。之を好む者は、之を楽しむ者に如からず。(「雍也第六」20) (解説) 「孔子の教え。道理を理解できただけでは、道理を実践することに及ばない。また、道理の実践ができただけでは、道理の境地にある…

【人の生くるや、直たれ。之 罔くして生くるは、幸いにして免るるのみ】 Vol.140

子曰わく、人の生くるや、直たれ。之 罔(な)くして生くるは、幸いにして免(まぬか)るるのみ。(「雍也第六」 19) (解説) 「孔子の教え。人間は生きてゆくとき正直であれ。それがなくて生きたとすれば、それは幸運にも失敗を免れただけのことだ。(論…

【文質彬彬として、然る後に君子たり】 Vol.139

子曰わく、質 文に勝てば、則ち野(や)。文 質に勝てば、則ち史(し)。文質彬彬(びんびん)として、然る後に君子たり。(「雍也第六」18) (解説) 「孔子の教え。中身(内容、本音)が外見(形式、たてまえ)を越えると、むき出しで野卑。外見が中身以…

【誰か能く出づるに戸に由らざらん。何ぞ斯の道に由る莫きや】 Vol.138

子曰わく、誰か能(よ)く出づるに戸(こ)に由らざらん。何ぞ斯の道に由る莫(な)きや。(「雍也第六」17) (解説) 「孔子の教え。外に出るとき、門戸を経ない者があるだろうか。同じく世に出るとき、どうして人の道を踏まないで歩み出すことがでありえ…

【佞有らざれば、宋朝の美有るとも、難いかな、今の世に免るること】 Vol.137

子曰わく、祝鮀(しゅくだ)の佞(ねい)有らざれば、宋朝の美有るとも、難(かた)いかな、今の世に免(まぬか)るること。(「雍也第六」16) (解説) 「孔子の教え。祝鮀のような優れた弁才がないならば、宋朝のような美貌があっても、難しいな、今の世…

【敢えて後るるに非ず。馬 進まざるなり】 Vol.136

子曰わく、孟之反(もうしはん)伐(ほこ)らず。奔(はし)りて殿(しんがり)す。将(まさ)に門に入らんとするとき、其の馬に策(むちう)ちて曰わく、敢えて後るるに非ず。馬 進まざるなり、と。(「雍也第六」15) (解説) 「孔子の教え。孟之反は自慢…

【行く径に由らず。公事に非ざれば、未だ嘗て偃の室に至らず】 Vol.135

子游 武城の宰と為る。子曰わく、女人(なんじびと)を得たるか、と。曰わく、澹台滅明(たんだいめつめい)という者有り。行く径(こみち)に由らず。公事に非(あら)ざれば、未だ嘗(かつ)て偃(えん)の室に至らず、と。(「雍也第六」14) (解説) 「…

【君子儒と為れ、小人儒と為る無かれ】 Vol.134

子 子夏に謂いて曰わく、女(なんじ)君子儒と為れ、小人儒と為る無かれ、と。(「雍也第六」13) (解説) 「孔子が子夏に教えた。「君子 教養人であれ。小人 知識人に終わるなかれ」と。」(論語 加地伸行) 桑原の解説。 「儒」という語が「論語」にあら…

【力足らざる者は中道に廃す。今 女は画れり】 Vol.133

冉求(ぜんきゅう)曰わく、子の道を説(よろこ)ばざるにあらず。力足らざるなり。子曰わく、力足らざる者は中道に廃す。今 女(なんじ)は画(かぎ)れり、と。(「雍也第六」12) (解説) 「冉求が「孔子の考えに不満で実行しないというのではありません…